夏の日の午後
晴れている空
晴れている空
偶然にも君が歩みを止めてこちらを見る
流れる雲
流れる風
流れる君の黒髪に
懐かしさを感じたのは僕だけか
素知らぬふりで日傘を傾け
角を曲がる君の背に
かける言葉は思いつかず、
君の世界に僕は要らない
僕の世界に君はいなくていい
夏の日に、
出した答えが頭のなかで繰り返される
君は若かっただけだ
僕も若かっただけだ
ふたりは若かっただけだ
それだけのことだった
晴れた空の下、太陽は色濃く影をつくりだす
僕の指を引っ張る小さな手のひらの優しさに、
時間を戻して
僕も再び歩き始める