出会い。そして固結。l二
意外な返答に思わず声が漏れてしまう。
そして少女は一冊のノートの様なものを異次元空間?から取り出し、記し出す。
「【強化魔法】 詠唱はインフィニティハーレムっと!」
こんな幼い子になんて言葉を覚えさせてしまったんだ……。彼は心底後悔した。
そしてとっさに話を切り替える。
「……えっとさ!君、名前はなんて言うの?」
「……あっ、私ですか? 私の名前はイズモって言います!イズと呼んでくださいねっ!」
耳はエルフほど特徴的ではないが、人間って訳でもなさそうだ。恐らくハーフエルフと言った所であろうか。
なんといっても笑顔がかわいい。さっきまでの羞恥は彼女の満面の笑みによって何処かに消えてしまった様だ。
「イズモって言うのかー……いい名前だな! 俺の名前はユウム! よろしくなイズ!」
「はい!末永くよろしくお願いします!」
“末永く”の意味を分かって使っているのかは知らないが、悪い気はしないから良しとしよう。
……ユウムは不思議に思った事が一つあった。
「イズ。君はどうしてこんな街から外れた草原に来たんだい?」
そう、普通に考えておかしいのだ。何故こんなに幼く見える子が、街から外れ、全く人通りのないこの場所にいるのか。
「イズ、ここは人通りも無いから危ないよ。お母さん達も心配してると思うよ?」
「……私に親はいませんよ?」
少し間が空き、彼女が首を可愛らしく傾げる。
「…………………………」
「…………………………」
「あっ、伝えるのを忘れてました! 私は超時空の女神。そして、あなたを“転移”させた張本人なんですっ」
突然の言葉に一瞬思考が停止する。恐らくあらゆる機能が停止していたであろう。
(……この少女が女神? 俺はこの子に転移させられてここに来たってことなのか?)
気を保ちながら頭を再起動させ得意の自称【状況判断】を発動させる。
だが、続け様に彼女が話す。
「あ、あの……もしよかったら、その……私と、この世界の【天辺】まで行って見ませんか?」