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第二十一話 結晶。そして一階層。

 樹塔一階層。俺たちは三人で初めてのユグドラシル攻略への第一歩を踏み出した。……のだが……。


「えーいっ!やぁー!」


 イズの空間魔法が次々と湧いてくるモンスターの真下に発動し、サフィアが錬金術で作った大きな穴に落下していく。


「一階層の物の怪は全く強くないです」


魔法(トリガー)】を発動させながらサフィアがそう言う。物の怪とは モンスター全体の総称らしい。イズは物の怪を見つけると、空間魔法を展開しながら笑顔で走って追いかけていく。まるで子供の虫捕りのようだ。


「おい、これって物の怪全部倒さなくたっていいんじゃないのか?」


「ダメです。あそこに大きな数字書いてあるの見えるですか?」


 そうサフィアが指差す方向を見ると、何か錆びついた古いダイヤル式のカウンターが奥に見える扉の上に埋め込まれている。


「あれは【デスカウンター】といって、物の怪を倒すとあの数字が減っていくです。数字がゼロになると扉のロックが解除されて、次の階層に向かうことができます」


 確かに、わいわいとイズが物の怪を奈落に落とすと、数字が減少している。今が二十って事はあと二十体倒せば、あの大きな扉が開くって事だろう。


「それって毎回階層上がるとき同じことしないといけないのか?」


「……はいです」


「えっ!」


「冗談です」


 そう言うと、サフィアは小さなカバンから何か砂時計に似たような装置を取り出した。


「このアイテムは【ワープナー】と呼ばれるもので、階層をクリヤするとき、同時にドロップする転移結晶これに入れて分解することで、クリアした階層からスタートできるです」


「なるほどーー」


「ーーなるほど。その結晶とはこれのことですかな?」


「うわっ! イズ! 驚かせるなよ!」


 突然俺の横に出現したイズに俺は激しく驚く。満面の笑みを見せるイズの小さな手には、青く光る小さな結晶があり、奥にある大きな扉は全て開ききっていた。


「はいです。それ貸していただいてもいいですか?」


「うん!」


 そう言うと、イズはその結晶をサフィアに渡した。受け取ったサフィアは、その結晶を装置の中に入れ目をゆっくりと閉じる。すると、中に入った青い結晶は溶けるようにだんだんと綺麗な粉末状になり、砂時計の下に溜まっていく。全て溶けきると、その綺麗な粉はふっと消えてしまった。


「これで一階層への転移が可能になったです。方法は、このアイテムの所持者が到達階層への転移を思考するだけで大丈夫です」


 そう言って俺にそのアイテムを渡す。頭で想像するだけって事はつまり無詠唱に近いのだろう。物を失くす癖があるからアイテムをバックパックに入れておこう……


「これで大体は攻略の準備オッケーだね! よーっし! 二階層の攻略早く行こーっ!」


 ……あれだけ走り回ったのにまだ体力あるのか……子供ってすごいな……


 そんなことを思いながら、俺たちは二階層にへと向かうことにした。








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