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第十四話 宝石。そして工房。

「お供させるって…サフィアを!?」


「…はいです」


意外な発言に思わずイズとユウムが固まる。当然だ。どれくらい驚いたかといえば、◯ラクエでスライムが仲間になるくらいの衝撃だったのだから。


「いや、一緒に来てくれるのは歓迎するけど、サフィアも【天辺(ウスト)】を目指してるの?」


「いえ、【天辺(ウスト)】にはこれっぽっちも興味はありません」


サフィアは無表情でそう言う。


「えっ……じゃあどうして……」


「あのユグドラシルには魔物だけでなく、ドロップアイテムや鉱石などもあるです。そのダンジョン上層域に、『時間を動かす宝石』が眠っているとされているです。」


「時間を……動かす宝石……」


(でた、いかにもチートみたいな能力ありそうな宝石)とユウムは思う。


「はいです。私たち錬金術師は、それを“クロック”と呼び、その宝石を自分のものとするために、仲間を作り、ダンジョンを攻略しているのです。」


「そうなのか、それで、その石をサフィアも探しに行きたいってこと?」


「そういうことです」


顔色を変えずにそう答える。サフィアは表情を作るのが苦手のようだ。


「よし、わかった!じゃあ一緒にユグドラシル攻略行こうぜ!よろしくなサフィア!」


無表情のまま今度はサフィアが硬直


「いいんですか?嬉しいです。」


「ち、ちょっと!なんでユウムが勝手に決めてるのよ!!!」


話に入るタイミングを見失い、隣に立ちっぱなしだったイズが突然ユウムのジャージを両手で掴みブンブン振り回しながら怒る。


「い、いいだろ別に!仲間が増えたらその分攻略だって楽になるだろ!それに、上層を目指すって目的は同じだろ?」


口を膨らませて怒ってるイズ。


「そうだけど違うの!!……せっかくユウムと二人で冒険できると思ったのにー……」


「ん?今なんて言った?」


「なーにーもーなーいー!!!ユウムのばーーかっ!あほぉぉぉ!」


そう言ってまたジャージを掴もうとする。掴まれまいと応戦するとユウム。


「ふふっ、お二人ともとても仲がいいです」


「「わ、、笑った!!!」」


可愛らしい笑顔を見せたサフィアに驚く二人。当然だ。さっきまで無表情だった子が笑ったのだから。


「笑うに決まってるじゃないですか。人間なんですよ。」


「まぁそうなんだけど……」


(サフィアが笑ったことがビックリしたんだけどな)


「話を戻すです。それでは約束通りユウム様の装備を一式製作させてもらおうと思うです。」


「おう!ありがとな!」


「お互い様です。では早速こっちに来て欲しいです。」


そう言うと、サフィアは店の奥へと入っていく。ユウムも拗ねてるイズを引っ張りながらサフィアの行く方へ着いていく。


そして、その道を抜けた先には小さな工房があった。


「すごーい!ユウム!すごくかっこいいね!」


機嫌が直ったのか、イズがはしゃぎ出す。なんて忙しいやつだ。でも確かにかっこいい。スチームパンクを連想させる場所だ。


「ここが私の工房です。少し汚いですが気にしないでくださいです。」


そう言うと、サフィアはたくさん素材の置かれた棚に向かっていく。


「ユウム様の【魔法(トリガー)】は何です?」


「イデアだ。」


「イデア……確か超時空魔法ですね。……その【魔法(トリガー)】を使える方がいてビックリです。」


(にしてはあまりビックリした雰囲気出てないけどなー…)


「……大体の設計は決まりまったです。今から作業に取り掛かかるです。少し暑くなるかもです。」


そう言われた瞬間に、工房の温度が一気に上昇する。


「うおっ、あっつ!」


思わず声が漏れる。


「久しぶりの装備製作です………最高の出来で仕上げるです。」


サフィアは少し笑いながらそう言うのであった。



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