始まり、そして終わり。l二
突然、通知音が鳴る。
「……ん? なんだこれ」
それは一通の非通知メッセージであった。
引きこもりを極めた俺に届くメッセージは限られている。ゲームの最新情報か数少ないネッ友、大抵は迷惑メールなので無視するが。
何故だろう。とても気になる。俺は吸い込まれるようにそのメッセージを開けた。
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差出人:二匹のかわいいうさちゃん
宛先:最強ニートくん
超かっこいい最強魔法繰り出したいかー!
超強い仲間たちと旅に出たいかー?
超かわいい女の子に囲まれて【ハーレム生活】を送りたいかー?!
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なんだ…このよくあるファンタジーゲームの謳い文句の様な台詞は。そしてなんだ最強ニートって……
そんなことを思いながらも異世界というワードを見て俺の磨き上げた変態妄想が発動してしまう。
異世界……美女……魔法……美女……異種族……美女……エルフ……美女
「……うん。 やはりいいな、異世界」
そんな美女の事を思いながら普段無視をするメッセージに返信するのであった。
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差出人:史上最強ニート
宛先:セールスに向いてるうさ君たち
そんな世界があるなら俺は死んでも行きたいね。
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迷わず送信ボタンを押す。
その瞬間。
俺の居る床に青く発光する魔方陣が無数に浮かび上がる。それは俺を囲うように展開されていた。
「な、なんだこれ……!」
ーー考える暇もなく、次々と物語は進む。
『テレポーテーション!』
部屋にアニメの美少女キャラの様な声が響き渡る。
「えっちょっまっって……」
俺の周りに展開された魔方陣は輝きを放ち、部屋が光で満たされた。
「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」