風神。そしてドラセナ。l二
「ま、まさか【風を司る神】様ですか!?」
「うむ、もうイズから聞いていたか、いかにも、私が【風神】だ。隣にいるこいつは、私の【契約者】、アグネス・ティターナだ」
「……よろしく」
な、、すごく無愛想……怖えー……
「……そういえば、お二人はどうやって【創造空間】に入れたんですか? イズの作るゲートって、能力適合者でないと通れないんじゃ……」
「カルデアにはね、私が作った【異空間結晶】を渡してるの! この結晶があれば、所持している人、それが神であれば【契約者】も、私が許可した創造空間を出入りできるって事!」
なるほど、それで二人がこの空間に入れた訳だ。
「イズから君のレベルアップを手伝って欲しいと頼まれてここにきたんだ。ロキのところも怪しい動きを始めたらしい。できるだけ早く力を付けねば死ぬぞ」
「うん……だから早速始めるよ! じゃあまず【魔法】について。【魔法】は上位呪文でなければ大抵無詠唱で放てるんだよ!」
「そうとは限らないがな。無詠唱にはセンスがいる。アグネスも最初の頃は『風よ!』とかいっt」
「やめてください!」
随分なイジられキャラだな、アグネスさん…
「で! 無詠唱のコツは、『イメージすること!』」
「イメージ……」
とりあえず目を瞑ってイメージしてみるか。まず、前世住ごしてた俺のヲタク部屋を思い浮かべて【創造空間】に設定する。次にそこへと繋げるゲートが必要だな。イズのゲートは毎回“空気に亀裂を生み出してそれを拡張していく感覚”だ、それをそのまま使えば……!
ユウムが手を前にかざす、右手に刻まれた紋章が光り、目の前に空間ゲートが発生した。
「で、できた……!」
「ユウム! すごい! 一発じゃん!」
「ま……まさか一度で成功させてしまうとは……」
「カルデア様、そんな事あり得るのですか……!」
「あり得ない訳ではない。私がこの世界に降りて二度見た。一人はユウム。そしてあと一人は……
ドラセナ。この世で最も【天辺】に近いものだ」





