第八話 速報。そして予兆。
ついに第一章!!ここから二人冒険が始まっていくんですね…!書きながらあれもいい!これもいい!で何度も書き直してます笑
少し余談をしてしましたね…
それでは!第八話!お楽しみください!
◇
その頃、ユグドラシル入り口。その手前の中央広場に設置されている伝達網、【世界掲示板】に貼られた“速報通知”にアカデメイア全域がざわついていた。
「おい。お前あの速報見たか?」
「あぁ、まさかあの引きこもり女神がな」
「そもそも本当にいたんだ、弱神。神って実は8人しかいないのかと思ってたわ」
「こんな使い物にならん最弱属性と契約したやつの気がしれんなぁ!!」
「はっ……俺ら冒険者のために沢山バックパック生産してくれるんじゃね? 」
「ふふっ、なるほどな。それは助かる」
速報通知で貼られたのは『【時を司る神】イズモ、直接契約を結びし。』というものであった。
神との直接契約が行われると【世界掲示板】に速報として掲示される。理由は簡単。【魔法】を100%行使できる直接契約は冒険者にとって憧れであり。皆が神との契約を望んでいる。だから無契約の神を把握するためには、この情報は重要なのだ。
だが、【超時空】は別だ。当然のことだが、人々が最弱というものと契約を結びたいなど思う奴はいない。冒険者にとって、攻撃のできない魔法を羨む者などいないだろう。皆、イズモを侮辱し嘲笑う。
『やめなさい』
美声が響く。 その声がした方から誰かが2人、広場に歩いてくる。
「か、カルデア様……!」
2人を見たものは皆跪き、頭を下げる。
彼女は【風を司る神】。名前はカルデア。鋭い瞳と白い肌、そして溢れる魔力によって生成される風で靡く薄緑の髪は全てのものを魅了する。隣にいるのはカルデアの【契約者】アグネス・ティターナ。普段は大人しいが、戦いになると顔の表情が豹変する。
「あ、あなた達一級冒険者が何故ここに……!」
1級冒険者とは、樹塔【ユグドラシル】の数少ない上層攻略プレイヤーのこと。普段一級冒険者を含めた樹塔攻略組はユグドラシル『50階層』にある街【アトランティス】で生活している、故にそんな人たちがアカデメイアに出てくることは滅多にない。
「少しここに用事があったので降りて来たの。そしたら何この騒ぎは。神との契約通知がそんなにも面白い?」
「いえ、契約通知はとてもおめでたい事だと思います。しかし、その相手がイデアs……」
瞬間。アグネスが剣を抜き、冒険者に降りかざす。そして、その剣筋が風を切る。一瞬にして冒険者の頰に切り傷が入った。何が起こったか分からず、冒険者はそこにへたり込んだ。
「神の言葉に反論をするな」
アグネスから溢れ出る殺気。その場にいる誰もが格の違いを見せつけられた。
「そこまでだアグネス。剣を引け」
そして……ここから世界が動き出す。





