表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
8/18

第7話=魅惑の仲間3

 


 ぱちぱちと楽しげに燃える炎。お姉さんは、一緒に火にあたろうと言ってくれた。ぼーっとその踊る火を見ていると、お姉さんは口を開いた。


「貴女、名前は?」


「日八野臨です」


「ヒヤノリン?…珍しい名前ね」


「…ええ、まあ」


 出身が違うんです、とは言えるはずもなく。私は口を閉じて頭をかいた。


「…何処から来たのかしら?」


「…」


 お姉さん、つっこむの早い。もっとさ、仲良くなってからでいいじゃん。聞かれたものの、真実を話して良いものか否か…。迷っていた時に助け舟をだしてくれたのは、以外にもお姉さん。


「質問を替えようかしら?…リンはこの世界の人間?」


「!…ち、違います…」


 なんだ、助け舟じゃないよ。いきなり核心突いてどうするの。真っ青になった私を、お姉さんはクスッと笑い、安心させるようにこう言った。


「もうそろそろだったの」


「はい?何がですか?」


「予言。この世界、アミューリアを救う勇者が現れるってね」


「…!」


 ねえ、ちょっと待って。

 アミューリアって…。しかも勇者。世界を救う…。


 …私だ。


「お姉さん!詳しく聞かせて下さいッ」


「あら、やっぱりそうなのね。そうじゃないかって考えてたのよ」


 お姉さんは目をキラキラさせて、予言に関する事をすべて話してくれた。


 ――闇夜に世界が呑まれる時、外界の勇者現わる。さすれば、光が訪れん――


 神様の創った予言はそっくりそのまま伝えられている。まんまのまんまだ。どうやら、あの夢は本当だったみたい。

 私の体は一気に熱くなった。…来たんだ!異世間に来たんだ!じゃあ、ここはもうスリルに満ちた危ない世間。おちおちしてられない。速く行動に移さねば!


「お姉さんっ、ありがとう!私行きます」


「…何処へ?」


「へ?…ドコって…、…分からないデス」


 さっきまでやる気満々で握りこぶしを作っていた私は、お姉さんの言葉に意気消沈。熱が消え、冷静さが戻ってくる。私の悪い癖だ。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ