第7話=魅惑の仲間3
ぱちぱちと楽しげに燃える炎。お姉さんは、一緒に火にあたろうと言ってくれた。ぼーっとその踊る火を見ていると、お姉さんは口を開いた。
「貴女、名前は?」
「日八野臨です」
「ヒヤノリン?…珍しい名前ね」
「…ええ、まあ」
出身が違うんです、とは言えるはずもなく。私は口を閉じて頭をかいた。
「…何処から来たのかしら?」
「…」
お姉さん、つっこむの早い。もっとさ、仲良くなってからでいいじゃん。聞かれたものの、真実を話して良いものか否か…。迷っていた時に助け舟をだしてくれたのは、以外にもお姉さん。
「質問を替えようかしら?…リンはこの世界の人間?」
「!…ち、違います…」
なんだ、助け舟じゃないよ。いきなり核心突いてどうするの。真っ青になった私を、お姉さんはクスッと笑い、安心させるようにこう言った。
「もうそろそろだったの」
「はい?何がですか?」
「予言。この世界、アミューリアを救う勇者が現れるってね」
「…!」
ねえ、ちょっと待って。
アミューリアって…。しかも勇者。世界を救う…。
…私だ。
「お姉さん!詳しく聞かせて下さいッ」
「あら、やっぱりそうなのね。そうじゃないかって考えてたのよ」
お姉さんは目をキラキラさせて、予言に関する事をすべて話してくれた。
――闇夜に世界が呑まれる時、外界の勇者現わる。さすれば、光が訪れん――
神様の創った予言はそっくりそのまま伝えられている。まんまのまんまだ。どうやら、あの夢は本当だったみたい。
私の体は一気に熱くなった。…来たんだ!異世間に来たんだ!じゃあ、ここはもうスリルに満ちた危ない世間。おちおちしてられない。速く行動に移さねば!
「お姉さんっ、ありがとう!私行きます」
「…何処へ?」
「へ?…ドコって…、…分からないデス」
さっきまでやる気満々で握りこぶしを作っていた私は、お姉さんの言葉に意気消沈。熱が消え、冷静さが戻ってくる。私の悪い癖だ。