表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
5/18

第4話=交通事故

 いつも変わらない、朝仕度。

 顔を洗って、歯を磨いて…。


 最終チェックに、鏡を覗きこんだ。

 長い黒髪に、やる気のなさそうな瞳。

 典型的な日本人の顔だ。まあ、一般よりもほんの少しだけ目が大きいだけだ。

 体型は、太くもなく、細くもなく。まな板な胸が恨めしい。…括れはある!あると思いたい。

 毎日この平々凡々な顔を眺め、学校へと繰り出す。

 それこそ、毎日同じ道を通って行くのだ。正直、飽きる。


  




 

「…行ってきます」


 家の奥から返事が返ってくるのを確認し、私は朝日が降り注ぐ道路へと踏み出した。


 あーあ、おもしろい夢だったのに。残念。




 未だに朝の夢を引きずりながら、信号のある交差点で止まった。

 信号はすぐに青に変わった。

 今日はツイてるんじゃない?すっと通れたもんね。


 横断歩道の白い部分だけ、歩いてみたり。…小学生かよ。


 ぽんぽんッとリズムよく進むなか、何故か回りの人が叫んでいる。

 こっちを向いて、手を振り大声で叫ぶ。


「こっちへ来い!!」


 何?…私、あんたの事知らない。


 サラリーマンのお兄さんや、酒屋のおじさん。白髪のおばあさんまで、必死の形相で私を呼んでいる。



 ふと、みんなの視線の先を見てみた。

 背後を振り返ると、見えたモノは、




 ……大型トラック。




 そう、やけにスローモーション。本当はかなりのスピードなんだろうけど、今の私の目にはゆっくりにしか写らない。ゆっくり、ゆっくり近づいて来る。

 なぜだか、恐怖はわかなかった。

 これは、非日常なんだって…体が熱くなった。



 トラックのお兄さんは、居眠りをしていて、私に気付かない。



 跳ね飛ばすの?


 弾き殺すの?




 まあ、どちらも結果は同じ。







 私、死ぬんだ。









  

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ