ドワーフ武具店で一目惚れ
一人目のヒロイン登場です?まだわかりませんが、、
異世界のヒロインも出したいので、この先どうなるか・・・
見守ってください
無事登録を終えた十華は迷宮に行く前に大事な武器と防具を見に行く事にした。
自分で経営していた会社の方も上手くいっていたので、
マンションのローンなども既に支払済みで蓄えも5000万円ほどと余裕があった。
まずは6Fに向かう、エレベーターに乗るために無重力ゲートをくぐり6Fに到着する。
無重力ゲートをくぐる時に行きたい階をイメージして置くだけで
ゲートをくぐるとその階まで飛んでいけるのだ。
エレベータに乗ったら体がふわーっと浮いて任意の階につくと固定されるイメージだ
最初は怖がる人もいたが慣れるとエレベータの様に来るのを待つこともなく上がっていけるのでとても快適になった。
6Fに到着した
「うっわー、こんなにあるのか・・・・思わず嘆いてしまう」
そこには、20店舗ほどの武具店がずらりと並んでいた。
「どこがいいのか、さっぱりだ」
「エーコわかる?」
「いえ、人気のお店はピックアップ出来ますが製品の質までは把握しておりません」
どうしようかと迷い
あたりを見渡してると声をかけて来る女性がいた
「お兄さん、初めてですかー?ハンター登録したてならオススメのお店がありますよ」
どこかのお店のスタッフかな?勧誘なら嫌だな・・・
とは思ったものの、これだけたくさんのお店があると探すのも一苦労なので
素直にお願いしようと思った。
「あ、本当ですか?助かります、さっき登録したんですよー」
ヒロイン候補きた?!!
可愛らしい子だ、二十歳前後だろうか?
茶髪で目が大きく小柄だが出るとこは出ている
こちらの制服だろうか、綺麗目な黒のワンピースを着ている、しかしワンピースの胸辺りに鍛治基とお店の名前が大きく書かれているのはどうかと思った。せっかくの綺麗なワンピースが台無しである。
「マスター早速第1ヒロインですね」
「バカな事言ってないで武器の情報とか集めてきてよ」
そんなやりとりをしていると腕を掴まれ近くのお店へ連れていかれる
胸が当たってる!これは得したと思いながらついて行く
「ハンター武具店~鍛治基~?」
「いえ、カジモトと読みます、苗字をそのままって感じですね」
「あー、なんか鍛治するためにある一族みたいな感じですね」
間違えてどうフォローしようかと思って変な事を言ってしまった。
「そうなんですよ、なのでいい商品が揃ってますよ」
っと苦笑交じりで逆にフォローされてしまった。
中に入ると怖そうな・・・?人類版身長の高いドワーフのような人が工房の方から顔を出す」
「いらっしゃい」
それだけ言うと裏にある工房に戻っていく
「リアルドワーフ・・・ボソっ」
「ごめんなさい。父は愛想は悪いですが武具はきちんとしたものを揃えてるので安心してくださいね、
それとお父さんは一様人間ですからね!?」
「あ、いや、つい・・・すみません」
聞こえていたらしい・・・ヒロイン候補になんたる失態だ!
しかもなんと娘らしい。一つも似ているところがない。
顔を見ていると・・・
「似てないですよね、よく言われます」
「マスターその顔は失礼です」
どうやら顔に出ていたらしい失礼な事続きだ・・・どんどんマイナスに・・・
話題を変えようと思い
「えっと、さっき登録して来たんだけどオススメの武器見せてもらっていいです?」
「はい、こちらへどうぞ」
ガラス張りの店内には至るところに色々な武器がかけられていた。
高価そうなものは全てモニターに映し出される形で保管されていた。
その中でも凄く目を引くものがあった。
大型のモニターの中に映し出されて、一番見やすいところに飾られている
氷の刀と言ったら良いのだろうか、綺麗に透き通っていてとても幻想的である
「あの、あの刀見せてもらっていいですか?」
一目惚れである、思わず言ってしまった。
「え?あれですか?」
困ったように、首を傾げる
「はい、高いとは思うのですが割とお金はあるので大丈夫ですよ」
この人そんなにお金あるのかな?と思われたんだろうな、
あんな綺麗な刀、とても価値があると思うし。けど全然足りなかっりして・・・
今更ながら思う。美術品とか言われるようなものだと5000万なんて手数料くらいにしかならないかも。
見栄を張り過ぎた・・・反省しよう
「いえ、あ、そうですね、では見にいきましょうか。」
何か意味深な感じで言われたが、スタッフの女性について行く
スタッフの女性の方がモニターの前のパネルにチップをかざす。
すると、モニターの中が開けられ前方に刀が出て来てちょうど取りやすい位置に
出て来たではないか。
少しびっくりしたが、早く触って見たいと年甲斐もなく興奮した。
値段を見ると4000万 氷虎と書いてある
お、買えるじゃん。かなりの額使ってしまうが、危険なところに行くのだから
ここは奮発するところだな。
そして手を伸ばし触ろうとすると
「あ」
遅かった、こんな高価そうなものを手で触っちゃダメだよな・・・売り物だし。
すると急に力が抜け、地べたに座り込んでしまった。
「あ、え、力が入らない」
「すみません、説明しようとしたら先に触ってしまわれたので・・・」
申し訳なさそうに謝罪される
「えっと、セキュリティーとかですか?」
高価なものだし力が抜けるようなトラップをつけておくのは当たり前か・・・
「いえいえ、武器にはそれぞれ格があり、それに見合った方以外が持つと
拒絶され力が抜けてしまいます。しかもその氷虎はさらに特別で武器自体が持ち主を選ぶと言われていて
今までAランクのハンターの方なども見にきましたが誰一人持てませんでした。」
あれ、これ始めから俺強いみたいなことは出来ないってこと?
唖然としている十華
「エーコ知らなかったの?」
「いえ、印象に残すには持ってこいのイベントだと思いました」
なんて事を言うAIだ、、、、
自我持ちすぎてきてないか?!
ホントに反乱とかないよな・・・ボソっ
「マスターそれ聞こえてますからね。しませんからね、マスターの望みから分析した結果ですよ」
スタッフさんは微笑みながら
「よく新人の方でお金を持ってる方が最初から自分最強みたいな感じになりたくて
高い武器を持ってこさせようとするので、頻繁ではないですがよくある事なのでお気になさらず、それに元々氷虎は10億円ほどの価値があるんですよ。持てる人がいないので、刀のために価格を下げていますが」
急に自分が恥ずかしくなった・・・
お金に任せて強い武器を買おうとか、よく小説の悪役で最初に出て来てたなと思うと
急に興奮が冷め、冷静になった。
「けど、印象残せたよね?結果オーライ?」
「オーライです、マスター」
そして、過去に拘るのは好きではないのですぐに切り替えた
消して恥ずかしいから話題を変えようとしたわけじゃないからね!
「すみません、もう一度新人にオススメの武器の場所へお願いします」
「はい、かしこまりました」
にっこりと笑って案内を再開してくれる
「こちらのブースが全て新人ハンター様用となっております」
剣や刀、槍、杖など様々なものが並んでいるが、
先程見たものやモニター越しに見た武器に比べるとおもちゃのように見えてします。
しかし、持てないものを買っても恥ずかしいだけなので、
その中から一つの刀を選ぶ
「これください」
なぜ刀なのかと言うと、さっきの氷虎という刀が欲しいからである。
刀は剣術スキルに含まれるので初心者でも使いやすいというのも一様あるのだが、
ほとんどの理由が先程見て一目惚れした刀を将来持ちたいという気持ちからであった。
「後は適当に軽そうな防具を」
「では、こちらで見繕って持ってきますね、先にレジの方へお願いします」
「お待たせしました。
お会計しますね」
こうして最初の武器は5万円ほどの少しくすんだあまり強くなさそうな刀に決まった。
防具も3万円ほどの特殊加工を施した皮の鎧と手袋、探索して怪我などがしにくいぶ厚めのブーツ
以上しめてちょうど10万円
お会計を済ませる
「メンテナンスなども受け付けているのでこれからもよろしくお願いしますね」
にっこりと営業スマイルを見せてくれる
これだけは聞かないと!!っと思い
「あのー、お名前は?」
「はい名前ですか?鍛治基です」
あー、これ聞かない方がいいやつ?
「初めに頑張らないと聞くのがより大変になりますよ、マスター」
「下のお名前は?これからお世話になると思いますし、お父さんと区別しないとどちらを呼んでるかわからないですし」
あまり上手い言い訳ではないが、
これならよっぽど嫌いでなければ言わないわけがない我ながらよくやったと思う
「鍛治基花音です、これからも武具店鍛治基をよろしくお願いしますね」
「かのんさんですね、可愛らしい名前ですね、こちらこそお願いします、では、また」
これは、早く強くなってくる口実を作らねば!!
惜しみながらも悟られないように爽やかな笑顔で挨拶して退室する
「カッコよかったなー、また来てくれるかな、早く来ないかな」そんな事を思うかのんであった。
十華がその事に気がづくのは、まだまだ先であった。