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魔術塾対抗戦 vol.17


「みんな広がったー?じゃあ、媒体持って!」

みんなが魔銃やら魔剣を取り出す。俺もみんなにつられて取り出すが、杖を持つものは俺1人だけであった。


(うわー…1人だけ杖かー。分かってはいたけどやっぱ恥ずかしいなー…)

凡人ゆえの恥ずかしさを感じ、みんなに見られないように、取り出した杖を恐る恐るホルダーへとしまった。


「召喚術始め!!」

ルーナの掛け声と共にみんな一斉に魔術を発動した。

辺りには獣のようなものが現界していた。

俺は、その現実に思わず呆気にとられていた。


「ちょっと!しょーた!何ぼーっとしてんの!」

横から何やら声がして振り向くと、少し離れた場所にレイスが立っていた。

「あっ、すまん。みんなすごいなっと思ってな。」

「ふふーん。じゃあ、僕の召喚術をお見せしよう!しょーたのお手本にもなると思うし。」

誇らしげな表情をしたレイスは、右手に持つ魔銃の銃口を天へと向けた。


「術式を構築。術式解放。出でよ!我の使い魔よ!」

銃口から白い冷気が放たれ、レイスを覆っていく。その迫力に度肝を抜かれる俺。

数秒たった瞬間、冷気は一気に弾け、キラキラとした小さな氷の結晶が辺りに降り注ぐ。

俺は冷気から現れたものをみて思わず息をのんだ。

レイスの背後には、3メートル近くあるであろう大きな白い獣が二足で立っていたのだ。キレイな白い毛並みに鋭い牙と爪を持ち、狩人のような目つきをしていた。


「へへーん!びっくりしたでしょー!これが僕の使い魔、ホワイトグリズリーだよ!こいつ威圧感半端ないけど、めちゃめちゃ優しいやつなんだよね!」

レイスがホワイトグリズリーのお腹をさすると、気持ち良さそうに目を細めていた。どうやら相当懐いているようだ。


「召喚術は自分のイメージした使い魔を召喚できる術式で、魔術戦においてはパートナーとして共に戦ってくれる存在なんだ。ただ、術者や使い魔が一定以上のダメージをくらうと、使い魔は現界しなくなる。ダメージもくらうことで、イメージが保てなくなるからね!しょーたも魔術塾対抗戦出るんだから、使い魔は必要不可欠だよ!さあ、やってみて」

「おっ…おう!」

俺は、ホルダーにしまっていた杖を再び取り出し、胸の近くで杖を構えた。


「しょーた、使い魔のイメージは自由だから、好きな魔獣とかをイメージしてみて!ちなみに属性付与もできるんだけど、しょーたには難しいからとりあえずは何かをイメージすること優先で!」

「おっけー!やってみるよ!」


(どうせなら、強くてカッコいいのがいいよな。よし、ドラゴンみたいなやつにしよう。)

レイスや他のみんながやっていたのを思い出しつつ、どこかのゲームに出できたドラゴンのしばらくイメージをする。


(よし今ならいけそうな気がする!)

1呼吸置いてから俺は術式を発動する。


「術式を構築…術式解放!出でよ!我の使い魔よ!」

すると、俺の前に轟々と燃え盛る火柱が現界した。

(よっしゃー!これ成功じゃね!)

そして、数秒後に火柱は消え去り、白い煙の中から使い魔の影が見えた。期待に胸が踊る。しかし、その期待もすぐに打ち砕かれる。


「おい!お前が俺を呼んだのか!」

少し甲高い声と共に現れたのは、どこかの子供向けアニメに出てきそうな、チワワ程の小さな赤いドラゴン?がパタパタと翼を羽ばたかせてこちらに近づいてきたのだった。




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