魔術塾対抗戦 vol.15
寮の部屋に戻り、部屋着に着替えて、少しゆっくりして食堂へと向かった。
食堂に着き、先を確認していると、レイスがニヤニヤした顔でこっちを見て、手招きをしていた。
「はあ〜。めんどくさそうだけど、仕方ない。」
ボソボソと呟いた俺は、レイスの方へと向かった。
レイスがいるテーブルに着くと、セバス、クレア、ルーナも一緒にご飯を食べていた。
クレアは、「大丈夫?」と声をかけてくれたが、セバスは相変わらず俺には無関心のようで黙々とご飯を食べていた。レイスは、ルーナに俺と救護室で何してたのかをしつこく聞いていた。一方のルーナは、肩肘をつき、眉間にシワを寄せながら、棒読みで「うざい」の連呼。
そんなカオスの状況の中、俺もセバスと同様に淡々とご飯を食べていた。
ご飯を食べ終わった後は、各々自室へと戻って行った。そのまま、ベッドにダイブした俺は、目を瞑り羊を数えるように今日の出来事を振り返っていった。
(魔術塾対抗戦…選抜者…属性魔術…特訓…そして、あの夢とユークリッド…)
目をゆっくりと、窓の外から燦々と太陽の光が差し込んでいた。どうやら無意識のうちに眠ってしまったようだった。
ゆっくり体を起こし窓を開けると、暖かい風がさらりと俺の体を通り抜けていった。
(このまま昨日の疲れをどこかへ持っていってくれないかな…)
そんな事を呑気に考えながら、ベッドの横に置いてある置き時計を見て絶句した。AM10時。完全に遅刻だ。急いで制服に着替え、猛ダッシュで魔術塾へと向かった。
ぜぇぜぇと息を切らしながら、教室の扉を開けた瞬間、何かの板で頭を小突かれた。
「痛っ!」
頭を撫でながら目の前を見ると、ルーナが両手を組みながら不機嫌な顔でこちらを見ていた。右手には何かの教本のようなものを持っていた。
「コラッ!遅い!何時だと思ってんの!」
「すっ…すいませんでした…」
頭を下げてから周りを見渡すと、クラスのみんながケラケラと笑っているのが分かった。
「何やってんだよお前」
「この歳で寝坊はねーよ」
「寝ぐせ直してこいよな〜」
クラスの何人かが俺に笑いながら声をかけてきた。
どうやら昨日の不満の声はもう過去の事になっているようだ。俺は「ほんと間抜けだわ〜」と苦笑しつつ頭をかきながら応えた。
席に着き、再びあたりを見渡すと1つだけ席が空いていた。そうユークリッドの席だ。
(あいつ…来てないのか…)
俺は、夢でのユークリッドの顔を思い出しながら、前の方にある空いている席をただボーッと見つめていた。




