魔術塾対抗戦 vol.4
ラグーン魔術師教会訓練場。通称「エスタディオ」。コロッセオのようなつくりの訓練場には、日々、魔術師らが己の実力を向上させるために訓練に励んでいる。
選抜者が発表された放課後、レイスの呼びかけでエスタディオでの特訓を行うことになった。
「さあ、今日から特訓を始めよう!!っとその前に。しょーたは、この世界の住人じゃないから、魔術師対抗戦の具体的な内容は分からないと思うよね。」
レイスの言葉に首を大きく縦にふる俺。
「ジャック塾長も言ってたけど、魔術師対抗戦は、8つの魔術塾から選抜者を5人選び、トーナメント形式で行われるんだ。先鋒とか大将とか、そんな1 vs 1で順番に行われるんじゃなくて、5 vs 5で一斉に魔術戦を行うんだ!つまり、タッグで戦っても良いし、ソロで戦っても良いし、5人チームで一斉に戦っても良いってわけ!どちらかのチームのメンバー全員が気絶した時点で魔術戦の勝敗が決まる。わかった?しょーた?」
レイスの言葉に何となくイメージがつく俺。
「魔術戦を行うフィールドは、ランダムで決定されるんだ!密林だったり、海岸エリアだったり、草原だったり…色々あるんだよ。そのフィールドは魔術によって構築されたものなんだよ。今回は、ラグーンで開催されるからエスタディオが使われるんだろうね。ラグーンには、2つのエスタディオがあって、選抜者が選ばれてからは魔術塾対抗戦まで、1つのエスタディオが貸し切りになるんだよ。つまり、特訓し放題ってわけだね!」
白い歯を見せながら、レイスが親指を立てて、グッドポーズをする!
俺は、不安でしかなかった。まだ、入塾して間もない実力のない者が、こんな大きな大会に出るなんて…ただの足手まとい確定だからだ。
「フンッ。こんな実力のない奴が、戦力になるはずがねぇ。レイス、こいつがどの試合でも気絶するのは確実だ。それを頭に入れとけよ。」
セバスが冷たい目で俺の方見ながら言う。
「セバス、それはひどいよ!しょーたは、何の取り柄もない、魔術もろくにできない、ただの平凡な男子だけど、選抜者になったんだから、みんなで頑張ってしょーたをフォローしないと!」
フォローしてるのかしてないのか分からないが、レイスがセバスに言う。セバスとレイスの間で、見えないイナズマのようなものが感じられる。
「セバスさんもレイスさんも落ちついてください。とにかく、特訓を始めましょう!」
クレアがセバスとレイスをなだめる。
「あのー、みなさん。あたし、ちょっと今日体調悪いから、特訓は明日から参加するね。今日は見学しとくね。」
未だに体調の戻っていない様子のルーナ。
「んーそっか。ルーナは仕方ないね。昨日、しょーたとのお楽しみで疲れてるだろうし…」
ニヤニヤしながら俺に言うレイス。
ギロッと俺を睨みつけるセバス。
悲しげな表情をする。
(何だこのカオスな状況。トリプルパンチかよ。しんどい。ただでさえ、昨日のおかげで体調悪いっつーのに。)
「おい、レイス!そんなんじゃねえから!誤解を生むこと言うなよ!」
カオスな状況を打破しようと、大声でレイスに言う俺。
「なになに〜。なんか必死じゃん。本当だったんじゃないの〜?」
「昨日から俺も体調悪いって言ってんだろ。そら、しんどいから必死な顔にも見えるだろ。」
少しを息を切らしている俺。
「ふーん。まあ、そーゆーことにしておくね。よし!じゃあ!特訓始めよう!」
こうして、俺たちの魔術塾対抗戦に向けての特訓が始まった。




