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元の世界へ vol.7


「しょーた!ねえ、しょーた!起きなさいよ!」


目を開くとルーナが俺の右の頬を軽く叩き。心配そうに見つめいていた。


「あれ?俺は…そうか意識失ってたのか…まあ死んでなくて良かった。」

「ほんと驚かさないでよね。私が目を覚ましたら、しょーたが気を失ってるってどんな状況なのよ!」

ルーナの言葉に唖然とする俺。


「ちょっと待て!ルーナ、何も知らないのか?」

「知るわけないじゃない!ベンチで横になった瞬間寝ちゃったもん!」


(こいつ…あんだけの衝撃があったのに起きないってどんだけ鈍感なんだよ)

思わず吹き出だしてしまう俺。


「ちょっと何笑ってんのよ!早く言いなさいよ!ねえ、何があったの?」

ルーナが怪我をしている左頬をつねる。

「痛い痛い!笑ったのは悪かったから、とにかくつねるのやめろ!話すから!」


(ちょっとはケガ人をいたわれよな。)

心の中で思いつつ、ガーゴイルの襲撃があった事を伝えた。


「ふーん…なるほどね。どうしてこの世界にガーゴイルが…しかも目当てはしょーた。明らかに私たちがこの世界に来ていることを知っていたってことよね。何かガーゴイルに特徴はなかった?」


「ガーゴイルに変化した男の左胸に…」

俺は続きを言おうとした時、キマイラの1件が脳裏によぎった。あの紋章を見た瞬間、いつもと違う表情をみせたジャック塾長。


(ルーナに紋章のことを言うのはやめておこう。ジャック塾長の様子を思い出すと、きっと言ってはいけないものなんだろう。しかし、なぜあの紋章が刻まれた獣は俺を狙っていたのだろうか…)


「何話とめてんのよ!左胸がなんなの?」

「あっ、いや、その~あれだ。ものすごい胸毛の量だったんだよ。右胸はツルッツルなのに。」

苦笑いしながら言う俺。


「ほんとに?」

完全に疑った目で俺を見るルーナ。俺は、目を見開いて大きく首を縦に振る。


「ハ~、そんなところしか見ていないとか…ほんと無能だね。まあ、いいわ。とりあえず、ラグーンに戻ったらパパに報告しないと。」

ルーナは立ち上がったが、俺には立ち上がる力は残っていなかった。


「ったく!仕方ないわね!ほら!」

少し頬を赤く染めながらルーナは手を差し伸ばす。俺はルーナの手を掴み、何とか立ち上がった。

ルーナは俺をおんぶして歩き出した。


「重くないのか…?」

「あたしをなめないでくれる!これぐらいなんともないわ!」

と言いつつも明らかにしんどそうな様子のルーナ。


「ラグーンに戻るの明日にしよう!今日は、体力を回復させないとね。」

「そうだな。とりあえずどこかで朝まで…」

俺は話すのを止めた。


(こんな夜に男女二人が朝まで過ごす…このパターンは…ホテ…)

思わず顔が赤くなる俺。男としては絶好の機会。覚悟は決まっている。


「ん~、そうだね。じゃあ、休憩しよっか。しょーたのお家で。」


ルーナの発言に完全に期待を裏切られた俺であった。

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