元の世界へ vol.4
「この設定何なの!あんたの世界って、ろくなもんないわね!」
「いや、さすがに俺の世界でもこれはアブノーマルだよ。」
「何かイライラしてきた!こうなったらあたし1人で食べるわ!やけ食いよ!!」
「おい、俺の分は!おい!」
ルーナは、テーブルの上のパフェをヤケクソに食う。
(腹空かせたゴリラみたいだな、こいつ…)
「はっ?あんた何か言った?」
ヤケクソゴリラのルーナは、心の声まで読み取る性能があるらしい。殺されると瞬時に察して、俺は首を横に振る。
計8個のパフェは一瞬にして無くなった。
ルーナは、また無言で立ち上がり、メニューを持ち出し、注文しに行った。
そして、こっちに戻ってきたと同時に、店員がまた違うパフェ8個を持ってきた。
また、ヤケクソに食うルーナ。
(おいおい…こいつ何個食う気何だよ…)
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
とある公園。ボロボロのスーツを着たヒゲ面の男が1人ベンチでうなだれている。
「クッソ!何もかもうまくいかねー!何で俺はこんなについてねーんだ!仕事もプライベートも!」
ビールを飲みながら1人叫ぶ。
どうやらかなり酔っている様子。
「クックックッ。かなり飲まれているようですね〜。」
男の目の前には黒いローブを着た見知らぬ男。フードを深く被り顔は見えない。
「何だてめぇ!!バカにしてんのか!あっ!」
黒いローブ男に詰め寄るヒゲ面の男。
「クックックッ。まあ、そう焦らずとも。あなたは、何かお困りのようでは?」
黒いローブの男は言う。
「うるせー、バカ野郎!通りすがりの野郎に俺の何が分かるんだ!とっとと、俺の前から去れ!」
ヒゲ面の男は、黒いローブの男を突き飛ばそうとした瞬間、ヒゲ面の男の身体が氷のように止まった。
「クックックッ。分かりますよ〜。人は何もかもがうまくいかなくなると自暴自棄になるものですよ〜。そうだ!どうです、私があなたを幸せにしてさしあげますよ〜。」
黒いローブの男は、何かを取り出しヒゲ面の男に向ける。
「術式を構築。術式解放。ファフニールの紋章よ。彼に新なる力を与えよ。」
すると、ヒゲ面の男は、唸り声をあげ、黒い妖気に包まれていった。
「さあ、ショータイムの始まりですよ〜。また楽しませてくださいね〜、翔太くん。」
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
「おい、ルーナ。お前どんだけ食ったんだよ。」
「40…うっ、気持ち悪い…吐きそう。」
「おい!やめろ!こんなとこで吐くな。」
ルーナはやけ食いのおかげで完全にグロッキー状態。歩くことすら出来ないルーナを俺がおんぶしている状況。
「ちょっと…休憩…したい。」
「分かった!ここで吐かれても困る。よし、あそこの公園のベンチで休憩しよう。」
ルーナをベンチに横になったまま青ざめた顔をしている。俺は、ベンチの淵に座りルーナの背中をさする。完全に看護師状態だ。
「大丈夫か?ルーナ。」
「どうやら大丈夫じゃなさそうに見えるね〜、そこの彼女は。」
前を向くと不気味な男が、不敵な笑みを浮かべて俺たちの目の前に立っていた。




