剛の竜と剣の精霊
●登場人物
・ココロ…公国侯爵の娘。現在はANTIQUEの導き手として旅を続けている。
・吉田大地…土の能力者。戦闘は不慣れだが豊かな知識と根性だけで敵に立ち向かう。
・シルバー…鋼の能力者。優秀な軍人であった為戦闘時は常にリーダーとなる。
・キイタ…火の能力者。大きな王国の王女。体が小さく大人しい性格。
・ガイ…雷の能力者。常に戦いの千頭に立つ為怪我が絶えない。
・アクー…水の能力者。身体能力が高く冷静沈着。体が小さくスタミナには難あり。
・ナル…生命の能力者。優秀な剣術使いだが実戦の経験はない。
・ゴムンガ…三種の魔族の一つ、アテイル一族の中で四天王と呼ばれる首領格の一人。「剛の竜」の異名を取り、怪力無双。無類の戦争好き。
前回までのあらすじ
エミカ王女に別れを告げソローニーアを後にした一行は、一路ジルタラス東端にあると言うジスコーの町を目指し馬を進めていた。
道中キイタとガイは新たに仲間となったナルの能力に興味を持つ。暴走した闇の力で散々に暴れまわったナルだったが、実際の生命の能力とは決して戦闘向きのものではなかった。
しかしあらゆる植物や動物の持つ毒性を吸収し、それを体内で精製できると言うナルの話にアクーが興味を示す。その能力をうまく活用すれば仲間の傷を癒す薬を生み出せると言うアクーの言葉に、人を傷つける事しかできないと思い込んでいたナルは自分の力に一筋の光明を見る。
やがて再び辿り着いたレメルグレッタの景観に一同は言葉を失う。何と、あれだけたくさんの木々に埋もれていた筈のレメルグレッタは、生命の能力を発動し続けるナルを失った事でほんの僅かな間に草も生えない荒涼とした岩の荒野へと姿を変えていたのだ。
その無機質は岩の中にたった一人取り残されたクロウスを思い、ココロとナルは再び後悔に胸を痛める。
しかし、兵士の本懐を遂げたクロウスは幸せだった筈だとガイはキイタに向かって呟く。余りにも悲しいレヴレントの存在をもう一度認識した二人は、二度と戦争を起こさない為にも、魔族との闘いを一日も早く終わらせるのだと胸に誓いレメルグレッタを離れるのだった。
四騎の馬に跨った七人の能力者達が、それぞれの想いを胸にレメルグレッタを後にして一時間程が経っていた。
ソローニーアを出発する頃はまだ午後の柔らかい日差しが射していたが、その陽も随分と傾き、周囲は薄暗くなってきた。
秋の陽は鶴瓶落とし。大地の生まれ育った日本にはそんな言葉があったが、ジルタラスの秋の陽はなかなかにしぶとい。
実際、プレアーガと言う惑星の自転速度もわからない。普段から腕時計をはめる習慣を持たない片田舎の高校生である大地にはここで一日と数えられる日の出から日没までが何時間なのかもまだ理解できていなかった。
しかし確実に夜は迫っていた。フェズヴェティノスに追われ、イーダスタからジルタラスへ夜の荒野を走った大地であったが、切羽詰まったあの時のような火事場のバカ力がそうそう発揮できる訳でもない。彼の胸に言い知れぬ不安が頭を擡げ始めた。
「ね、ねえシルバー。町はまだ遠いの?」
膨らむ不安を抑えきれず大地は馬の足を速めシルバーに声を掛けた。
「ん?いや、この先に集落があった筈だ。そこからは道が整備され、街道沿いに安宿が並ぶ街がある。そうだな、もう一時間は掛からない筈だが」
「そうか、よかった。大分暗くなってきたからさ」
「そうだな、そろそろ灯かりの準備が必要かな」
できればカンテラを使わずに済む間に町に辿り着きたかったシルバーだったが、言われて見れば周囲は大分暗くなっていた。陽の光こそまだあるものの、仲間達の顔も判別しにくい程だ。
「それと、今気が付いたんだけどさ」
「何だ?」
「よく考えたら俺、ラディレンドルブルットに着いてから全然飯を食っていない」
「そう言えばそうね」
大地の言葉にココロがはたと気が付いた。ラディレンドルブルットがまやかしの城だといち早く気づいたココロは、大地に城で何を出されても決して口にするなと忠告した事を思い出した。
「実感はないんだけど、何だかフラフラすんだよね。風呂もいいけど、とにかく何か腹に納めたいや」
「一日食わねえ位なんだ、ガキみたいにピーピー喚くな」
大地の弱音を耳にした最後尾のガイが大きな声で罵る。むっとした大地は後ろに向かって言い返した。
「地球じゃあ十七歳は立派な子どもなんですぅ!」
「何がなんですぅだ。お前より若いココロ様やキイタが何も言わずにいるってのに」
「待て!」
アクーとナルを挟んで馬上の言い争いが発展しそうな気配を見せた時、突然シルバーが鋭い声を出した。
「え?何?」
後方にいるガイとのやりとりに脇見をしていた大地が慌てて馬を止める。大地にはなぜシルバーが突然足を止めたのわからなかったが、次の瞬間には自分のすぐ前にガイが馬を進めていた。
ガイが自分とシルバーの間に馬を割り込ませてきて初めて気が付いた。シルバーもガイも、顔を上に向けている。二人の見つめる先に大地も目を向けてみた。
正面には大きな岩がせり出し一行の進路を妨害していた。道とも呼べぬ道がその岩を迂回するように伸びていた。
見上げるような大きさで鎮座する正面の岩の上に、誰かが立っていた。
時刻は黄昏時。しかもその人物は伸びる残照を後方から受けていた為、顔は影となってよく見えなかった。
しかし相手は間違いなく自分達を見下ろしている。確実な意志を持って自分達の前に現れたのだと大地にはわかった。そしてもう一つ、大きな岩の上に立っているとは言え、その体は余りにも大きかった。
日没直前特有の景色が見せた幻影ではない。間違いなく大岩の上に立つ者の姿は、常軌を逸した大きさであった。
人間の形はしているものの、常識外れのその体格は残念ながら友好的な雰囲気を持ってはいなかった。
「何者だ⁉」
シルバーが自分に覆いかぶさるような大男に向かい油断のない声で訊ねた。すると正面の影はゴソリと身を動かした。
そのせいで陽の光がその顔の左半分を照らし出した。恐ろしい形相であった。怪物のような巨体には重厚な鎧を纏い、恐ろしい顔の上にはバッファローのような巨大な角をあしらった兜をつけている。いずれも黒ずんだ黄金色であった。
その兜の奥から力強い眼差しが能力者達を舐めまわすように動き、やがてココロの顔を捉えて止まった。
「漸く…」
巨大な男が口を開くと、地を震わせるような低い低い声が漏れ聞こえた。
「漸く会えた、ANTIQUEの娘…」
ココロは一瞬で緊張と恐怖をその顔に広げた。
「いつの間にやら七人にまで増えていたか」
「名を名乗れ!」
ココロの震えを感じながらシルバーは気丈に言い返した。ココロのこの怯えよう、聞くまでもなく敵が出現したのだとシルバーは察していた。
ラディレンドルブルットへ向かう途中でシルバーの前に現れたフェズヴェティノス、イシキリことハクザサがジルタラスは現在竜の一族が統括していると言っていたのを思い出す。
「俺の名はゴムンガ。アテイル四天王が一人。剛の竜と呼ばれし者」
男はゴムンガであった。プレアーガ西の半島にあるザシラルから同胞ズワルドより送られたエクスヒャニクの兵団をすべて自らの手で葬り去った彼は、何を考えてか今、単身能力者達の前に姿を現した。
ゴムンガが名乗った途端、マントを翻しガイが馬の背から飛び降りる。同時にシルバーが後方の仲間に叫んだ。
「大地!アクー!周囲を見張れ!伏兵に備えろ!」
すぐにナルが馬の上から降り立つ。アクーは弓を手に馬体を回転させた。
ゴムンガの口元が大きく歪み、不敵な笑みを浮かべる。
「伏兵だと?そんなものはいない」
「いないんだって、本当かな?」
大地が誰ともなく訊ねると油断なく周囲を見回しながらアクーが答える。
「だとしたら随分と舐められたもんだね」
「それだけ自信があるって事ですよね?」
腰に吊ったタテガミの柄を握りしめ、ナルが緊張した声を出す。
「バーカ。伏兵忍ばせるような奴が、伏兵いますよなんて言う訳ねえだろうが」
三人の会話を聞いていたガイが呆れた声を出す。
「しっかり周り見張ってろ。あいつは俺とシルバーで様子を見る」
「やれるか?ガイ」
シルバーもココロに手綱を預け、軽やかに地に降り立った。
「とーぜん」
ガイがマウニールの剣を抜きながら答える。鍛えられた白銀の大刀が残照を浴び美しく輝く。
「な訳ねえだろうが!」
突然剣を握るガイの右手から声がした。見ればその指に嵌られた指輪が眩く輝いている。叫んだのはウナジュウのようだ。
「ガイの体は戦える状態じゃねえ!」
「黙れウナジュウ!」
「そうよ!」
言いながら次に地面に飛び降りたのはキイタだった。
「キイタ!」
驚いた大地がその名を叫ぶ。
「ガイはまだ戦えない。ウナジュウだってそうよ!」
「いや、キイタ…」
「私が戦う!」
「いけませんキイタ様、奴はあのメロと同じ四天王の一人です」
シルバーが慌ててキイタを庇うように前に出た。その手には既に抜身の剣が握られている。
「いい加減にしろ鋼の能力者!貴様は部下を殺す気か⁉」
部下を殺す気か?そう叫んだウナジュウの声にシルバーの体が固まった。四年前の悪夢が一瞬にして脳裏に蘇る。
あの突然始まったソーノドス居留地での戦いで、自分は一体何人の部下を死なせたか?
僅かにガイ達八人の生存は確認された。今はまだ不明ながら、もしかすると他にも生き残った者はいたのかもしれない。それでも自分の命令の下、剣を取り戦った数百と言う隊士があの雪の舞い落ちる冷たい地面に倒れて言った事は変えようのない事実だ。
シルバーに迷いが生まれた。自分の判断は、指示は果たして正しいのか?ドルストの宿での戦いを皮切りに、ンダライの塔でのメロやエルーランとの激戦、テリアンドス荒野でのエクスヒャニクとの一戦、イーダスタの森で展開したオウオソとの戦い、そして今は仲間となったナルを相手にしたジルタラス地下大空洞での死闘。
シルバーは大地が経験した様々な戦闘を思い返す。間違いなく、大地は主力戦闘員として信頼できる力を身に着けている。
アクーにしても同じだ。大地の実力がその大半をテテメコの能力に因っているのに対しアクーは基礎的な戦闘能力を身につけている。その抜群の身体能力、そして彼程の射手をシルバーはアスビティ公国公軍隊士の中にも見た事がなかった。それに加え、アクーの豊富な知識と冷静な判断に自分は何度救われた事か。
キイタはどうか?ンダライの塔での死闘において、最後にメロを退けたのは結局フェルディの炎ではなかったか?遥か遠くからも見えた森の大爆発。ガイの言う事には、あれを成したのはキイタの能力だと言う。
仲間になったばかりのナルの力はまだ未知数であったが、少なくともアスビティ、ンダライ、テリアンドス、イーダスタ、そしてジルタラスと渡って来た仲間達はみなANTIQUEの能力者として十分な働きをし、そして日を追うごとに確実に進化成長を続けている。
しかしそれでも、そうと判っていてもなお、戦闘においてガイ以上に信頼できる者はいなかった。体も小さく、専門的に戦闘を行ってきた訳でも訓練を積んできた訳でもない仲間達はシルバーにとってはどこまでも守護すべき対象としか思えなかった。
ガイを下げるべきなのか?私が行くべきか?それとも他の誰かを前線に上げるべきなのか?ANTIQUE最強の戦士と言われる火の能力を司るのは、まだ成人も向かえない他国の王女だ。己が傅くべき相手だ。生きて国へ帰り、自国を治め、自分の部下の為に戦いのない世界を作ると約束をしてくれた大恩ある高貴の人だ。
選ばれしたった十一人の能力者の中に捨て駒にしてよい仲間など一人としていなかった。それでもシルバーの中にある「命の秤」の上には次々と自分の指示を待つ仲間達の姿が浮かんでは消えていった。
「あれ?」
ゴムンガと対峙した前方の葛藤を余所に、大地、アクー、ナルの三人は相変わらず後方を固めていた。
右腕を黄色い光に包んだ大地が馬の上からナルを見て変な声を出した。
「ナル、それ…」
「え?」
ナルが馬上の大地を見上げると、彼は自分を指さしている。いや、自分の腰のあたりを指し示している。
ナルは何気に大地が指さす辺りに目を落とした。そこには、アガスティア国王カンサルクより受け継いだ伝説の剣、タテガミが収まっている。
「タテガミって、そんな形だったっけ?」
「は?」
一瞬、大地の言っている意味がわからなかった。アクーも気になったのか、矢を構えながらチラリとナルの方を見る。
「あれ…?」
ナルが掠れたような声を漏らす。大地に言われ目を落としたタテガミは、確かに初めて手にした時と形が変わっているように見えた。
手に握る柄は変わっていない。細身の鞘に収まった刀身は見えないが、外から見る限り変化は感じない。はっきりとわかるのはその柄と刃をつなぐ鍔の部分だ。
銀色に鈍く光り、名も知らぬ赤い鉱石で装飾されていた大きな鍔だった筈だ。初めてタテガミを見た時、ファンタジーゲームに出てくるようなデザインだなと思った事を大地は思い出していた。
それが今は全く違う形をしている。古式ゆかしい日本刀のような形状の柄と刀身に対し、巨大な鍔はメタリックで、そこだけがやけに近未来的な流線形の四角い形をしていた筈だった。
ところが今、その鍔は逆巻く炎を象ったような形に変わっている。大地は瞬間的に歴史の教科書で見た縄文時代の火焔式土器を思い出した。艶消しを施したような銀だった色はオレンジ、いや朱色に近い赤に染められている。
ただの道具である剣が、腰に差しているだけで色や形を変化させる訳がない。大地もナルも恐怖にも似た感覚に僅かながら狼狽えた。
その時、大きな地響きを感じた二人は慌てて後ろを振り向いた。大岩の上に立っていたゴムンガが、その巨体を宙に躍らせココロ達の前に飛び降りたのだ。
ゆっくりと身を起こすゴムンガに大地の目が釘付けになった。でかい。その体は三mを超える巨体だ。キイタを庇うように立つシルバーが子供のように見えた。
巨大なゴムンガの目の前にはシルバーの他、ココロ、キイタの二人。そして未だ万全ではない傷ついたガイだ。
重々しい甲冑に全身を固めた恐ろしい敵に全員が集中している隙に後方から伏兵が襲い掛かる。そうなれば戦場は混乱を招き、せっかく集まった仲間達とはぐれてしまうかもしれない。
しかし、地に降り立ったゴムンガを相手にシルバーとキイタの姿は如何にも危うく見えた。応援に行くべきか?シルバーの指示を守り伏兵に備えるべきなのか?大地は迷った。
「おい、抜け!」
何となくドスの効いた迫力ある声が聞こえた。
「え?」
大地、アクー、ナルの三人は咄嗟に互いの顔を見交わした。しかし、中年の男と思えるそんな声を発する者など、そこには一人もいなかった。
「何の為にお前を選んだと思っているんだ。さっさとここから俺様を出さねえか!」
戸惑っている三人の間に、再び男の声が響いた。大地とアクーの目がナルに注がれる。
「ナル…」
「ぼ、僕じゃないよ!」
大地の呟きにナルは剣から離した手を顔の前で何度も振って否定した。
「ここだここだ」
まただ。前にいる四人を含めても知っている誰の声でもなかった。大地とアクーの目が自然と下に落ちる。二人の目の動きを追ったナルが恐る恐る自分の足元に目を向ける。
「何をボケっとしていやがるこの唐変木が。てめえが腹くくらなきゃ仲間がやられるぞ!俺様の力を使え!暴れたくてうずうずしているんだ」
声はナルが腰に差した伝説の剣、タテガミから聞こえていた。
「………。」
大地、アクー、ナルの三人はすぐに声を出す事ができなかった。間違いない、今自分達に話しかけているらしい声の主は、ただの道具である筈のタテガミだった。
「しゃ、喋ったぁぁぁぁぁ⁉」
大地とアクーが同時に叫ぶ。ナルは余りの事に声もなく腰に吊った剣を見つめている。自分の声ではないと伝える為振っていた両手が所在なさげに彷徨っている。
「さっさと俺をここから解き放てナル!てめえの持つ力を俺様に注ぎ込むんだ‼」
「は、えっと、あの…」
「ゆっくり丁寧かつわかりやすくご説明申し上げてる暇はねえ!俺様はタテガミ!王の剣に宿りし戦いの精霊よ!柄を握れ!生命の力を注ぎ込め!」
「た、ま、ちょ、そ…」
「悩む前に動けクソガキ!」
「くそだって?」
タテガミの下品な言葉に不快を覚えた事でナルの正気が一瞬戻った。それを見逃さずタテガミが叫ぶ。
「仲間を見捨てる気かぁ!」
「うわあぁぁぁぁ‼」
自棄になったナルが絶叫しながら再びタテガミの柄を強く握りしめた。その瞬間、ナルの全身を激しい緑色の光が包み込んだ。今までにない余りの眩しさにすぐ近くにいた大地とアクーが目を思わず伏せる。
「ん?」
ココロを睨みつけていたゴムンガが夜の帳を打ち払う眩い光に顔を上げた。
「そうだそうだ、その調子」
目も眩む程の光の中、上機嫌なタテガミの声が響き渡る。
「な、何だ?」
ゴムンガに気を取られていたガイが振り返って叫んだ。ココロ、シルバー、キイタも何事かと後ろを見る。
「もっとだ!もっと流し込め!生命の能力が俺様を更に強くさせる!はっはっはっはっ!ナルよ!思った通り、お前は最高の相棒だぜ!」
やがてナルの体を包み込む緑の光が落ち着き始めた。それでもまだ彼の体は薄い光を膜のように体の縁に纏っていた。
長い髪が重力に逆らいふわりと浮いている。肩で息をしているナルが両手で握るタテガミは腰の鞘から抜き放たれ妖艶たる光を放っていた。
「漸く目覚めの時だ…。さあ一丁、暴れてやるか」
低く押し殺したような声で呟くタテガミ。その鍔の形は更に別の物へと変化していた。
刀身に向かって燃え上がる炎の形は全て柄の側に倒れていた。後方に流れた火焔があった場所には、顔がついていた。
赤く輝く二つの眼光、大きく開けた口から白銀の刃が伸びている。長く後方に流された炎と組み合わさり、その顔は正しく長い鬣をなびかせた百獣の王、獅子に間違いなかった。




