第1章 第5話
第1章。Nuclear armament
人生は道路のようなものだ
1番の近道は
大抵1番悪い道だ。
(フランシス・ベーコン)
第5話 裁き
ブラックホライズン陥落から
二週間が経とうとしていた
その日 ログライン基地には
精鋭部隊の招集に伴い
数々の戦場を生き延びた戦争のプロが集められた
そして僕らにも声がかかった
ブラックホライズンでの功績が認められ2階級の特進を受けた
しかしこの手の特進はこれから戦場に向かう意味でもある
兵士たちは広場に集められ
これから始まる作戦の内容を聞かされた。
本作戦の指揮官
エドワード・クルーガー将軍の
演説が始まった
「人類とNAIは 共存を選ばない!
我々は愛する者たちと祖国と己が信念のもと戦うことを忘れてはならない
仲間を見捨てるな 弾が尽きたら噛み付いてやれ
いいか!本作戦は
オペレーション ジャッジメント
と命名する
私も祖国を失った
しかし希望はある!
諸君らがその希望だ!
銃を取れ 命はくれてやるな
生き残るのは私達だ!
諸君らの健闘を祈る!」
兵士たちは己が信念の為に戦う
僕には会いたい人がいる
それを信じ貫き通す
生き残ってみせる 必ず
明日になったら 僕らはNAIの本土に強襲を仕掛ける
その先行部隊として僕とハリス そしてロッドも参加する。
1大国としてNAIには軍隊があり
民間があり 暮らしがある
そして それをまとめ上げる存在がいる
僕らは直接 その頭を叩き
早期終戦を目的としていた。
新型核兵器の被害により
大地は放射能に蝕まれる
NAI達の体は機械のため 僕ら人と違い 害にはならない
機械の体を持つ奴らが考えそうなことだ
「これで終わればいいな 」
「ロッド、元気がないな どうかしたのか?」
ロッドの声には覇気がなかった
普段からおとなしいがそれ以上に物静かな印象に変わっていた。
その日の夜は
出陣前の景気付けにみんな酒を飲んでいた。
「お前は飲まないのか?楽しそうだぞ?」
ドルークは相変わらずおしゃべりだった。
「俺はあまり好かないんだ
静かに星空を見てる方が落ち着く」
「そういえば ロッドってやつ
あいつ 何か怪しいぞ?」
「怪しい? お前にそんなことわかるのか?」
「奴の声には迷いを感じた
きっと何かあるぞ、用心するんだ。」
確かにロッドの様子はおかしい
かと言って問い詰める必要性はないと思った
内心では お互い いつ死んでもおかしくない これは戦争なのだからと理由をつけていた。
「すまない お前は迷わなくていい
迷いは剣先を鈍くする 今日はもう休んで明日に備えてくれ」
「わかった 明日は頼むぞ 」
明日は敵の本土に直接攻撃を
仕掛ける
きっと生き残ってみせる。
第5話 完