プロローグ
_2052年。5月2日。日本時刻 14時25分36秒。
この日、全ては変わってしまった。
太平洋海上。人工の島で秘密裏に開発されていた。
人間強制進化ウイルス『DART≪ダート≫』
当初は、ウイルスを凍結。粉末化。カプセルに入れ服用。体内で解凍され感染。また、その感染は一時的なもので、うつることもないとされ。感染すると身体能力の向上という症状…否、恩恵を得られる。とされていた。
しかし、作成に成功したDART≪ダート≫を凍結する際。何者かの手によって失敗。そして世界中に蔓延し、感染してしまうこととなる。
その感染力は、すさまじく。たった1日で地球中に広がった、されている。
ウイルスの恩恵は予想よりはるかにすさまじく。恩恵…否、進化に耐えられなかった者は、くしくも亡くなってしまう。
そして、生き残った者には。想定されていた身体能力の向上の他に今までフィクションと考えられていた。
超能力(人知では考えられない力)DART ABILITY≪ダート アビィリティー≫まで得ることとなった。
その脳力は、多くの種類。また威力には個人差がある。
『能力』を『脳力』としているのには、もちろん意味があり、この|DART≪ダート≫の進化は。
『脳のキャパシティーの変化』であるため。『脳力』が適切なのである。
_同年。5月20日
『D.A.』【DART ABILITYの略称】を用いた戦争の開戦。
この戦争は、アジア、ヨーロッパ、アフリカ、北アメリカ、南アメリカ、オセアニア各地域より1人合計6人の手で。たった3日で終戦する。
終戦後、この6人を中心となり国々が一丸となって政治が行われることになる。そう・・・まさに1つの国のように。
それからと言うもの、紛争やテロは起こっていない。
それを可能にした理由として。この6人の統制力くわえ
一種の恐怖政治を可能にするほどの、脳力による絶対的強さを持ち合わせていたことは言うまでもない。
_2162年。7月16日。現在。日本。
蔓延したウイルスは今だ健在ではある。
しかし人類の『脳力に目覚める者』の数は減少傾向にあり。
持つ者、持たざる者の格差が生まれつつある。
法律では、もちろん武器の製造、所持は取り締まれている。
加え、6人の残した政策、法律によって。
国を脅かすような犯罪の発生件数は_0件と公にはされている。
が、地域単位の犯罪がなくなった訳ではない。
脳力を使った犯罪。その手口は複雑。故に難解。
格差による不満も日に日にふくらんでいくのであった。
そんなご時世で、警視庁魔法課係に配属となった青年:飛騨 良汰≪ひだ りょうた≫の物語である。