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尻尾  作者: 啓。
1/1

冷めきった、部屋に一人うずくまる。


全てを失った悲しみと、自分しか残らなかった悔し

さ。


その二つが自分自身を追い込む。


頬を流れる水は、最初は少しだけ暖かかったのに、空気に触れた瞬間、凄く冷たいものとなった。


物音がなにも聞こえない、この部屋で、もう何日過ごしたろう。


一人きりになるのが怖くて、静かな部屋に音楽を流

す。


妹の好きな歌が流れた。


明るい歌なはずなのに、自然と涙が溢れる。


妹の声が聞こえた気がした。一生懸命歌ってる。


でも、ここにはいない。


外からは、ボールがバウンドする音が聞こえた。


跳ね方が、音が、弟のバスケットボールに聞こえた。


カーテンを開けて外を見たら、近所の子だった。


家の目の前の道路でバスケットボールをドリブルしていた。


弟も、よく、あの道路からこの部屋までボールを投げ込んできていた。


何もする気が起きない。


だから、静かに眠りにつく。


今だけは、全てを忘れてたい。


あの子達と会えるその日まで、自分が自分で居られるように。

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