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例えばタバコを吸うとします

作者: はらみ
掲載日:2025/12/21

現在小説を執筆しており、その一部を抜粋したものでございます。

小説の一部を少しずつ投稿させていただき、最終的に小説が完成しましたら、まとめて投稿させていただきます。

ご感想や批判が、私のモチベーションになりますので、どうぞよろしくお願いいたします。

例えばタバコを吸うとします。




いつも通り学校に通う準備をしていた。


3度目のアラームで起き、寝間着のままキッチンへ向かう。換気扇をつけてタバコを吸う。タバコを吸っているとふと思い出すことがある。


「なんで冷くんは、タバコなんか吸いだしたん?」


タバコを吸ってない友人から言われた言葉だ。

“なんか”という言葉遣いに友人の喫煙者やタバコそのものに対するイメージのようなものが垣間見えた。自分なりのタバコの良さを話そうとも考えていたが、語る気すら失せてしまった。

話したところで理解してもらえる可能性は極めて低いと思ったし、理解してもらおうと努力するよりも、友人の喫煙者に対するイメージに自分を当てはめてもらうほうがずっと楽だと思ったのだ。

この質問に対して、ただ会話を成り立たせるために、俺はある答えを用意している。


「んー、バイト先の先輩がめちゃ吸うから、まあ付き合いかな。それで気づいたら一人でも吸うようになったんよね」


すると、友人は待ってましたと言わんばかりに、


「あぁ、タバコミュニケーションね」


と嘲笑していた。

俺に興味をもって質問しているというよりも、タバコを吸っている人をただただ馬鹿にしたかったという意図が浮き彫りになった。

タバコ吸ってる自分がかっこいいから、と答えたら彼はどんな反応をするだろうか。

自分に酔っているんだねとか、いやダサいからやめた方がいいで?とか言ってきそうである。そのような反応が返ってくると予測してしまうのには俺の過去が関係している。


というのも、俺はタバコを吸っていなかった時は、タバコのにおいをひどく嫌っていた。

喫煙は、百害あって一利なしだと考えていたので、高いお金を払って、肺に汚れた空気を歓迎する喫煙者の姿は滑稽にすら見えた。

だからこそ、友人が喫煙者である自分を嘲笑した気持ちも手に取るようにわかる。わかった気でいる。



タバコを吸うようになった理由はもう一つある。

人生の拠り所としてタバコは非常に都合がよかったのだ。一人で完結するし、どの銘柄を一日に何本吸おうが個人の自由であり、それで他人と競うようなこともない。

加えて、吸い方が同じであれば、同じ量の気体が毎度毎度当たり前のように口から放出されていくし、急いでおり、いつもより多く吸い込んだときには、その分いつもより多くの煙が放出されていく。口を尖らせれば早く、遠く、緩ませれば口の周りを低速で大気へ溶け込んでいく。

まるで自分が息を吐かなければ、煙は大気へ彷徨う方法を知らないかのように見え、そんな煙が愛しく思えた。実体がなく大気で彷徨うことを知らない煙、芯がなく世の中で生きづらさを感じている自身。

どこか親近感が湧いたのだ。


吸い終わったタバコを少量の水が入ったトマト缶に入れる。着替えて玄関の扉を開ける。

エレベーターで五階から一階までおり、大学までの数分の道のりを、またなぞっていく。


お読みいただき、ありがとうございます。

言葉遣いが幼稚であることは重々承知しております。

意味を間違って使用している場面などございましたら、ご指摘いただけますと幸いです。

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