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原点回帰




「…ねえ…テストどうだった?」


 そんなことを突然、煌夜は俺たちに聞きに来た。


 何の話か分からないな(棒)

 あー、そういえばテストがあったんだっけ(棒)


 テストって何だっけ?


「まあ、俺はいつも通り―――」

「いつも通りって何ですかね」


 涼の中のいつも通りとは。


 いつも通りにも種類がある。

 例えば、いつも勉強してなくて何も良くなかった。なのか、得意教科があって、それとそれ以外の点数が大体固定されている場合。


「1―――」

「はい、まず満点と」

「…まあ、国語は簡単だったし…」


 はい、出ました。クラスに一人はいる奴。

 え?別にそんなに難しくなかったけど…じゃねーよ!

 本当に。


「怜は煩い」

「すみません」


 煌夜くんに注意されちゃったので、怜、黙っちゃおうと思う。

 もう知らないもんね、ふんっ


「涼、他は?」

「国語、数学、英語、理科、社会の順で、えっと…100,98,90,97,95かな」

「あー」


 知らなくなかった。黙るとかなかった。

 許せんわー


「そう言う煌夜は?」

「えっとねー、21,12,100,18,14」


 うっわー、言葉が出ない。


「酷えー」


 嘘ついた。漏れ出た。心の声が。


 涼は去年からの付き合いだから、大体のこと、この場合テストの点数とかは分かるけど、煌夜のことは分からないからな。酷かったな。


「ん?」

「どうした、涼」

「こいつ、英語の点数何点っつった?」

「え?」


 え?何が起きたんだ、応答しろ!


「100だよ」

「?」

「?」

「?…うん」


 まず一つ、謝罪したいことがあります。

 多分なんですけど、この流れだと次に点数を言うのは私なんですよね。で、私の点数はまあ、少々あれなんですよね。

 つまり、つまりですよ。

 正直、自分より点数が低い人がいて安心していました。と思ったけど、低いなんてレベルじゃないではないですか。

 まあ、別に安心する要素は一つもないんだけどね。


「結局、お前らは俺を裏切るのか」

「何のことかはわからないけど、僕の平均点はこれでも43点だよ」

「33点」

「33点だよ」


 腐っても、腐らなくても学年一?恐らくそうであろう平均96点の人間は、記憶力も凄かった。

 まあ、知ってたけど。


 そして、煌夜は流石なのか、何なのか。


「いやまあ、英語に関してはズルというかなんというか…」

「でも、100点の奴が周りにたまたまいる訳じゃないだろ?」

「いや、カンニングとかではなく…」


 煌夜が何が言いたいのかは全く分からないが、別に何してもとれる点数ではないから実力は嘘ではないはず。


「で」

「言っとくが、つまらないと思う」


 こういう時に困るのは低くも高くもないパターンであり、そして、


「60,78,62,56,42」

「…」

「…」


 微妙に高いと思ったら、中間テストだから平均点が高い。そのため相対的に微妙、なパターン。


「いやさ、怜は頭いいんだから勉強しようよ」

「流れに乗ってたけどなんか良くないの?」


 あのな、悪くはないはずなんだが…まあ、あれだ、あれ。


「それより煌夜に英語を教えてもらいたいんだが」

「同じく」

「お前はさ―――」

「いや、完璧とそれ以外の違いは大きいから。特に余裕そうな場合はテストで測れなかったってことだろ?」


 で、まあ俺は結局テスト前は集中して勉強しましょう、ということにしようと思う。

 いや、やっぱり継続的じゃないと駄目か。ということで明日から。

 ついでに、煌夜を巻き込もうと思う。教えられるものはないけど…


「勘弁して…」


 流石に詰めるのはやめておこうと思う。









 テスト二日目、煌夜は配られた解答用紙に目を通した。


「痛ッ」


 突然目に痛みが走り、目を抑えた。


(まずっ)


 朱華先生が訝しむようにこちらを向いて睨んでいる。睨んでいるのかな?

 いや、デフォルトか。


(え?)


 配られてきたテストの問題用紙は全て読める言葉で書いてあった。そう、()()()という文字で。

 いや、読めるというのは少々ずれているのだが…

 何がおかしいのか。それは、この時間は英語の問題が配られるはずだからだ。


 まあ、多分国語と間違ったのだろう。なんてことを思いながら問題を解いていった。

 テストの問題は、他のテストとは比べるまでもない簡単な問題だった。

 勿論、それすらも僕にとっては難しいんだけど。


「後ろから集めろ」


(はあ)


 しかし、何度見直してみても問題用紙にも解答用紙にも英語と書いてある。


 まるで、全て翻訳されたみたいな。

 筆記ですら何も迷わなかった。


 まだ、残っているのか。


 刻まれた呪縛(ふくさよう)




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