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4 戦いのあと

 僕が目を覚ますと、先生が心配そうな顔で僕の顔を覗き込んでいた。その横に、相葉さんとタケトが笑顔で立っていた。どうやら僕が一番最後に目覚めたようだ。


 教室の時計をみると、夢の中に入ってから一時間以上が経っていた。すでに放課後だ。他のクラスメイトは下校したようで、教室を夕日が照らしている。


「全員無事で良かった……校長先生に報告してくるから、少し待っててくれ」


 先生が教室を出ていった。僕は立ち上がると、タケトや相葉さんに当たらないように気をつけながら、両腕を回した。


 腕に触れる空気の流れ、制服の擦れる音。そして、校庭から聞こえる部活中の生徒の様々な声。どれもリアル。これは現実だ。


「お疲れ! 結城」


 タケトが笑顔で僕に言った。少し疲れ顔だ。


「お疲れ様、タケト。兵士たちとの戦い、大変だったよね。ほんとありがとう!」


「いいってことよ」


 タケトがニカッと笑うと、目線で相葉さんの方へ促した。


 僕が相葉さんの方を見ると、相葉さんは涙目で僕に頭を下げた。


「結城君、私をナイトメアから助けてくれて本当にありがとう!」


「あ、う、うん。とにかく相葉さんが無事で良かった」


 夢の中の相葉さんを思い出し、僕は頬を赤らめた。


 それに気づいた相葉さんが不思議そうな顔で言った。


「どうしたの、結城君? もしかして、私の夢って変だった? 実は私、どんな夢だったか全然覚えてなくて……」


「あ、そ、そうなんだ……大丈夫、変な夢じゃなかったよ。何の変哲もない、普通の夢だったよ」


 僕が内心少し残念な気持ちでそう言うと、相葉さんはホッとした様子で言った。


「そっか。良かった……ねえ、結城君にタケト君、明日の放課後は予定ある? お礼に何かご馳走させてくれない?」


 それを聞いたタケトが大袈裟に両手を合わせて言った。


「悪い! 俺、しばらく予定が埋まっててさ。2人で行って来てくれよ」


「え、でも……」


「いいっていいって、2人で行ってきな」


 そう言うと、タケトがチラリと僕の方を見て、相葉さんに分からないようにウインクした。


「結城君、どうする?」


 相葉さんが僕を見て言った。


「そ、そうだね……せっかくだし、2人で行く?」


 僕は勇気を振り絞ってそう言った。


「そうね……せっかくだし、そうしよっか」


 相葉さんが笑顔で言った。


 僕は幸せな気分でいっぱいになった。


 ナイトメアとの戦争で、僕の高校生活は大きく変わってしまったけど、新たな変化が、良い変化が起きようとしている。そんな気がした。

最後までお読みいただきありがとうございました!

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