第6話 『CAS Night』
新キャラ出ます・・・・2人ですぅ・・・・・
今回は『×5(クロスファイブ)』と『D&S Night(ディーアンドエスナイト)』という実際にあるチューニングカーイベントを参考に書いてみました。
・・・・行ったこと無いんですけどねorz
では、第6話 アップしますwww
種類があるから『優劣』と『好き嫌い』がある。しかし、『優劣』と『好き嫌い』は全く逆の位置にある。
例えばAとB、2台の車があったとする。
『AよりBの方が速い』と誰かが言ったからといって、誰もがBの車に乗るとは限らない。
『決してカッコ良くはないが、Aの車の方がたくさんの人数を乗せられる』というような事があるかもしれないし、『速さではBには敵わないが、Bには無い心地よい音がするのがたまらなく好きだ』という人だっているはずだ。
―――優劣だけで物は選べないし、好き嫌いだけで選んでも後に痛い目を見るかもしれないのが、好みや優劣といった概念の難しいところかもしれない。
第6話 『CAS Night』
カスタムカーと音楽の融合、『CAS Night(キャスナイト)』。
『CAS』は『Car And Sound』の略。
デモカーからユーザーカーまでさまざまな車が並び、さまざまなジャンルの音楽も流れている。
空港は街の西部に位置していたが、となり町の北洋町沖に新しいものが造られ、お役御免となった。
その後、残った滑走路がストリートゼロヨンに使われるようになり、それならいっそという事で街が整備し直し、全国大会が開かれるくらいの広さと施設を備えた会場となった。
その隣に駐車場はある。空港の駐車場が滑走路の隣にあるという少々変わった空港。
2人が到着した頃には、すでに会場の盛り上がりは想像以上だった。
広い駐車場を半分に分け、片方ではスポコン、VIP、SUV、ドリフト、ゼロヨンなど仕様を問わないカスタムカーが並べられている。痛車+アニソンなんて定番だが異常なものも。主にトランス、洋楽のHIPHOPが流れている。
実は圭太のスカイラインはスポコンカスタムもしっかりしていて、内外問わず青いネオン管が光り輝く。
ヘッドレストにもモニターを装備、トランクルームにはウーファーボックスまで。
こんなクルマに乗ってドリコンで結果を残し控えめな性格なのだから、目立ちたがりなのか控えめなのか分からない。
「こんなところがあったのか・・・・・」
「もともとチューニングカーが集まるだけだったんですけど、広い場所だけに誰かが走り出しちゃうからもういっそコースも作ってやろうよって感じらしいですよ」
カスタムカー展示場の反対側からは豪快なエキゾーストとスキール音、ディスプレイしてある車からは『頭●字D』でおなじみのユーロビートが耳に入ってくる。不思議なほどに何か奮い立たされる感覚。
「あの・・・・・野村さんですよね」
「え、あ・・・・は、はい・・・・・・」
「俺、野村さんに憧れて走り始めたんです、って言っても1ヶ月前に免許取ったばっかなんですけど・・・・・」
「そ、そうですか・・・・・」
「握手してもらえますか?」
「え、ええ・・・・・」
・・・・なんて1コマも。改めて圭太の有名人ぶりを感じる真人。
とりあえずウロウロして、チューニングカーを見回す。オーナー車だけでなく名真市中のショップのデモカーが並ぶこのイベントは、さながらオートサロンのよう。
走り屋の数とショップの技術力は比例する。街全体に走りのスポットが存在する名真市。数々のショップがしのぎを削りステージに合わせて作りこんだデモカーは、さすがの一言に尽きる仕上がり。
真人の目の前に、読者は知っているであろう第4話の黒いスープラとシルバーのL880K型、コペンが並んでいた。
どちらも走りのチューンが施されているのか、派手なエクステリアチューンは施されていない。ただ、エンジンルームにただならぬ雰囲気があった。
ナンバープレートはカバーで隠されている。そこには『O.A.S』の文字が。
その雰囲気に惹かれ、真人は思わず足を止めた。
「これはどこが作ったクルマなんだ?」
「OAS、オダカオートサービスですね。代表が女性でいい人なんですよ。僕もここでスカイラインを見てもらってますよ」
「女性チューナーか、そんなヤツもいるんだな」
「女がチューナー稼業やってちゃ問題なの?」
目の前に現れた女性は、第4話の高速のPAにいた人。もちろん真人は初対面だ。
「お、小高さん・・・・」
「あら、ノムノムじゃない、スカイラインの調子はどう?」
ノムノム・・・・センスがイマイチ感じられないニックネームで呼ばれ、顔を少し赤らめる圭太。
「え、ええ、おかげさまで・・・・」
「で、ヨコの失礼なお兄ちゃんは誰なの?」
「走り・・・仲間です。彼、上手いんですよ」
「私はオダカオートサービス代表の小高 奈津美、よろしく」
「朝田真人だ」
「ああ、あなたが・・・」
「??」
「いえ、なんでもないわ。車は?」
「NBロードスターだ」
「そう、あなたがOVER FLOWの勧誘を蹴ったっていう・・・・」
「そんなことも知られているのか・・・」
少し不愉快な気分の真人。
「それなりにいろんなお客は来るからね、そんな話も聞くのよ」
少し自慢げな奈津美の顔。
「あんたは走っていないのか?」
「え?」
「だから、あんたは車に乗って走っていないのか?」
「・・・・・・・・」
その質問に、なぜか奈津美は黙ってしまう。うつむいて、なにも話す気配がない。
「走っていないのか?だってよ、なぁ小高」
「善田君・・・・」
坊主頭でサングラスを掛けた男性が会話に割って入ってくる。EXI●EのATSU●HIによく似ている。
「急に割り込んじまって悪かったな、俺はこのスープラのオーナーの善田だ」
黒いスープラを指差して、善田は笑いながら話した。声以外はE●ILEのAT●USHIとさほど変わらない。
「こう見えても、小高はとんでもなく速かったんだぜ?なんせ元ラ――」
「そ、そういえば彼のクルマはどこでチューンしてるのかしら?」
慌てて話題をそらす奈津美。必死に隠すかのよう。
「ああ、クルマは自分でいじってるんだ」
それも長くは続かなかった。圭太が尋ねた。
「小高さん、やっぱり、その、走ってたんですか・・・・?」
「そうね、あたしも走ってたわ、昔はね」
「昔?」
「これ以上のことは人には話せないの。そういえばドリフトの走行枠受付がもうすぐ締め切りらしいわ、ノムノム行ってくれば?」
「は、はい・・・・・」
「朝田くん、だったかしら?またウチにクルマ持ってくるといいわ」
「ああ」
「ふっ、痛いところを突かれたって感じだな」
「余計なこと言わなくてもいいの。あたしが走ってたことなんて、誰も聞かなくていい話なのよ」
「いい加減に意地張るのやめろよ、また走りてぇって思ってるんじゃないのか?」
「・・・・・さぁ、どうかしらね」
走行会受付会場へ向かう2人を眺めながら、2人は話していた。
第6話 終わり




