第4話 『アンチ「OVER FLOW」』
タイトルの読みは「ドライヴ」ですよ。よく似た書き方の漫画もありますから、間違われても困りますし(漫画の作者の方とかが)。
・・・・って誰かに聞かれたわけではありませんが。
うーん、なんだか人物がうまく書けてない気がするorz
さて、実は10話以上書き溜めてる本作、今夜も3~4話くらいアップできたらいいなとか思ってます。
では、需要度外視の『D'live』第4話、アップしますwww
彼は大きな力を持ちながら、それをひけらかすような事はしない。誰にも見つからないように、ただひたすら目的を果たすためだけに、その力をさらに大きなものへ変えていこうとする。
他の誰かと比べるなんてとんでもない。僕はただ彼に追いつきたいだけで、それ以上なんて何一つ望まない。でも、大きなものや派手なものは、いずれ誰かに見つかってしまう。
「隠れてもいいけど、逃げちゃだめだよ」・・・・・って具合で。
第4話 『アンチ「OVER FLOW」』
真人は司に負けたところまでを話した。
「そうだったんですか・・・・・・霧島司、まさかGT-Rに乗ってそこまで速くなっているとは」
「司を知ってるのか?」
「知っているも何も、僕はもともと『OVER FLOW』のメンバーですから」
「!!?」
まさかこんなところで元メンバーと会うとは・・・・。
「野口さんは元気でしたか?」
「妙に冷たい雰囲気があまり好きじゃなかったけどな」
「彼のあの独特の雰囲気が、チームの実力を伸ばす1つの要素なんですよ。まぁ僕はそれに我慢が出来なくなって抜けたんですけどね」
世界は狭い。どこでどんなつながりの人間に出会うかなんて、出会ってみないと分からない。
「何より僕、少し人間恐怖症みたいな感じなんで、霧島の性格も受け付けなかったんですよ」
ときに紅茶|(オレンジペコとは本人談)を口に含み、さらに喋り続ける。
「いつか何らかの形で彼らと勝負してみたいとは思っています。でも僕のクルマはスピード勝負が出来る車じゃないし・・・・・」
「そういえばあのクルマ、何馬力出てるんだ??」
「そうですね、470くらいは出てるんじゃないでしょうか?TO4Rで500も狙えるようにしてますけど、壊すと大変だし」
「470馬力ぃ!?道理であれだけ煙が出るわけだ」
さらに驚く真人。こんなに控えめな彼が、まさか500ps級で1600kgオーバーのスカイラインを振り回していたとは。
「すいません、空気圧が高すぎたんです。何より、朝田さんの事分からなかったんで怖くて・・・・」
「それくらい出てると十分勝負できるだろ?」
その答えに、圭太は首を横に振った。
「車重の関係でなかなか・・・・34スカイラインを投入して間もないころののむ●んと同じですよ。快適装備は全部付けたままですから、軽量化を徹底できれば競技車両並に走れるかも・・・・・」
「それで、水越みたいな人のいないとこで練習してたってわけか」
「朝田さんは、これからどうするんですか?」
「?」
「僕、人を怖がる性格なんとかしたいんです。朝田さんとはどういうわけか普通に話せるし、一緒に走りませんか?」
「ああ、俺は最初からそのつもりだった」
「クルマ直したら連絡します。携帯の番号教えてください」
お互いに番号を交換しあい、真人は部屋を出ようとする。
「打倒『OVER FLOW』ですよ、朝田さん」
「え??」
「僕は野口さんに勝ちたい、朝田さんは霧島司に勝ちたいんですよね?目的は同じ、頑張りましょう」
「お前、ちょっと変わってるな」
「え?」
「いや、なんでもない。じゃあな」
このとき、真人の『アンチOVER FLOWチーム(仮)』一人目のメンバーに消極的な白煙番長、ドリフタ―の野村圭太が加わった。
もちろん、今の真人にチームを組んだという意識はさらさら無いが。
同刻 名真高速湾岸線月城PA。
この街に張り巡らされている高速道路で、海沿いの月城地区から街境の山根地区までの10kmに及ぶロングストレートが格好の最高速ステージである。OPTIONでおなじみの『小野ビッ●隊』が来るとか来ないとか・・・・・
数々のチーム、数々の大排気量車種が集まる中、ひときわ異彩を放つ黒いJZA80型、トヨタ スープラRZ。
そのボンネットに座り、黙ってタバコを口にくわえる男。なぜか火はつけない。
『異彩を放つ』とはいえ特別派手なわけではないが、その異常な迫力に圧倒され近寄ることさえままならない。
それに近づく女が一人。スレンダーでシニヨンにまとめた髪型がよく似合っている。
「どうなの、スープラの調子は」
「やはりお前に任せて正解だな。300|(km/h)を超えても全く不安な要素が見当たらねぇ。底が見えなくて逆に恐ろしいぜ」
「あたしのチューンは速いし早いわよ~」
「お前は走らないのかよ?」
「フフ、チューンするための頭はあっても走るための車はないもの」
笑顔ではぐらかすように彼女は答えた。
「何言ってんだ、お前の走りは並のドライバーなんかじゃ付いて行けない。特に峠やダートじゃ手のつけようがねぇ」
「いくらあなたでも、これ以上言うと怒るわよ」
「わかったよ、お前ほどのやつがな・・・・もったいねぇ」
そう言うと、男はスープラのシートに納まる。フロントウィンドウ越しに見える彼の顔は、期待に満ち溢れていた。
大いに吼える2JZエンジンは、野獣が目を覚ましたかのよう。
ゆっくりと走り出したかと思えば、20秒後にはその姿は見えなくなった。
「そうね・・・・あたしにもあんな時期があったのよね・・・・・」
満天の星空を見上げ、彼女は誰にともなくそう呟いた。
それから2週間後、午後9時。
例のロー●ンに、真人はいた。
圭太のクルマが直ったらしい。水越をホームに、チームは動き出す。もちろん、まだ真人にそんな気はないが。
相変わらずパワフルなサウンドを周囲ににとどろかせながら、スカイラインはやってきた。
「おう、早かったな」
「高くつきましたよ、いろんな工賃かかっちゃって」
「工賃??」
「TO4RからGT2835に変えたんですよ。400psにまで落としてます」
「わざわざデチューンしたのか?」
「水越ではハイパワーすぎると扱いづらいので。サイズダウンしたらセッティングまで全部直すハメになって」
「さ、朝田さん、行きましょうか」
「そうだな」
2人は一路、水越の峠へと向かった。
第4話 終




