最終章〜帝国の滅亡〜
これが最終話です。
最終章〜帝国の滅亡〜
笑い声がこだまする戦場。帝国軍は仲間の死を笑っている。
キモオタ軍で司法を司る剣士シタンは許せなかった。仲間の死を愚弄する彼らを、それは帝国軍の「罪」であり自分には彼らに「罰」を与える力が必要だと。そう強く願った時、シタンのスキル"断罪"は"断罪極"に進化した。身内にしか効果が無かったスキルが敵軍にも効果を発揮するようになった。
シタンは手にした刀に"断罪"の力を込め抜刀し、戦場を一閃した。仲間の死を愚弄し笑った「罪」。「罰」は当然「死」である。
その瞬間、笑い声が戦場から消えた。「罰」が執行されたのだ。10万いた帝国軍の殆どは笑い顔で死んでいた。爆笑していたソー准将も、ニヤニヤしていたアルト宰相も、エボ皇帝も、皆笑ったまま死んでしまった。
唯一生き残ったのはイノリの死を愚弄しなかったイチハチ将軍である。一瞬で自らが守るべきエボ皇帝も、他の皆も死んでいるのに気づいた。おそらくは敵軍にイノリ以上のスキル持ちかいたか、あるいは覚醒したか、何方でも良かった。
イチハチ将軍は直ぐに乗っていた馬の手綱を握り締め帝国に向かって走りだした。今戦っても勝てる相手ではない。そしてこの戦場には殆どの帝国の主力部隊がいた。それが皆死んだのだ。自分は帝国に戻り防衛を強化し、また今後の対策を練る必要がある。
しかし、それを赦さない者がいた。ルマである。彼の「化け物じみた」スキルの名は"獣王"。獣の力を得て純粋に自身の能力を強化するものである。
ルマのスキルは仲間を殺された怒りで"百獣王"に進化していた。逃げるイチハチ将軍を殺す為に以前のスキルの倍以上のスピードで猛追する。
だが、イチハチ将軍の逃げ足は早く、捉えることは出来なかった。
暫く戦場で立ち尽くしていたシタンとルマだったが、やがて何も言わずにキモオタの棲家に帰って言った。
キモオタ達は滅亡まで静かにこの洞穴にこもるしかなった…。
〜〜〜〜〜
イチハチ将軍は息を切らしてイケメン帝国に戻ってきた。帝国に残っていた貴族や大臣と戦後処理、そしてこれからどうするかをすぐにでも話合わねばならなかった。エボ皇帝が死んだ今、帝国はすでに滅亡していると言っても過言ではないのだ。
「パパは帰って来ないの?」
無邪気な声で話かけてきた少女。ソー准将の一人娘である「メイ」である。
いつものイチハチ将軍ならば気の利いた返しも出来るのだか、戦場で自分以外の人間が一瞬で死んでしまったという恐怖から何も言うことが出来ず立ち去ってしまった。
後に事実を知ったメイは泣き崩れることになるのだが、そんなことはこの帝国に降り注いだ悪夢の一つに過ぎないのだ。
終わり
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