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n日後に死ぬイノリ  作者: いのり
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第7章〜油断〜

第7章〜油断〜



10万の兵を全て殺す為イケメン帝国軍に突撃するイノリ。相手の高官らしき人物が先程まで怯え震えていたのにニヤニヤしているのが気にはなるが、どうせ殺すのだからと思いスキルを発動しようとした瞬間、イノリは視界に入ってきた箱を見て動きを止めてしまったのだ。



シタンとルマは異変にすぐに気づいたが、その箱が何なのかまでは解らなかった。



イノリは箱に近づき箱をしっかり見る。間違いない、自分がどうしても欲しかった"プリキュラの限定フィギュア"だった。



なぜそんなモノが戦場に落ちているのか?だか自分が欲しかったフィギュアが目の前にある。手に取らずにはいられなかった。



その様子を少し遠くで見ていたシタンは敵軍のアルト宰相がニヤニヤしているのを見てすぐに気づいた。これは孔明の罠だと。



シタンは叫んだ



「イノリ!その箱に触るな!!!!」




シタンが叫ぶのと同時に、戦場に閃光が走った!




戦場が揺らぐほどの大爆発。アルト宰相は万が一イノリが戦場に出てきた時の対策をしていたのだ。キモオタは自分の好きなモノを収集する特性がある。それを利用しイノリが好きなプリキュラのフィギュアに可能な限りの爆薬をセットして戦場に置いていたのだ。




閃光と爆炎のなか爆発の中心部に慌てて駆け寄るシタンとルマ。そこにはかすかに息がある「イノリだったモノ」が転がっていた。



歓喜に湧く帝国軍。先程まで震えていた皇帝や兵士達も勝利を確信している。キモオタ共の中で一番やっかいなスキル所持者を真っ先に始末できたのだ。イノリは爆発の瞬間に自身のスキル"拒否"でどうにかしようとしたようだか、見ればイノリの胴体はほぼ無くなっている。スキルのお陰で粉々に吹き飛ぶことはなかったようだか、1分もしない内にイノリが死ぬのは間違いなかった。



キモオタの仲間であり友であるシタンとルマ、そして洞穴から様子を見ていたキモオタ達はイノリの有様を見て、あるいはこれから訪れる自分達の死を恐れ泣いていた。



ルマが泣きながら叫ぶ


「イノリ!お前童貞のまま死ねないって言ってただろ!死ぬな!ちくしょう!帝国軍の奴ら!美少女フィギュアに爆弾をしかけるなんて外道なマネしやがって!」


シタンは身体のパーツが殆どなくなったイノリを直視出来ず、空を見上げ泣いていた。



掠れた声でイノリが言う



「死ぬ…前に…一度…イチ…ドテ…」



イノリは何かを言おうとしている。シタンとルマ、キモオタ達。さらには帝国軍の連中も何故か静かになりそのセリフを聴いている。



「一度でいい…から…女の子…と…」





〜〜〜〜〜





「女の子…と…手を…つない…で…みたか…った…ンゴ」





〜〜〜〜〜




それが、イノリの最後の言葉だった。




シタンとルマが悲しみと怒りで声にならない声で叫ぶ!




だが、帝国軍は皆笑いを堪えていたようだ。



帝国の誰かが言った



「イノリって奴…恐ろしいスキルを持ってたくせに童貞ってwwwしかも女と手を繋ぎたかったとか…どんだけよブフォwww」



というセリフを皮切りに、戦場が笑い声で包まれた。帝国軍を散々苦しめてきた恐ろしい相手が、美少女フィギュア型の爆弾で爆発して間抜けなセリフを遺して死んだのだ。



帝国軍はみな勝利を確信し、安堵し、また敵の間抜けさを嘲笑し、笑った。中には笑い転げる者もいた。



ソー准将は爆笑し続け、アルト宰相は作戦の成功を確信し、これからの自身の出世に確信を得て珍しく声を出して笑っていた。皇帝はというと威厳を保つ為に笑うのを我慢していたようだが、イノリのあまりの間抜けな死に様に遂に吹き出し笑い出した。



唯一笑っていなかったのは、敵軍の死にさえ敬意を払い、このような状況でも全く油断していなかったイチハチ将軍唯一人であった。

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