ファンタジー系お馬さん談義
「あれ、ユニコーン今日欠席なん?」
「あーなんか、城に呼び出されてるらしいっすよ」
「はぁ、いいな王宮勤め。なあなあ、ユニコーンってずるいと思わん?」
「え、何急にペガサスさんユニコーンに嫉妬してんすか? それめっちゃウケるっす」
「いやむしろバイコーンは嫉妬せんの? あいつ清廉とか言われとるけとむっちゃ狂暴やん、やのに処女の懐に抱かれておとなしくなるとかウブすぎやろ」
「あー、確かに。処女でも特に若い娘好きっすよね。自分の好みに素直ってゆーか」
「な? な? 俺なんかユニコーンと似た印象上げられるのに駆り出されるのは処女じゃなくて戦場ばっかやしさー。もう勘弁って感じ」
「まあでも天馬じゃないっすか。ユニコーンさんみたいに自分の性癖さらけ出してるわけでもないし、ザ・正義の使者っぽいしいいじゃないすか。好感度高いっす」
「え、マジで?」
「オレが嫉妬するんならケルピーのやつっすかね。あいつ見た目が無駄に優しそうなんすよ」
「無駄に」
「無駄にっす。ケルピーなんか人肉好物なのに! 見た目がいいから人間から寄って来るんすよ、オレなんか怖そうってんで誰も寄ってこないのに!」
「でもお前も人肉好きなんやろ?」
「…………」
「…………え?」
「そういうとこっすよ、ペガサスさん」
「は、なんなん」
「オレが食ってるのはあくまで善良な夫だけっすよ、不純なものが好きなんす。純粋クソくらえっす」
「お前の趣向も大概やぞ、自覚ある?」
「堕落が横行するためには純粋なものはいらねえんす」
「なんやその不純な動機、そんな真っすぐに純粋な目で見んといてや」
「いやでも最近はちょっとこのやり方も悩んでて」
「えーお前悩み事あるん? 言うてみ言うてみ」
「んー……、最近恐妻家っていうんすか? そういうのが増えてるみたいで、浮気を疑った奥さんが旦那をオレの前に引きずってくるんすよねー……」
「う、うわー、怖!」
「しかも結局旦那の方は浮気とかしてなくて、でもそれで食べないわけにもいかないじゃないすか」
「うーん、まあ、確かにそれがバイコーンの性質やしなあ」
「食わんかったらそれはどれで浮気確定、みたいになるし。食ったら奥さん泣くんすよ」
「泣くんなら連れてくんな! って感じやな」
「まあ説明するのも可笑しいし、とりあえず食うんすけどね」
「そこはまったくブレんのやな」
「指輪だけ残すんすけどね」
「結婚指輪? あれなんか呪力とかあんの?」
「いやー、結婚指輪とか契約と誓約の物でしょ? 純粋なもの食ったら腹壊すもんで」
「なるほどな、ところでお前なんか太った?」
「最近本当にそういうの多いんすよねー。おかげで大分肥えちゃって」
「へー、あのさー、なんやかんや言うてもさー」
「はい」
「俺ペガサスでよかったわー」
「めっちゃウケるっす」




