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Mono mondon regas ~金が世界を支配する~  作者: あまつか飛燕
《ロレンス編》決戦に向けて
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募る不満と兆し

「聞いたか?また増税だってよ」

「また?先週上がったばかりじゃないの」

「戦費調達だって。そんなに逼迫しているのか?」

「私の3人の息子はみんな兵隊に取られたわ。最初は1人だけって言ってたのに」

 ヤンビャンの平民街の街角ではこんな話がいつからかよく交わされるようになって来た。毎日のように若者たちが党歌に送られて戦地へと赴いて往く。


 イグルによる大失敗とその後のナト軍の猛攻勢により一時瓦解しかけたプラセン軍の前線は、敵前逃亡兵の射殺や降伏した者の所属していた小隊への最前線への配転という名の血の粛清を以って何とか規律を保っていた。しかしそれは最早忠誠から来るものでは無く、ただただ恐怖から来るものだ。

 砲門や銃口を前にして尚勇気を保てるように、そして敵前逃亡するかもしれない気弱な仲間(兵士)には無理矢理、党から支給される気付け剤を飲む。飲みすぎると気をおかしくする代物だったが、それでも作戦時には皆が飲んだ。


 そして降伏する者を自分の隊から出さない為に、前線部隊から後方の輜重隊に至るまで仲間を監視し始めた。誰かが降伏すれば自分達は生きて帰れる可能性の低い最前線の部隊に飛ばされる。その為に少しでも降伏を匂わせたり、あるいは弱気な発言をしただけでも党に密告され、数多くの隊で人員が頻繁に入れ替わる事となった。

 だが補充で新たに隊に加わる兵士は徴兵によって集められた者だ。練度が足りず連携が出来ず、前線のちょっとした小競り合いでも敗戦が目立つようになって来た。それが軍や党の上層部をさらに焦らせ前線には無茶な指令を、武器の補充の為に一般市民にはより重い税を次々と指令していった。


「勘弁してくれよ!また値上げか、これじゃ満足に昼も食えない!」

 平民街の外郭部にある食事処である男がそう叫ぶ。

「しょうがないだろ旦那ぁ、ウチにも原材料が入ってこないんだ」

 だが食事処の店員も困り顔だ。

「だって徴税から半年も経ってないだろう?」

「それが多分戦地に送られてるんだろうな、これも党の方針ってやつさ」

 店員はそう言って店内に戻っていった。実際に食料は全くと言っていいほど入ってこず、数少ない売れる料理も値段は開戦前に比べると実に2倍にもなっていた。


 普段は何か不満があったとしても、それが党の方針ともなれば黙らざるを得ない。ヤンビャン市民とは言え、党に反抗するような事があればいつでも追い出されかねないからだ。

 しかしその男は先日のオトポールを追ったヤンビャン守備隊による破壊行為により妻を亡くしていた。2人いた息子も軍に取られ、今は1人でいつか帰ってくる息子達の為に家を建て直そうと必死に働いていたのだが、その2人もつい先日戦死公報が届いた。つまりその男には失う物は何も無かったのだ。


 男はある考えをまとめながらとぼとぼと家路につく。家と言っても廃材で組んだ何とか雨を凌げる程度の小屋で、その男の小屋の周りにも同じ境遇の人達が固まって暮らしている。そんな場所だ。

 すきっ腹でまともな考えが出来る筈も無い、だがその時男が考えたことはまともに食事出来たとしても同じ事だったであろう。


「直接大統領府に乗り込んで…ユールス様に直訴してやろう…!」


 *


 その男が自らの家へと戻ると、すぐに信頼できる仲間にその話を打ち明けた。もちろん反応は芳しくない。

「党に反抗しようってのか!?」

「声が大きい…!反抗したいわけじゃない、何を訴えても聞いてくれない党の出張所なんかじゃなくて直接ユールス様にこの現状を訴えて税の減免を頼もうって事だ」

 そう言うと皆が黙り込む。気持ちはわかるのだ、そこに住む者は皆が軍によって家を破壊された者達。未だに補償らしい補償も無く、それでいて息子を寄こせ金を寄こせ財産を寄こせと言う党に嫌気が差している者も少なくない。

 だが党に対して意見を言うなど考えた事も無かったのだ。言う事を聞いていればこのヤンビャンで暮らせる、そうでなければ壁の外で貧乏生活が待っている。その2つを天秤に掛けた時、優先されるのはヤンビャンに住む事だ。


「…私は協力するわ」

 1人の女が声を上げた。

「おい、いいのか」

「いいのよ。私も1人だわ、家を焼かれ夫も兵隊に取られた。生きてるのか死んでるのかすらわからないわ。もう厭なのよ、私は党にこんな惨めな思いをしたくて多額の献金をしたわけじゃないの」

 その言葉はそこにいた人達に確かに響いた。そもそも多額の献金を、中には借金してまで党に納めヤンビャンの居住権を得た者達だ。それなのに家はその党によって焼かれ瓦礫の下から助けを求めても助けてもくれず、これまで疎ましくさえ思っていたオトポールに助けられた者も少なくない。


 そうして何人かの賛同者が集まると、そこから他の人へと声を掛けるようになった。通常そうした不穏分子は民衆に紛れた党の監視員がすぐに見つけ捕らえるのだが、今回はその監視員ですら被害者であった。その地区を担当していた監視員は両親が倒壊した家の下敷きとなり、父親は亡くしたが母親をオトポールに助けられていた。

 それもあり監視員は黙認した。不満が無いと言えば嘘になる、反抗したいわけではなくこの窮状を訴えたいだけ。そうならば私だって気持ちは同じだとばかりに。


 2日も経つと賛同者は100余名にもなった。その殆どが家か家族、もしくはその両方を失いこれまでの労働者党の独裁体制に疑問を抱いていた者だ。

 とは言え武力行使をしてまで現状を訴えたいかと言われれば、誰も頷かないのが現状だった。あくまで望む事は税の減免と戦争の早期終結であり、政権転覆などが目的なのではない。

 党の掲げる"平等"の名の下に平民街の人はみんな苦労しているし、貴族街に住む偉い人達も苦労している筈。戦いは激化しているらしく亡くなる人も多いようだが、軍の高官だって現場では必死に指揮を執り党の偉い人も苦渋の決断で税を上げているのだろう。


 そうだと信じているからこそ、彼らは声を上げる。少しでいい、少しでいいから税を下げてくれ。そして早く戦争を終わらせてくれと。

 賛同者の集団の中に1人、その反抗の種を確認するや静かに無人の家に戻っていく人の姿があった。家の中の床には大穴が開いている、その穴に静かに吸い込まれるとまた家は無人になった。


 *


 オールム達は3日間のハークルへの滞在を終えて、無事にムルザへと戻っていた。議会で戻る際にプラセン軍に攻撃されるかもしれないという懸念を伝えると、ほぼ即決で護衛の船団と陽動作戦の実施が決まった。オトポールを何としてでも無事に返さねば、リハルトを糾弾するより前にプラセンとの戦いで疲弊してしまうという懸念があったのだ。


 そうしてムルザに帰ってくると、今度は待ってましたとばかりに大統領府から持ち帰って来た書類の精査を頼んでいた部下に捕まった。

「お待ちしていました。色々と書類を調べましたが、何と言うか…」

 そこまで言って部下は言い淀む。

「どうした、何か問題でもあったか」

「いえ、何もありません。読んでいただいた方が早いと思います」

「…わかった。ならまず読んでみよう」


 ペイルとオールムが机の上に置かれた報告書に手を伸ばす。2人とも読み進めるうちに、だんだんと険しい顔になっていくのが自覚出来た。

「これは酷いな」

 オールムがそう言って溜息をつく。

「全くだ。贈賄にコネ、学校への裏口入学に親族の脱税を埋める金の動き。徴兵に対して貴族階級の子供を免除するなんていうのもあるのか」

 ペイルも同じく呆れ果てたように溜息をついた。

「しかも戦時における増税予定があまりに急だ、いくら戦費の調達と言ってもな。この計画書によれば現時点で開戦前に比べて5回も増税している事になる」

「おまけに貴族街の住人は増税の対象外とあるな、平民街にだけ負担を強いてる訳だ」


 報告書をざっと読むだけでも、党の中枢は不正の見本市のようだった。逆によくこれでこれまで政権を維持できていたなと思える程に。

「こうなればヤンビャンの中でも多少は反抗の機運が生まれてるかもわからん、誰か送れるか?」

 オールムの問いにペイルは一瞬考え、すぐに首を縦に振った。反抗の意志がある事を確認次第、これらの書類を簡潔にまとめたビラを作成しヤンビャンの平民街にばら撒く。そうする事で一気に市民の感情に火を点け、民衆蜂起を促そうというのだ。

 そうしてヤンビャンに送り込んだ兵士数名は、何日か後に期待通りの報告を携えて戻ってきた。


「確かに反抗の兆しがあるんだな?」

「はい。と言っても今のところは武力放棄ではなく、あくまで党首であるユールス・カダルに直談判しようというような流れのようです」

 十分だ、とペイルは思った。民衆蜂起など実際に目にした事があるわけではないが、イグナス軍の一定の階級以上の士官に行われる教育の中にはそう言った人心掌握や、逆に軍の内乱に至った際の対処法などがある。今はまだ小さな反抗の火だったとしても、党への不信感を焚き付ければ十分な武力蜂起になりえると言う確信めいたものがあったのだ。


「あとは気になる事を言っていた者がいるのですが…」

「なんだ」

 オールムが聞き返すと部下は恐る恐る口を開いた。

「"今ならオトポールが来ても、逆に協力してもいいぐらいだ"と言っている者が…」

 その言葉には思わずペイルもオールムも驚いた。

「何故か聞いたか?」

「はい、なんでもその者は親をオトポールに助けてもらったのだとか」


 そう言われてオールムは一つだけ思い当たる節があった。

「矛盾の壁を突破しようとして、地上で遊撃戦を仕掛けた時…」

 ああ、とペイルも納得した。確かにあの時、撤退しようとする自分達をめがけて軍やヤンビャン守備隊は無差別に攻撃を仕掛けてきた。それで破壊された家屋も多く、それをオトポールの兵士達が助けていた。ヤンビャンの市民が言っていたのは恐らくその事だろう。

「だとすると運がいい、少なくともその反抗しようとしている集団の中では俺達(オトポール)は最初から悪意を持たれてるわけではないという事だ」


 意味が分かりかねているオールムと部下の兵士の為にペイルが説明を加える。

「俺達を邪魔者扱いしていたこれまでなら、どんなに本質を突いたビラを撒こうと恐らく無視されていた筈だ。だが党に対する不信感が募り、かつ俺達がこれまでより遥かに好意的に受け止められている今ならば?」

「…成る程、これまで以上にビラを目に通す可能性が高いってわけか」

「そういう事だ」


 そう言われてオールムはこの作戦に勝機を見出した。心のどこかではまたビラを撒いても効果が無いのではと思っていたのだが、確かに今ならばヤンビャンの市民と共に党を倒す絶好の機会なのかもしれないと。


 *


 その日から大急ぎでビラの作成に入った。ヤンビャンに送った部下達の報告を元に、今のヤンビャン市民にとって党への不信感を高めるようなモノを書き連ねていく。

 金も食糧もあるところにはある、貴族街ではこんな時でも優雅な晩餐会をやっている。党や軍の上層部の息子たちは徴兵を免れており、税金も貴族街では上げられていない。兵士が死ぬのは戦死などではなく、味方に殺されているからだ。そもそもこの戦争事態が代理戦争である…

 だからこそ今、党を打倒し意味の無い戦争を終わらせ歪んだ"平等"に終止符を打とうではないか…


 手に入れた書類やナト軍関係者からの話を元にひたすら目立つように作るともはやビラとは言えない大きさになってしまったが、それでも原版が完成するやいなや総出で印刷に入った。

 そうして数千枚にも及ぶビラを丸3日程かけて作り上げると、その日の夜に再びヤンビャンに侵入しそのビラを平民街の至る所に撒いた。

 そしてその効果はすぐに現れる。


 普段ビラを撒いた日の翌日は、大体道端に捨ててあるゴミと一緒に集積所に集められているのがほとんどだ。誰もオトポールの言う事に関心など持たず、それよりも党の言う事の方が偉大だと思っているからだ。

 だが今回は違った。あちこちに撒かれたビラは綺麗さっぱり持ち去られ、平民街ではどこに行ってもその話題で持ちきりだった。内容の重大さに気付いたヤンビャン守備隊が朝から大急ぎで回収し、ビラを持つ者は刑に処すとか持ってきたら賞金だとか言って釣ってみたものの全く効果は無かった程だ。


 そしてビラは、党に文句を言おうと集まった平民街外郭の者達にも届いた。守備隊の兵士が盛んに「ビラを拾うな」「事実では無い」などと喧伝して回っているが、元より党への求心力が薄くなっていたこの地域ではただ虚しい言葉でしか無い。むしろ党に対して文句を言うにしても穏やかにやろうという当初の方針は、それによって完全に撤回された。


「あのビラ読んだか」

「オトポールのやつだろ?読んだよ、今回はいつもと違って具体的な事書いてあったしな」

「あれ本当なのか?」

 どこの会話でもここまで来て止まってしまう。確かめる術は誰にも無いが、内容を否定する党の言葉を確かめる術も無いからだ。

「…やはり明日にでも直接、貴族街に乗り込む他は無いだろうな。俺達が直接確かめるしか無い、まさか貴族街だけ優遇されてるなんて事は無かろうが…」

 最初に反抗しようと言い出した男は、それでもやはり心のどこかで党を信じていた。だからこそ直接自分の目で貴族街を見て、この国は"平等"なのだと自分自身を納得させたかったのだ。


 *


 そして翌日の昼、平民街の外郭から目抜き通りを行進する一群があった。

「税を下げろ」「戦争の早期終結」

 それらを口々に叫びながら、最初は50名程度だった者も歩くに連れて参加者が増えていく。

 行進する者らは全員軽装で、何も持っていなかった。武器は持ってない、武力で蜂起しようという訳では無く、ただただ生活を楽にしてくれと言いたいだけなのだ。


 そんな行進がされているという報告を、ヤンビャン守備隊の隊長であるクナイは苦虫を噛み潰したような顔で聞いていた。前日未明に撒かれたビラが関係している事は状況的に見て間違いは無く、大方オトポールがやった事だろうと推察も出来る。

 だが問題はその内容だ。部下が持って来たビラを見てクナイは愕然とした。貴族街の住人には増税は無い、徴兵も無い。それどころか戦時下にあって晩餐会すら開いている…全て事実だ。だがこれらの情報をどこから手に入れたのか、それこそ思い当たることは一つしかない。少し前に発生した何者かが深夜の大統領府に侵入した事件だ。


 大統領府の入り口の守衛を倒し中のあちこちの部屋から片っ端から書類を盗み出された事件では、犯人達が立ち去る時になってやっと侵入した事を発見したというお粗末さだった。守衛の大半は戦地に駆り出されていて守りが手薄になっていたとはいえ、もう少し何とかならなかったのかと今でもクナイは思っている程だ。

 そして侵入された部屋には、プラセン軍作戦参謀であるスィミル・アイクレタスの部屋もあった。箝口令が敷かれていて詳しい事はわからないが、それでもかなりの量の重要書類が盗み出されたという話が伝わって来ていた。

 侵入したのが何者であるか、皆がオトポールの仕業だと言ったがそうだとしたら第二防壁を越えて来られるわけが無い。誰か第二防壁の守備隊と大統領府に内通者がいる筈だという事になり、一時上へ下への大騒ぎとなった。


 だが今こうしてこのようなビラが撒かれたという事で侵入したのはオトポールである事は明白なのだが、今はそれ以上に俄かに発生した集団への対処の方が先だ。鎮圧するのは容易い、本当にあのビラがでっち上げなら貴族街へ入れてもいい。

 ただあれは疑いようも無く事実だ。貴族街に入れずに嘘だと言えば運動が増長する恐れがあり、貴族街に入れれば格差が露見しもっと大変な事になる。しかも連中は賤しくも「ユールス様に合わせろ」などと言っている。クナイ自身もあった事の無い高貴なる人物に、どうして平民街の人間を合わせる事が出来ようか。


「いや…ヤンビャンに住む市民たる者、党への忠誠を確実なものにしておかねばならぬ」

 そう思い立ったクナイは、思い立った防衛案を紙に書き留めていく。いくら速やかに何らかの対策を取る事が求められる状況とは言え、それはあまりに狂気に満ちていて、あまりに独善的で、あまりに人間の意志を蔑ろにしたものであった。

「そうだ。我々党の言う事こそがこの国の方針、それに従えない者は…」

 そう言ってクナイはにやりと笑った。


 *


 数刻後には第二防壁の前に優に百を超す民主が集まっていた。皆が口々に税の軽減や戦争の早期終結を叫び、最初は読んだ事がバレないようにと言うのを控えていたビラの内容も今では皆が口にしている。

 その喧騒の中で、おもむろに第二防壁の扉が開いた。だがそこから先には誰も進もうとはせず、見えた光景に絶句するばかりだった。


 そこには等間隔で並んだ兵士と、軍の高官が経っていた。人の隙間から見える貴族街には誰もいない。

「ヤンビャン市民の諸君」

 中央に立っていた高官が口を開く。

「未だにあのビラに囚われているようだが、ここに労働者党の言葉として諸君らに伝えよう。かの内容は全てオトポールの考えた嘘であり、党としても全力を挙げて戦争の早期終結に向けて努力している。戦争が終われば税は再び元に戻るのだ、諸君らに於いては下手な扇動に流されず党の方針に従ってもらいたい」


 党によるはっきりとした、従属せよとの宣言だった。だが募りに募った党への不信感はその程度で拭えるものでは無い。

「…なら、ならばそこを通せ!あれが嘘なら貴族街の商店とて品薄であったり価格が高騰している筈だ。それをこの目で見なければ納得できない!」

 そう言って集団の先頭の男は、堂々と門の前に立つ兵士に向けて歩き出した。それに続いて数人が同調する。


「貴様らは党の言う事が信じられないわけか」

 高官はそれだけ言うと門の後ろへと引っ込み、代わりに完全武装の兵士が現れた。そして一斉に銃を構え、門に向けて歩いて来た数人に向かって発砲した。

 悲鳴と共に逃げる集団の前で、次々と弾に撃ち抜かれた者達が倒れていく。少し経った頃には門の前に民間人の姿は無く、ただ物言わぬ屍だけが転がっていた。


 これでいい、とクナイは考えていた。党の言う事こそこの国の全て、従えないのであれば恐怖で支配する。党による絶対的な体制こそ、最良の姿なのだと本気で信じていた。

 それが何をもたらすかなど、一切考えもせずに。

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