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第7話 始動……


 ヒュドラの戦いから、月日が流れた。


 私は運よく生き永らえている。

 今は母親ローパーを支援できるくらいまで成長している。


 母親ローパーもあの戦いから慎重になって子育てを頑張っているのだった。

 あの時は生死に直結する戦いだった。


 ある意味運が良かったのかもしれない。

 亡くなった4匹の子供たちには気の毒だけど、最低限の被害だったのだろう。


 逃走中に、強いモンスターに出あわなかったのが幸いだったのかもしれない。

 ちょっとしたことで生命が奪われる。

 このダンジョンは非常に厳しい。


 あれから私もかなり成長した。

 体長が2メートルくらいの大きさまでなっている。

 手のかわりになる触手も生えそろって、見た目は母親ローパーと同じかんじになっていると思われる。

 鏡がないので正確な確認はできないのだ。


 母親ローパーよりも小さいが、触手の使い方はうまくできているので、かなり戦闘で役になっていると自分でも思っている。


 兎を狩りした頃から、急激に体が成長し、触手などいっきに生えそろってきた。

 やはり石片のみでは成長できなかったようだ。


 触手の扱いは、人間の手を動かすよりも難しかった。

 ある程度自由に動けるようになってからは、人間だった体より動かす部分が多くできるので実に楽しい。


 体から出せる触手を『うにゅうにゅ』させれるのがなんか面白いのだ。

 ぜひ、女騎士とあってみたいと思う次第だ。


 触手の動かし方もいまや前世の人間だった手足以上に自由に動かせるようになっている。

 それに、モンスターの身体能力に驚かされるばかりだ。

 人間など遥かに超越した身体能力を持っている。

 魔法も使えるみたいなので、今勉強中だ。


 ちなみに母親ローパーと少しだけ違う特徴がでてきている。

 見える範囲だが、触手の色に関して、母親ローパーは先端が赤色と黒色のしま模様があるのにたいし、私は青色と黒色のしま模様になっている。


 身体の肌の色も母親ローパーは白桃色の肌色で私は白灰色の肌色で違ってきている。


 もしかして男、雄なのかな? でも生殖器官がどこにあるのかわからない。

 体の中をいろいろ検証して動かしているが、そんな器官が存在しないように思える。


 体内になんか隠されているかわからないが、いまのところは見あたらない。

 成長してから出てくるとかあるのだろうか?

 母親ローパーも見た感じどこにあるのかわからない。


 よく考えたら私はどこから生まれてきたんだろう?

 体の底の歩く凹凸の部分はさすがに確認できないのでわからない。

 別の器官があるとは、感じられない。


 体の何もないところから、触手が出せるので、そのへんの機能と同じように何か出入りできる器官が存在するのかもしれない。

 今のところは見当はつかないんだ。


 スキル、魔法らしきものを少しだが使えるようになってきた。

 どういう原理で使えるのかさっぱりわからない。


 母親ローパーが使った魔法らしきものを、私が前世で遊んでいたオンラインゲームのイメージで思い描くと発動できることがわかった。

 敵モンスターが使っているスキルらしきものも思い描くとできるものもある。


 使用してみると新たにできそうなスキル、魔法の兆候もでてきている。


 使用できる能力はこんな感じだ。


 (スキル)

 索敵サーチ(一定の範囲に敵を察知することができる。またダンジョン内の様子が頭に浮かび上がり部屋の位置通路などある程度配置がわかる)

 俊足フットワーク(機敏に動けるようになる)

 硬質化ハードチェンジ(体全体を硬くできる。部分的により硬くすることも可能)

 (魔法)

 回復魔法ヒール(対象の傷を回復できる)

 上位範囲回復魔法エリアヒール(使用範囲にいる対象の傷を高回復できる)

 雷撃槍魔法ライトニングボルト(前方に雷の槍を飛ばすことができる)

 物理防御盾魔法エナジーシールド(物理攻撃を防ぐ幕をはる)

 魔法防御盾魔法マジックシールド(魔法攻撃を防ぐ幕をはる)

 が使える。


 回復系魔法が使えるのが大きい。


 スキルの数は少ないが、人間だった知識と経験をふるにいかして応用し活用している。


 新にできそうな雷系魔法と氷結系魔法と無属性魔法が使えそうだ。

 ゲームでつちかった魔法をイメージして思い描くと発動兆候があるのだ。


 残念なのは炎系魔法と土系魔法と闇系魔法のゲームであった魔法を思い描いてもまったく発動の形跡もない。


 属性相性とかあるのだろうか?

 魔法が使える事態がおかしいので、使えるだけ良いと思っておこう。


 母親ローパーが使っていた。

狂戦士化バーサーク(一定の時間に全体的の能力強化をおこなう。ただしスキル効果がきれると弱体化をする)


中位範囲雷撃魔法ライトニングバースト(全方位に雷撃を飛ばす)


毒霧ポイズンブレイク(毒霧りを撒く)

 は使えていない。


 これらはあきらかに上位スキルのようなので成長したら使えると思う。

 今後の期待が高まる。


 他にも使える魔法がありそうだが、のちのち検証しよう。


 それとMPマジックポイントは大体の感覚で使える量はなんとなくわかる。

 いつもの日課で食べている、石片を食べるとMPマジックポイントは回復するらしい。


 このダンジョンの壁や床、柱、天井にいたるところに、魔法関係が付与しているみたいだ。


 非常に謎のあるダンジョンだ。


 …… …… …… 


 先日までは母親ローパーのうしろで支援していたけれど、このところは私が前衛にでて狩りをおこないはじめた。


 大きい8本ある触手の使い方も私なりに改良している。


 先端を尖った槍の穂先に形状を変えるか、刃の形状に変えながら硬質化ハードチェンジをおこなえば貫いたり切り刻んだりできる。


 人間だったころの漫画で教わった知識を活用している。

 実際イメージどおりに使えるのが嬉しいのだ。


 まさか死んでから漫画で教わった知識が役に立つとは思っていなかった。

 あくまで空想の世界の話だったから、これには母親ローパーも驚いてるようだ。


 雷撃系の魔法がもっと使えれば、触手に電流をながして電撃鞭を使えるようになるかもしれない。


 早く成長して、スキルを多くマスターして、使ってみたいものだ。


 …… …… …… 


 今日は私が先頭に立ちダンジョン内を進んでいる。


 索敵サーチをかけるとダンジョン内の様子が頭に浮かび上がり部屋の位置通路などある程度配置がわかる。


 前方通路にかすかに敵の反応がある。

 5匹いや4匹のモンスターか、1匹は死んでいるみたいだ。


 この感じ、蜘蛛のモンスターか、蜘蛛といっても大きさは50センチから2メートルの大きさのやつまでいる。


 厄介な敵だ。

 それが他ののモンスターを捕食しているようだ。


 4匹の蜘蛛だったら今の私1人でもなんとかなりそうだ。

 母親ローパーも支援してくれるので大丈夫だろう。


 他の方向も索敵をして危険がないか調べてみる。

 大丈夫のようだ。


 通路を進んでみると蜘蛛のモンスターが何かを捕食している。


 迂闊だな、食事中が一番危険が高いのにこんなところで食べているとはね。

 私は瞬時に俊足フットワークを使って近づき、すぐさま大きい触手で殴りつける。


 2匹ほど蜘蛛の頭がつぶれた。

 不意打ちは成功だ。

 こちらに気づいた、ここからは慎重に戦闘行動を進める。


 黒蜘蛛のモンスター、体長が150センチくらいで特徴としては巣を作らずダンジョン中を歩き回って徘徊はいかいしている。

 いわゆるハエトリグモのでかいやつだ。


 家にいるのは、小さくて跳ねたりして別に気にしていなかったが、この大きさだと気持ち悪くて怖い。


 一定の場所にはおらず、群れでの行動もしないはずだが、生まれた同個体が近くにいれば一緒に活動することもある。

 腹が減れば同種でも共食いとかもするので、4匹で活動しているのは珍しい、兄弟なのだろう。


 結構厄介な敵だ、足が速くどこにでも歩けるので天井などに張り付かれたらこちらの攻撃手段がなくなる。

 それに飛び跳ねたりして、速度が早いのだ。


 攻撃手段は尻から粘ついた糸をだし相手の動きを封じる。

 蜘蛛の巣は作らないのに、粘ついた糸を出し攻撃に使用してくる。

 口に鋭い牙があり噛みついたりまた強毒をもっている。

 噴出して毒攻撃をおこなうことがある。


 体全体が硬く、特に足が非常に硬く先端が尖った鋭い爪のようなものがあり、つかまれただけで切り裂かれてしまう。


 糸が厄介で粘着質がありそれも消化液みたいな成分が混ざっていて、粘着したらその部分が瞬時に溶けはじめる。

 粘着しているので剥がれず、とれるまで効果がずっと持続してくる。

 私は毒には強力な耐性があるので、特に気にならない。


 頭が弱点だが頭をつぶしてもしばらく足などは動いていることがあり、かなり生命力が強いモンスターだ。


 正面から戦うのは厄介な相手だ、できればふいをついて、戦いをしたい。


 …… …… …… 


 1匹の黒蜘蛛のモンスターはこちらにむかってきた。

 もう1匹は飛び跳ね上空から糸を私に噴出する。


 そうこの黒蜘蛛のモンスター、跳躍するそれも髙く飛び跳ねるんだよね。


 私は噴出した糸を素早くよける。

 糸が床に落ち「ジュウー」と煙と音たてながら溶け出す。


 むかってきた黒蜘蛛のモンスターは黄色い毒を私にむかって噴出した。

 私はそのまま正面から受け、大きな触手で黒蜘蛛のモンスターの頭を殴打する。


 毒耐性が強い私には、この程度の毒では受けてもまったく問題ない。

 黒蜘蛛のモンスターは頭がつぶれ絶命する。

 手足はまだ動いている、生命力が強い。

 頭がつぶれてもしばらく手足が動いているので触ると危険なのだ。


 私はすぐさま糸を出してきた黒蜘蛛のモンスターにむかい、大きな触手の先端を刃状にかえて頭を狙い切り裂く。


 「シュン」

 頭が縦に割れて黒蜘蛛のモンスターは絶命した。


 これで終わりか、呆気ない。


 しかし、このダンジョンでの戦闘は長引かせると危険が増す。

 いつのまにか他のモンスターが寄って来て、参戦するとか当たり前のようにあるのだ。


 短期決戦が必至だ。

 獲物を横取りするのは当たり前、逃げるために食べていた獲物を渡そうとしても平然と無視してこちらに襲いかかってくる。

 せめて獲物を渡すから逃がしてくれと、何回も思ったことかな。


 狩りは終了したが索敵サーチで辺りを探索する。

 他にモンスターがいないのを確認する。


 それでは獲物を別の部屋に移動して食することにしよう。

 こんな通路の真ん中で食べているのでは危険極まりない。

 手ごろな部屋を見つけ、母親ローパーと、ともに獲物を移動する。


 もう1体の死んでいたモンスターは蛙のモンスターだった。

 2メートルはある巨大蛙で蜘蛛たちがちょうど、食べはじめたところだった。

 かなりの部分が残っている。


 このダンジョンには、結構いろんな種類が存在するんだ。


 さっそく食事にしよう……

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