第49話 千里眼の使用方法……
うぅ、いきなり殴るなんてひどいではないか。
彼女は憤慨している。
私が千里眼を使っているのがわかったのだろうか?
その辺のことも気になる。
彼女はあきらかに、私に対して千里眼を使っていただろう。
気づかなかった私も問題にはあると思うのだが、それでもいきなり殴るとはひどい話だ。
これは、使用に気をつけなくてはいけない。
先ほど遠いエリアのドラゴンまでは見えたけど、ドラゴンはまったく気づいた様子はなかった。
透視能力を気づけるものと気づけないものがいるみたいだ。
それか気づいても無視したのかもしれない。
あいつはほとんど、眠っている状態だからな。
見抜けるほうが少なそうと思うのだが、と言うか彼女のほうが特殊な気がしてきたけどどうなんだろう。
このフロアで1匹だけローパーが生き残っていたし、普通のローパーよりなにかありそうな気はするんだがどうなんだろうか。
まぁ、今後は気をつけるとするかな。
さてと、確認できたので一端休むとしましょうか。
彼女たちも、石片を食べはじめ、私のいた定位置に戻っていった。
休みはじめるのだろう。
と言うか、私の定位置だったところ、その場所から移動しないの? 前に彼女がいた定位置に戻る気がなさそうだ。
仕方ないか、それでは私も休むとしようかな。
先ほど殴られた件があるから、今日は少し前に座って休もうとする。
彼女の機嫌がまだ悪いみたいなんだ。
ここはおとなしく休んでしまおう。
…… …… ……
十分すぎるほど体を休めた。
さてと、いつもどおり石片を用意して、食べさせて自分も食べてしまう。
今日の狩りは新しくできた千里眼のスキルを使ってどのくらい役にたつのか調べてみたい。
まずは索敵と千里眼の透視で、どう違いがでるか調べてみたい。
能力的に全く違うのだが同じような調べるという点では一致している。
使い分けでスキルを差別化するか、それとも応用で2つのスキル同時併用で使えるか調べたいものだ。
さっそく石片を食べて狩りの準備をしよう。
彼女たちの石片も用意できた。
5匹の子供たちの頭を見たら、ぷっくり盛り上がるこぶが見える。
おぉ、触手が生える様子がもう見えてきたのか。
体の大きさもふたまわりほどでかくなっている。
私が触手が出る兆候は、20日くらいかかったはずだ。
それがまだ1週間たらずで出てくるとは、やはりモンスターの食糧の重要度は高い。
血肉になって成長を促進する。
いっぱい食べさせてはやく成長させてやならいといけない。
もうちょっと頑張らないといけないか。
…… …… ……
石片を食べ終わり、狩りに出かける準備をするが、彼女が子供たちを触手で絡めるのに苦戦している。
大きくなって活発に動くことになったのもそうだけど、5匹いるからな。
私は1匹だけだったので、簡単に捕まって窮屈だと思うほど張り付いていた。
別に動く理由もなかったからすんなり受け入れられたのだけど。
子供たちは嫌なんだろうか、確かに窮屈なのはわかるんだけど。
それに5匹は多すぎるだろう。
まさか手に負えなくなって捨てたりはしないよね。
動物だと生存を優先するために、弱そうな子供から切るということをするらしいからちょっと心配だ。
その時は私が背負うしかないか。
でも、いまだに子供のこと触らしてくれないんだよ。
理由がわからないんだ。
5匹全員を捕まえて、体に張り付いたようだ。
いつもどおりに狩りに出かけるとしよう。
…… …… ……
今日は透視能力をメインでモンスターの動向を確認しようと思う。
いつもの癖ですでに索敵を発動して確認をおこなってしまっている。
これは仕方がない、自動でおこなってしまうと言う感じだから。
敵がいたら再確認で透視能力を使うのがいいくらいかな、少しずつ能力をならそう。
! ちょっと先にだがモンスターがいる。
今までの索敵感覚で何のモンスターがいるかわかるが、透視能力を使って再確認しよう。
透視能力を使い透視する。
おお、いたいた、大型のワームだ。
壁越しで透視しているせいか、ワームをじっくりと観察しても別に変った様子は見えない。
近くによって透視能力を使ってみたらどうなるのだろうか、非常に気になる。
彼女は急所を狙っていた、もしかしたらチャクラの流れが見えるように急所が見える可能性がある。
それを期待しているのだ。
弱点がわかって戦い方が圧倒的に有利に運べる。
と言うか、最初から能力をわかっていればもっと良い戦い方ができていたのかもしれない。
過ぎたことは仕方ないが、これからスキルの使い方を学んでみよう。
また間違ったスキルの使い方をするかもしれない。
今回は慎重にスキルを把握して能力を存分にいかすのだ。
とりあえず、ワームがいるところまでむかう。
私は透視能力状態でワームをとらえ続けた。
途中何度か壁にぶつかることがあったので、ずっと使い続けるのはさすがに難しいことが判断できた。
なんか問題をおこしてから学ぶんだよね。
先読みの応用がいまいちできない。
その辺が私の駄目なところだ。
…… …… ……
大型のワームが1匹いる部屋にたどりつき、部屋の前で確認する。
大きいな、6メートル近くあるのではないか、今まで見た中で一番大きいワームだ。
しかし、こんなでかいのがいたら普段もわかりそうだが、もしかしてダンジョンからリポップして生みだされた可能性がある。
ダンジョンからのリポップの仕様がわからない。
これものちに調べなくてはいけない。
さすがに大きいので、彼女を一端制止する。
とりあえず、透視能力で観察してから私が前に立ち、囮で牽制しよう。
彼女が動いて倒してもよし、危険と判断して動かなければ私が倒すまで。
透視能力を使用する。
私は直接ワームの本体を透視してみた。
思ったとおりだ、漫画で見たように、チャクラの通る筋道が透けて見える。
大型のワームの頭には黄土色の魔核がある。
魔核から背もたれに続いて青い線がしっぽまではいっている。
細かく枝わかれした神経の筋が入っているような青い線が見えている。
今までワームを倒す時には、電撃で感電死させとどめで頭をつぶしていたのだが、正解だったんだ。
頭が弱点ということが良くわかる。
それじゃ、私が囮に立ち前に出よう。
私はワームの前に立ち、威嚇してみた。
ワームはおきてきてこちらを警戒している。
防御系魔法の上位物理防御盾魔法と上位魔法防御盾魔法を彼女と自身にかける。
魔法の防御膜が展開する。
魔法反応のせいで、私に敵意をむけている。
ゲームでも魔法の反応はバフ使用をターゲットにするから、似たように反応をしめしたのか、強い魔法力を使うと警戒をすると言うことだろう。
彼女が動いた。
横から近づきワームの頭を触手で打ちつける。
不意をつかれたワームはあっさりと床面に倒れこんでしまう。
あらら、こうも容易く倒してしまうとは、6メートルクラスの大きいワームだよ。
正面から戦っても問題なく倒せるけど、こうも容易くはいかない。
…… …… ……
倒れた状態のワームを見てみよう。
私は彼女を静止して倒したワームに近づく。
ワームに直接、透視能力を使う。
透視した結果、頭の魔核が粉々に砕けてる様子が見えた。
神経のように張り巡らされている青い線が、切れているのを確認する。
やはり魔核を壊していたのか。
先日に倒したラプトルも赤黒い魔核は、砕けた状態だった。
魔核は生命活動に重要な役割を果たしていることは確かと言える。
彼女は止めを刺したときは、頭と首筋に止めを刺したので、魔核だけでは完全には死なないのだろう。
ワームには脳みそらしきものが見当たらない。
ラプトルは恐竜だから脳みそがあるのだろう、でも小さそうだな。
彼女は察知能力が秀でてあるようだ。
しかし、透視能力だと急所らしき魔核が見えるのはいいが、うまく判断しないと事故が起きるかもしえない。
下の階層では、体が半分にちぎれても5分くらい動いているモンスターがいるから。
毒棘などあって不用意に近づいて刺されたらたいへんなことになる。
索敵でワームの生命活動がないのを確認したので、静止していた彼女を向かわさせた。
彼女はすぐさまワームの頭に触手でとどめを刺した。
ワームの魔核を貫通している。
うむ、確かに急所はわかるのはすごいことだが多様は危険だ。
確実に魔核に止めを刺しているが、私だったら頭全部ペシャンコにつぶして、電撃魔法で感電死させるくらいやっている。
ワームは口で噛みつくから、攻撃の手段を念のためつぶしておきたいのだ。
死んでいることは確かなのでいいけど、透視能力だけの使用は禁物な気がする。
彼女は透視能力を多用しすぎているのかも知れない。
諸刃の剣にならないか心配だ。
私は見張りで入り口のところで警戒していよう。
…… …… ……
! 私は、ふと思った。
これってアサシンプレイの場合、最強の能力じゃない。
透明化能力で近づき透視能力 で急所を把握、神剣で『スッ』急所を刺して終わりという。
こんな狩り方が簡単にできるぞ、まさに最強の能力ではないか。
やはり最初の時点でスキルを覚える順番を間違っていたのではないか。
透視能力と透明化能力の組み合わせわとんでもなく強いと思う。
神剣があるせいで、さらに強力だ。
なんで早く気づかなかったんだろう。
前からおかしいと思っていたのだが、余裕などなかったから。
今のところ子供を育てるくらい余裕があるから、見えないものが見えてきたんだろう。
新しい透視能力は子供たちのために授かったのだと思えばいいか。
古代神ありがとう。
今だけはそう思っておこう。
透視能力を使いこなしていきたいな……




