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第45話 見守り……


 落ち着きが戻ったようだな。


 今日はさすがに疲れたのでこのまま休むことにしよう。

 子供たちは彼女の後ろへ隠れたままで、出てこなくなってしまった。


 まぁ、そのままにしておこう。

 彼女も産後だ疲れているだろう。


 休む前に石片を用意してあげないといけないか。


 私は別の通路や部屋から食べられそうなきれいな石片を集めにいった。

 石片の用意が終わったので彼女に持っていってあげる。

 彼女は石片を食べはじめた。

 

 私も石片を食べて休むとしよう。


 えーと、私はどこで休めばいいのかな。

 私の定位置には彼女がいるんだよね。


 近くにいないといけないな、まだなにがあるかわからない。

 彼女の目の前で休むことにしよう。


 微妙にこういうことがいまいちわからないんだよ。


 彼女は大きい触手を子供たちを包むようにかぶせているな、これでは自分が無防備で危険にさらされるではないか。


 まあしょうがないな、とりあえず彼女の前に座って休むことにした。


 彼女と同じように、自分も彼女を包むように大きい触手を広げてみる。

 私は何かあった時でも私の本体はそれなりに耐久力があるから大丈夫だろう。


 自分よりも彼女と子供たちが心配で気がきではない。

 父親になるとモンスターでもこんな考えをするのだな。


 とりあえず疲れたので休むとするか。


 …… …… ……


 今日は大変だったな、子供たちが大きくなるまでは慎重に行動しなければいけない。

 でもなんかこれで生きるのを頑張れそうな気がする。


 モンスターの世界は過酷だけど、なんか久々に充実感があるって感じがする。


 こんなこと前世であってから、いつの日くらいになるかな。


 …… …… ……


 だいぶ休んでしまったな。

 幸いにも彼女たちもまだ動きはじめてはいない。


 と言うか、まずは私が起きないと彼女たちが起きられないのだった。

 動きだすとするか。


 魔力もだいぶ回復したし、念のため神剣を使って回復魔法ヒールをかけておく。

 さすがにあれだけのダメージを負ったから、念を入れて回復しておいたほうがいいだろう。


 私は神剣を使い魔法を付価して回復魔法ヒールをかける。


 見た目は変わらないと思うが、体が軽くなったような気がする。


 とりあえずみんなの分も石片を用意して、今日は狩りをどうするか決めなくてはいけない。


 石片を用意しながら今日の日程を考えはじめた。


 起きだしてきたな、私は石片を細かく砕き食べやすいように用意してあげる。


 起きだすと彼女は体から触手を出し、子供たちに石片を食べさせはじめた。

 やはりローパーにとっては石片を食べるのが習慣なのね。


 さてと、今日はどうしようかな。


 食糧のストックがあるので当分心配ないけど、狩りに行くかどうするか問題だ。


 母親モンスターは生まれたまもないころ、すぐに動き出してしまったからね。


 子供たちの行動がわからないので柵を作って囲い込んでいたいよ。

 と考えていたら、彼女が体から細い触手をだし5匹の子供たちを絡めはじめた。


 これってまさか体に張り付かせ、移動する気かな?


 思ったとおり、背中あたりに子供を5匹を貼りつからせてしまった。


 おいおい、もしかして狩りに出かけるきか?

 それともどこかに移動かな?


 彼女の行動が読めないのである。

 彼女は子供たちを背負ったままで動かなくなってしまった。


 うむ、意味がわからないのでとりあえず私が行動してみるしかないか。


 私はとりあえず動き出す。

 後からついてくるみたいだ。


 ? 行動原理がわからないけど、とりあえず狩りでもはじめようかな。

 もしかして、子供たちに狩りを体験させるため、背負ったのかも知れない。


 私の生まれた時もそうだったから、同じような行動しているのかな?

 危険の少ない単体の敵でも探してみるか。


 私は索敵でモンスターを探すことにした。

 ちょっと遠いがモンスターの反応がある。

 このモンスターの反応は見覚えがある。

 地面を這いながらゆっくりと移動している。

 爬虫類系のモンスターだろな。


 蜥蜴とかワニのモンスターあたりだろう。

 理由はわからないが、どの階層にもいるんだよな。


 母親ローパーの時も最初は蜥蜴のモンスターだったな。

 ここの蜥蜴は弱い部類なので、今の状況ではちょうどいい狩りの相手だろう。


 ちょっと、行くのに遠めだけど単体みたいなので移動してみよう。


 …… …… ……


 いたいた、ワニのモンスターか、狩りをするにはちょうどいい相手だと、警戒をしていたら、彼女が先にワニのモンスターへ向かって行く。

 おいおい、大丈夫か、そもそも狩りをしたことがあるのかよ。


 2メートルのワニモンスターだ。

 それほど大きくはないが、大きくない分素早さがある。


 でもワニのモンスターは全体的にそれほど動きは早くないし、直線的にしか動かないんだよな。


 …… …… ……


 本当に大丈夫か? 今まで私は彼女がまともに狩りをしたことを見たことがない。

 子供を背中に乗せているのだから、私に任せればいいのに、なんてこんな時に限ってむちゃなことをするんだろう。


 もしかして子供を育てるのは、母親が自ら戦かって獲物を子供に与える習性があるのか?

 彼女がこうまで行動するとは珍しいのだ。


 私はいつでも攻撃できるようにサポートの体制をとる。


 彼女はワニのモンスターにむかっていった。

 ワニモンスターは彼女に気づき威嚇をおこなう。


 ワには奇妙な声を張り上げ口を大きく開けた。

 大きく開けた口の中には白い鋭い歯がいくえいにも重なって凶悪さが見える。

 彼女は大きい触手で頭をかすめるようにワニモンスターを殴った。


 あれ、ちょっと攻撃が浅かったのではないのかな。

 ちょいまずくない!


 そう思って俊足フットワークで駆け寄ったが、ワニのモンスターは先ほどの攻撃で目を回している。


 よく見ると彼女の触手の先に電撃がまとっているのだ。


 目を回しているワニにたいして、他の触手を使ってワニモンスターをひっくり返してしまった。


 おぉ、これは定番のパターンなのね。

 こうなるとワニのモンスターは動けないんだよ。

 実に賢い。


 ひっくり返したワニのモンスターにたいして、喉元付近と体の下側の足付の部分を軽く殴った様子が見えた。


 え、それじゃ先ほどと同じく攻撃が弱すぎでしょう。


 サポートに入ろうとしたが、ワニのモンスターの生命反応をみると死んでいることが確認できた。

 私は驚愕をする。


 マジか、先ほどの攻撃ですでに、ワニモンスターがこと切れているよ。

 軽く殴ったように見えたのだがどういうことだ。


 それになぜ触手で下側の足の付け根のところを殴ったんだ。

 もしかして急所とかあったのだろうか、秘孔でもついたのか?


 私の知らない不明なことがおきたぞ。


 私はワニのモンスターの生命反応をもう一度確認するが、やはりないので驚いている。


 倒したのでこれでいいか? 納得がいまいちできないことがあったのだが、まあいいだろう。

 たまたま急所にうまくあたってワニのモンスターが絶命したのであろう。

 と、私はその時は思っていた。

 

 …… …… ……


 うむ、彼女がワニのモンスターを倒したのだが、近寄っていいのだろうか?

 ここは近づいてはいけないような気がする。

 とりあえず辺りの警戒でもしておこうかな。


 索敵をしつつ彼女がこれからどうするのか興味本位で見守る。

 どうやらここで倒したモンスターを解体するみたいだ。


 私だったらどこか安全な部屋にもっていくのだが、彼女はここで食べてしまうらしい。


 幸い索敵で他のモンスターが近くにいないのが確認できたけど、子供たちがいるのに不用心な気がする。

 私がいるので安心していられるのかな。


 そう思うと頼られてるみたいで結構うれしいもんだ。


 …… …… ……


 彼女は体に張り付かせていた子供たちを下ろし、ワニモンスターを解体しはじめた。


 腹を触手でたたいて柔らかくしているみたいだ。

 それから口から消化液をはきかけ、おなかの部分を溶かしはじめた。


 この光景は見たことがあるぞ、私が生まれた時にはじめて蜥蜴のモンスターを食べた時と同じ再来だ。

 まさか同じ光景を見るとは思わなかった。


 爬虫類系のモンスターの食べ方はローパーでは共通した認識なのね。私は関心をする。


 彼女がワニのモンスターの内臓を体から出した触手でまさぐりながら食べはじめた。

 少ししてから、5匹の子供たちへ内蔵を分け与えはじめた。


 これも見た光景だな、なんだか生まれた時のことがはっきり思い出してくる。


 子供たちは彼女に内臓を与えられて食べはじめている。

 そうそう、私もこうだったんだよね。


 あの時は相当覚悟がいったんだよ、せめて目をつむって食べたかったなと思ったのかな確か。


 ひととおり食べ与えてから、彼女は内臓のなくなったワニモンスターを丸のみにし食べはじめた。


 「バリボリ、バリボリ」

 ワニのモンスターが砕ける音がする。


 やはりローパーの歯の力は力強いな。

 食べ終わったようだ。

 触手を出して子供たちを体に張り付かせた。


 …… …… ……


 こちらをずっと見ている。

 狩りは今日はこれでいいのではないのかな、判断に迷う。


 私はまだ何も食べていないのだけど、彼女はおなかがいっぱいだと思うので今日はこれで終わりで帰ることにしよう。


 いつもより早いが狩りはこれで十分だろう。

 私はまだなにもたべていないだけど。


 寝床部屋に帰ることにした。

 それが正解みたいだったようで後ろへついてくる。


 帰ってきてから私のいたいつもの定位置に座って子供を下ろしはじめた。

 下ろし終わってから、体からたくさんの触手を出し、子供たちを触っている。


 これも見た光景だね。


 ! あれ、私がいつもいる定位置、彼女のものになってしまったのかな。

 仕方ないので今回も諦めよう。


 最近彼女がらみで諦めることが多くなってきたな、とほほ。


 私は先に彼女と子供たちに石片を用意してあげる。 

 そのあとに昨日、襲ってきたインプを持ってきて、私の食事としましょう。


 さてまだ休むのには早いし、部屋の改装でもするかな。

 せめて部屋の入り口には柵のようなものを用意しておこう。


 子供たちが安全な対策をしないといけない。


 まぁ、しばらくはこんな生活パターンかな、子供が大きくなるまではこれが一番いいだろう。


 頑張らなくてはいけないな……

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