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第43話 機械的生物兵器……


 やってしまったよ、たぶんインプを進化させてしまったらしい。


 条件が整っていたのか、意味がわからないけど融合して進化したみたいだ。

 冒険者が持っていたアイテムが意味があったのかな?


 これはやばい、やばいとしか言いようがない。


 デーモンらしいモンスターの見た目は、体長3メートル、筋骨隆々で外皮がいかにも硬く黒光している。

 頭には牛のように曲がった角が長くあり、背中には小さい蝙蝠の羽がある。

 インプだったころの名残だろうか? 蝙蝠の羽など関係なく宙を浮いている。


 眼がルビーアイというか赤く光っており、胸には先ほどインプがしていた指輪と同じアイテムが青白く輝いている。


 小さな宝玉のように見える、胸の真ん中についている。

 間違いなくアイテムの指輪だろう。

 そこが弱点に思えるが、砕けばたおれるだろうか?


 男性タイプのようだが下半身には幸い息子らしいいちもつがついていないのでそれだけは良かった。

 裸でふるちんだったら見てるだけでつらいよ! 私も裸ではないか……


 とりあえず、感想はとてつもなく強そうだということは確かだ。


 雷属性の魔法は効かないと思えてきたんだがどうなんだろう。

 雷がスパークしていた中平然といた。


 この状態で戦うしかないのか、勝ち目が薄いがやるしかないようだ。

 私はデーモンに向かい臨戦態勢を整える。


 デーモンは走ってむかってきた。


 来たか、私は迎撃をする。

 私にむかってきたと思ったら、目の前から消えた。

 消えたと思ったら私の真横にいる。


 瞬間移動魔法テレポート、先ほど使ったやつだな。

 私はデーモンの裏拳で殴られ吹き飛ばされてしまう。


 「ううぅ、くそう」

 瞬間移動をうまくつかいやがる、進化したばかりで戦闘経験が乏しいのではないのか? 強すぎるよ。

 

 すぐ立ち上がろうとするが、力がはいらない。


 私を無視して、デーモンは結界の中にいる子供たちを狙ってきた。

 彼女と子供たちがいる結界を素手で殴りかかろうとしている。


 「ちょっとまて、狙いは私だろう。こちらへむかって来い」

 私は声を荒げかける。


 デーモンが彼女と子供たちのいる結界を殴りはじめた。


 「バキン」

 殴ったら大きな音が鳴りはじめた。


 結界は壊れていないがなんかやばい予感がする。


 「バキン、ガキン、バキン、ガキン、ガキン、バキン」

 デーモンが結界を殴る音が鳴り響く。


 …… …… ……


 「プシュッー」

 私の中のなにかが変わった音がした。


 私はスキルを唱える。

 

 「機械的生物兵器サイバーメタルハウンド

 私の体が魔法力に包まれ銀色の機械的な生体へと変わっていく。


 金属のような表面の外皮に変わっている。

 大きな触手の先が6枚の刃がついた形状になり、SF映画に出てくる近未来の戦争で使われる殺戮兵器のような風貌へ変わる。


 …… …… ……


 肉体をいくら鍛えても限界があるのではと思っていたことがあった。

 いかに身体能力が高いモンスターでも限度がある。


 次のステップで考えていたのは『念』で魔法力をまとわせて強化をおこなう事だ。

 すでに肉体強化は硬質化ハードチェンジで硬くはできる。


 それとは別の肉体強化の方法を模索していたのだ。


 確か『念』の扱いで考えると、私はすでに放出系で魔法力を飛ばせるし、強化系で硬質化ハードチェンジができる。

 その考えだったら『念』で言われる変化系の能力で魔法力の性質を変える形状変化ができないかと思っていたのだ。

 魔法力をまとわせて金属的な風貌へ形状変化させる。


 イメージ的には漫画脳が残っているので、すでに完成していた。

 だが、変化形の能力があるのかが私にはわからなかった。


 私はガゼルから聞いた、太古の神々が作った生物兵器、だから普通のモンスターと違って戦闘で特化した特殊能力があっても不思議ではないと思っている。


 ここのダンジョンにいるモンスターは強く特殊な能力を持っているのはわかっている。

 ただ知能が低く食べるのが優先で何も考えていないと言うのが実情なのだが……


 前世の人間での漫画脳の知識でいろいろ試してみればできるのではないかと思っていた。


 まさかこんなに早く、こんなところでできてしまうとは夢にも思わなかった。

 

 それだけ今回は危険度が高かったんだろう。


 どうやら先日死にかけたので新しい力が目覚めたらしいな。

 もしくは神の血を引くアレスを食べたから、神の血のおかげで目覚めたのかもしれない。


 すべて自分の都合の良い様に解釈したらできてしまったのだ。

 これも偶然のたまものだな。


 全身像は見えないが、前側に垂れて見えている大きな触手を見れば、私の思い描いていた近い形状になっているのだろう。


 近未来の都市を、制圧破壊できる殺戮兵器になっていると思っているのだ。

 映画で言うとコンピューターが暴走し人間に敵意を向けた機械ってかんじかな。


 残念ながら切られた触手はないので完璧な姿ではないけど、それでもイメージどおり都市を破壊できる兵器になっていると思っている。


 この姿だったらデーモンでも倒せるだろう。


 私はデーモンにむかい、機械じみた大きな刃の触手で殴りつける。


 「ギャシャン、ズガン」

 機械的な風貌に変わった6枚の刃をつけた触手は、デーモンを殴りつけた右側の肩をえぐり切り裂く。


 デーモンの右腕はあっさりと切り落とされた。

 デーモンは振り向き、こちらに向かってきた。

 

 「それでいいこちらへ来い」


 頭部の先端にある機械的風貌へ変化した細い触手をデーモンへむけ、10本ほど発射する。


 金属の槍と化した細い触手は、あっさりとデーモンの胸を貫きとおす。

 中央の胸に光っていた青白い光が消える。

 宝玉は砕け散ってしまう。


 機械的風貌へ変化した頭部の細い触手も威力がすさまじく上がっている。

 貫いた金属の槍の触手でデーモンを引きずり、彼女と子供たちがいる結界の張った逆の壁の方へ持っていった。

 そのまま金属の触手ごと壁にたたきつけた。


 たたきつけられたデーモンは起き上がろうとするが、その前に私は6枚刃状になった4本の触手で滅多打ちに打撃をあたえる。


 先ほど食べた赤黒い水晶球と青いクリスタルがあるはずだ。

 それが粉々に砕かれるまで私は打ちつける。


 「ギャシャン、ズガン、バキン、グシャリ、バキン、ズキン 、グシャリ、グリャリ、ギャシャン、ズガン、グシャリ 、グシャリ グリャリ、グシャリ、グリャリ、グシャリ、グシャリ、グシャリ」

 デーモンは原型も残らずミンチ状態のぐちゃぐちゃになってしまった。


 これでいい、これでいいはずだ。


 …… …… ……


 おっと、そうだ先ほど切り裂いた右腕があったな。

 まさかと思うが、何かの拍子で右腕から復活されては困るからな。


 ここは異世界、先ほどの件もあるから何がおこるかわからない。


 右腕は私が食べて粉々に砕いて、胃の中で溶かしてしまおう。

 これが一番安全でいいような気がする。


 私はデーモンの残された右腕を触手でつかんで口の中にほおりいれた。


 「グシャン、ガシャン、グシャン、ガシャン、グシャン、ガシャン」

 いつもと違って簡単に砕けてしまう。


 体内からも機械的な感じで強化されているみたいだ。

 とりあえず食べて処分してしまおう。


 …… …… ……


 私はとりあえず索敵をおこないほかのインプまたはおかしなモンスターがいないか確認をおこなう。


 どうやらいないみたいだな、よかった、これで一安心かな。


 私は『機械的生物兵器サイバーメタルハウンド』のスキルを解き変身を解除する。


 ふぅ、第一段階の変身はなんとか出来たか、オリジナルのスキルが出来て良かった。

 あとは次の手も考えなくてはいけないな。


  …… …… ……


 襲ってきたインプを殲滅せんめつできた。


 一応、床にすべての転がっているインプの頭を貫いて端に寄せておこう。


 死んだふりをしているのがいたら大変だ。

 それから彼女たちに張った結界もといてしまおう。


 部屋もひどく破壊してしまった。

 あちらこちらで陥没、亀裂、黒焦げその他、もろもろとひどい状態だ。

 一仕事しなくてはいけないな。


 生まれた子供を拝むのは、あと片付けをやってからにするとしよう……


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