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第40話 急襲……


 まあ、そういうことだな。

 モンスターからすればこんなチャンスはめったにないだろう。


 インプたちは、寝床部屋にしている通路前に集まって来ている。

 通路前で全員のインプが集まってから体制を整え一斉に仕掛ける気だ。

 大半のインプは宙を浮いて飛翔している。


 槍の武器まで持っているやつがいるとは、どこから手に入れたんだよ。


 部屋前に合計78匹か、ずいぶん集まったものだ。

 どこに隠れていたんだ、この階層にこれほどインプがいるとは思わなかった。

 上位インプが集めたのだろうな。


 通路前で何か指示らしきものを出しているインプも見かける。


 「まさかこんなに大勢で、お祝いに来てくれるとは思わなかった」

 皮肉な言い方だが、インプにはわからないはずだ。


 …… …… ……

 

 現状、私は彼女たちの前から動けない。

 この部屋の中で戦うしかない。


 私はあらゆることを想定して、この部屋に柱と岩壁を配置していた。

 冒険者が奇襲をかけることも前提として配置していたのだ。


 だが、現状は敵が多すぎる。

 正直ここまでの数は想定外だった。

 それにまさか自分の子供ができるなんてね。


 これでは部屋の配置とかそんなものは、関係がなくなってしまった。

 逆にこれだけ数が多いと、隠れられたら厄介になる。


 彼女たちが無事ならば部屋が壊れても別にいい、新しく改装すればいい。


 私は大きい触手1本残ればいいだろう。

 無理に打ち付けて自分が傷ついても、相手を殺せればいい。

 数は多いけど、上位インプでも私を狩ることはできないだろう。


 問題なのは彼女と子供たちか、目の届く範囲に居たほうが心配がないのでこの部屋に入れてしまうか。

 現状、彼女が動けないことが問題だ。

 ここは魔法でなんとかするしかない。


 神剣を強く握り、相棒の彼女を包み込むように、聖魔絶対魔法領域魔法ホーリーフィールドを唱え防御魔法領域を発生させる。

 神剣に魔法を付加させ効果を倍増させる。


 相棒の彼女を中心に、半円形のドーム状の青白い魔法陣が発生する。


 ドーム状の魔法陣には金色の象形文字のようなものが包むようにまわりだしている。


 聖魔絶対魔法領域魔法ホーリーフィールドは聖なる加護をやどした上位の防御魔法だ。

 悪意のあるものにたいし、物理攻撃、魔法攻撃、特殊攻撃を遮断する防御魔法結界を張る。


 アレスたち冒険者の女性神官が使った魔法と同じだ。

 アレスが切れてスーパー〇〇〇人になった時に仲間を守るためにに張った聖なる結界魔法陣。

 私の場合は神剣の魔法付加により見た目がかわりより強力になっている。


 このフィールドを作った本人以外魔法を解くことができない。

 中からも出入りができなくなる絶対的な防御フィールドである。

 魔法効果で、中からの攻撃、支援もできない。

 ただこの中が安全な領域ができているというわけだ。


 前に一度試しに使ったがその時は青い半円形の膜のみだった。

 冒険者の女性神官が使用した時も同じ魔法だった。


 神剣の魔法の付加により、金色の象形文字のようなものがドーム状のまわりにまわっているのだ。

 見た目がかわったが、魔法付加価値がつき魔法効果が上がっていれば問題がない。

 良いところはこの魔法は魔法を使った本人が解くまで永続的に続く。


 「要するに私が死ぬまでこの安全な領域がとけないというわけだ。

 インプ君、君たちはおわかりかな?」

 そう言ったとたん、一斉にインプの集団が部屋に入ってきた。


 7匹の上位インプが離れた壁際に立って、他のインプに支持を出し配置をしている。

 隙がない配置を置いていく。

 

 ずいぶんと距離をとったな、遠距離攻撃で仕留める気かよ。

 慎重で頭がいい、厄介な相手だ。


 上位インプの1匹が新たに指示を出し、手をあげている。

 前衛にいるインプ30体に魔法の兆候があらわれる。


 マジかよ、初手で半数の近くのインプから遠距離魔法攻撃だと!


 30体のインプの前に炎の塊が出現した。

 火炎球魔法ファイヤーボールの魔法を唱えている。


 指示している上位インプが手をあげて発射するタイミングをうかがっている。


 おいおい、それって人間がやる攻撃の合図と同じことをインプもするのか?


 上位インプは手を振り下ろした、同時に30センチの火炎球魔法ファイヤーボール聖魔絶対魔法領域魔法ホーリーフィールドの結界を張った彼女たちに向かう。


 やはり狙いは子供たちか!


 私は前に立ち塞がり、最上位物理魔法防御盾魔法デバインバリア(を展開し触手でできるだけ火炎球魔法ファイヤーボールを打ち落とすことに専念する。


 「ぐおぉぉ」

 この数はさすがにさばききれない。


 最上位物理魔法防御盾魔法デバインバリアを貫通してくるものもあるのでダメージを食らう。


 触手でさばき落とした火炎球魔法ファイヤーボールも、床面に落下するが火が消えず火柱をあげながら燃えあがっている。


 「ちいぃ」

 全部はさばききれない、くそう、何発かいってしまったか。


 火炎球魔法ファイヤーボールは彼女たちに張ってある結界にあたる。


 「シュイーン」

 聖魔絶対魔法領域魔法ホーリーフィールドに吸収されるように、火炎球魔法ファイヤーボールは消滅した。


 なんとか無事か、正直、聖魔絶対魔法領域魔法ホーリーフィールドが強力な結界なのはわかっているが、なにごとにも限度っていうものがあるから心配だった。


 神剣の魔法付加のおかげか、火炎球魔法ファイヤーボールくらいはまったく問題はなさそうだ。


 これで少しは安心できるか。


 そう思った瞬間に、三叉の黒い大きめな槍を持った上位インプが、17匹のインプを引き連れ突進してきた。


 こちらもやはり狙いは子供か! 視線が私の方を見ていない。


 私は上位範囲雷撃魔法ライトニングブレイクを唱える。

 前方に雷撃が拡散するようにイメージする。


 「上位範囲雷撃魔法ライトニングブレイク

 私の体から激しい雷撃の衝撃破が放たれた。


 「バシュンーン、バリバリバリバリバリバリ」

 突進してきたインプにあたる。


 「バシュ、バリ、バリ、バリ、バリ、バリバリ、バリ、バリ、バリ」

 「ドスン、ドガ、ボト、ドガ、ドスン、ボト、ドガ、ボト、ボト、ドガン」

 強力な雷撃の衝撃破をくらい、吹き飛ばされ床に落ちる。


 雷撃に当たり一瞬にして感電死した。


 それでも4匹ほど雷撃の衝撃破をかわし、彼女たちがいる結界にむかってくる。

 その中には上位インプもいる。


 私は頭上にある触手4本の先端を硬質化ハードチェンジし槍状にかえ発射する。

 彼女の方へ向かって行った4匹のインプに槍状の触手が襲い掛かる。

 

 「ヒュン」

 上位インプはなんなくかわした。

 

 「ドス、ドス、ドスン」

 3匹のインプは槍状の触手が当たり体を貫いた。


 しまった、発射する触手の数が少なかったか、敵の数が多くいるので必要な数しか撃たなかった。


 上位インプは彼女たちに襲いかかり結界を三又の槍で切り裂こうとする。


 「バシュン」

 上位インプが三又の槍を振りかざした瞬間に大きい音が鳴った。


 結界が切り裂かれたのか!


 上位インプが持っていた三又の槍の穂先がなくなっている。

 結界に当たって消滅したらしい。


 良かった結界のダメージはなしか、よし反撃にうつるぞ、これでも食らえ。

 大きい触手で打ちつける。


 穂先がなくなって呆然ぼうぜんとしている上位インプに大きい触手で打ちつける。


 「ドガン」

 上位インプはたたきつけられ、床面に這いつくばっている。


 強く打ち付けたと思ったが、これでも死なないか!

 私は他の大きい触手を剣先に変えて追撃で、上位インプを切り裂く。


 「ザキン」

 上位インプを切り裂き首を撥ねた。

 これで死んだか、手強いな。


 先ほど槍状の触手で体を貫いた3匹のインプを引き寄せて自身の口に放り込む。

 

 「バキ、グチャリ、グチャリ、バキバキ、グチャリ」

 触手ごと口に入れ3匹のインプを食べてしまう。


 上位インプ1匹と襲いかかってきたインプ16匹を倒した。

 倒したインプの数は多いがひるんだ様子はまったく見せていない。


 聖魔絶対魔法領域魔法ホーリーフィールドの能力が思った以上に高いので、こちらとしては心配せずに、反撃に移ることができそうだ。


 私は雷撃最上位魔法の雷龍ドラゴンライトニングを唱える。

 前方上空に雷でできた龍があらわれた。


 雷でできた10メートルはある細長い龍である。


 私はつい、「いけ、バオ〇・ザケル〇」と言ってしまった。

 子供のころに見た好きなアニメで、主人公が使っていた魔界の最強の魔法だ。


 どうしてもアニメの雷の龍のイメージが残っていて、魔法を使用したら似たような雷の龍が出てきてしまった。


 たぶん、問題はないだろう。


 雷の龍は、部屋の上部で飛翔しているインプたちに食らいつき、次つぎと感電死させる。

 食われたインプは黒焦げになって床に落下した。


 雷龍の攻撃で上位インプ2匹と部下であるインプ19匹を感電死させた。


 これで半分近く減ったか、それでもインプは逃げようとしない。


 残っているインプはすかさず遠距離から魔法を仕掛けてきた。


 魔法の槍? 見たことのない魔法だ。

 黒い形状の魔法の槍を投げつけてくる。


 これは闇属性の魔法の槍か、むかってくる方向は私だ。

 インプめ方針を変えたか、私を殺してから子供たちを襲うきだな。


 最上位物理魔法防御盾魔法デバインバリア(を貫通し私の体に当たり、ダメージを負ってしまう。


 「くうぅ」

 無数に闇の槍が私に降り注ぐ。


 「ちくしょう。

 「反射盾魔法リフレクションシールド

 私は反射盾魔法リフレクションシールドの魔法を自分自身にかける。


 これは魔法反射のシールドだ。

 効果時間は10秒と短い、それもシールドが魔法攻撃を受けるたびシールドが弱くなり消えてなくなる。

 連続の魔法攻撃では反射はするがすぐに消えてしまう。


 インプが放つ魔法の闇の槍を跳ね返す事に成功する。

 神剣の魔法付加により持続時間が長く続いたのですべての闇の槍を跳ね返すことができた。

 

 跳ね返っていった闇の槍は自身に当たりダメージを負っている。

 しかし、インプは闇攻撃の耐性が高いらしく、闇の槍でダメージを負うが、死んだインプはいないみたいだ。


 だが、この攻撃によってインプたちの行動に乱れが生じる。

 逃げようとするインプが出てきたのだ。


 インプの数匹が逃げ出した。

 すかさず上位インプがまわりこみ、逃げたインプたちを切り裂いて殺してしまった。


 さすが上位個体のインプだな、仲間でも逃亡するものは許さず殺しにかかったか、なかなか判断がいい。

 いや、駄目だな、今だったら逃げられたかもしれないのに、このチャンスを逃がすとはな……


 私は意味が不明な矛盾していることを言ってしまう。

 冷静さをかいているな、半ばパニック状態だ。


 もうやけくそだ。


 私は口に石片を詰め込み、狂戦士化バーサークのスキルを使い変化する。

 肌が黒く染まり一回りほど巨大化する。

 雷神の怒り(ライジン)を使い雷を全身にまとわらせる。


 大きい触手は硬質化ハードチェンジし先端を大剣状態に形を変える。


 まだまだ、だ。

 神剣を通して上位無属性状態異常打撃魔法バニッシュメントの魔法を唱える。


 前方の上空に飛翔しているインプに上位無属性状態異常打撃魔法バニッシュメント炸裂さくれつした。


 無属性の打撃魔法に加え、あらゆる状態異常をランダムで付加する魔法だ。

 毒、強毒、睡眠、麻痺、暗闇、混乱、氷結、誘惑、即死の状態異常がランダムでかかる。


 「バシュン」

 「ボト、ボト、ボト、ボト、ボト、ボト、ボト、ボト」

 上位無属性状態異常打撃魔法バニッシュメントの攻撃により状態異常にかかったインプたちは床に落ちひれふし、苦しそうにもがいている。


 これで情勢はこちらへ傾いただろう。

 インプたちは崩壊状態だ。


 ! 

 この状況で残っている上位インプは逃げるそぶりをしていないだと?


 私がこの状況だったら3分の1の兵力が減った時点で逃げる支持をだす。

 いやその前にやばいと思ったら撤退しているかもしれない。


 それでもインプたちは逃げだしていない。


 この状況で私を倒せる策を持っているというのか……

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