第33話 憤怒……
とりあえず、宇宙人みたいなモンスターは倒せたのか、これで一安心かな。
ふぅ、私は心の中で大きくため息をつく。
しかし、毎日、毎日、死にそうなことになっているとは、どういうことだ。
モンスターってこんなに大変な生き物なのか。
宇宙人モンスターのせいで、私の手と言っていい触手が焼き切られてしまったよ。
まったく理不尽だよ。
先ほどからの連戦で魔力が半分くらいになってしまった。
この近くにモンスターがいそうなんだけど頑張らないといけないな。
それじゃ、そろそろ動きはじめるかな。
私が動きはじめようと部屋の入口を見たら相棒の彼女が倒れていた。
え、なに!
どういうことだ、いつのまのか部屋の入口付近に冒険者らしいやつらがいる。
まったく気づかなかった。
5人、いや6人か……
…… …… ……
「おいおい、僕の作ったサタンドールが倒されてしまったよ」
煌びやかな服装をした若い魔術師のような男が言う。
「古代神が作ったと言われる魔法生物だ。そうたやすくは倒せまいて」
黒いローブを着た、初老の魔法使いが答えた。
「そうだけどね、僕はかてるかなーあーと思って見ていたんだよ」
「あのローパー、化け物のアレスが持っていた神剣を持っているわ。
でも形が変わっているかしら」
傭兵のような服装をした年配の女戦士が話す。
「そうだね、まさかと思うけどアレスたちパーティが全滅したみたいだね」
「あのあまちゃん連中だから油断したんでしょうね」
「まあね、あいつらバカだからね」
「それはそうと、予定どおり、あのローパーを生け捕りにしよう」
大剣を持った大柄な戦士が言う。
「そうだね、予定どおりあのローパーを生け捕りにしよう」
「こちらのローパーは処分していいんだよね」
「ああ構わないよ、魔核だけ取り出しておしまいだね」
「ズブリ」
年配の女戦士が相棒の彼女に剣を刺した。
「でも、これっていい斬り心地なのよね」
「おいおい、遊んでないで本命はあいつだ、いくぞ」
…… …… ……
相棒の彼女が倒れている。
冒険者がいたのか、それも先ほど倒したモンスターはあいつらが放ったものか。
…… …… ……
私はバカだ、バカだ、バカッだー……
何が修行だ、なにがアサシンプレイだ。
油断、慢心、そんなこと、今しているのではないか……
冒険者がいるかもしれないと思っていた。
上の階にいるかもしれないと、違うもうこの場所へいる。
索敵が通用しない敵などはざらにいる。
わかっていたじゃないか。
それを知っているのに何もできていない。
現実は相棒の彼女が目の前で、刺され倒れているのではないか。
くそぅ、くそぅ、くそう。
…… …… ……
「ブチッ、ブチッブチッ、ブチッブチッブチッ」
先ほどの宇宙人のモンスター戦で焼き切られた自分の触手を拾い、口の中入れる。
「グチャ、グチャ、グチャ、グチャ、グチャ」
「殺す」
瞬間移動魔法の魔法を唱える。
「シュン」
相棒の彼女の近くに姿を現す。
近くにいた年配の女戦士に神剣を使い切り裂く。
「ズルリ」
年配の女戦士は反応もできないまま、一瞬のうちに切り裂かれた。
体半身が切られずるりと落ちる。
私は切り裂いた年配の女戦士を触手で引き寄せ腹の口の中に入れた。
「バキボキ、グチャリ、バキボキ、グチャ、バキ、グチャリ、グチャリ」
近くにいた大柄の男戦士が気づき悲鳴を上げる。
「ヒイィ」
「うるさいな」
「重力弾魔法」
の魔法を唱える。
「ズシャーン、ズズズズーン」
大柄の男戦士へ、重力弾魔法の魔法が発動する。
大柄の男の戦士を中心に広範囲に床面が陥没して、原型がなくなっるほどペシャンコにつぶれてしまった。
私は神剣を強く握り魔力を注ぐ。
相棒の彼女を中心に上位範囲回復魔法をかける。
神剣に上位範囲回復魔法の効果が付加される。
神剣が緑色に輝き、淡い白い光に包まれる。
回復魔法の効果が上昇した。
相棒の彼女を中心に白い淡い光に包まれた。
相棒の彼女は回復して起き上がった。
良かった生きていたか、私は涙目になる感覚がおきる。
人間だった時の感覚が感じられるのだ。
私は「下がっていなさい」と優しく声をかける。
彼女は部屋の入口から出て通路奥へ下がっていった。
私は神剣を通して、魔法無効化領域魔法を唱える。
魔法無効化領域が部屋全体に展開される。
私は冒険者たちに向き合い。
日本語でこう話す。
「おまえたちは こ こ か ら は に げ ら れ な い」
…… …… ……
突然、魔物に近づかれ、2人の冒険者は一瞬のうちに殺された。
モンスターが人の言葉を話す?
目の前の冒険者たちは驚愕し困惑している。
私は残りの冒険者の一人の細身の戦士にむかい、大きい触手を打ちつける。
細身の男は一撃で倒れ、虫の息だ。
私は虫の息の細身の男を引き寄せ、腹の口の中に放り込む。
「バキボキ、グチャリ、バキボキ、グチャ、バキ、グチャリ、グチャリ」
「逃げるぞ、オリオン、撤退じゃ」
黒いローブを着た初老の魔法使いが叫ぶ。
「ああ、わかったよ、ギル爺い」
オリオンと言う若い男は、懐から小さな青い玉を出し、何かの呪文を唱えた。
しかし何もおこらない。
「バカな、なぜ転移魔法が発動しない」
オリオンという若い魔術師は慌てふためく。
黒いローブを着た初老の魔法使いが、私にむかい闇系の攻撃魔法を唱える。
「闇刃斬魔法」
しかし、何もおきない。
「なぜじゃ」
黒いローブを着た初老の魔法使いは叫ぶ。
私は魔法使いの老人に近づき、体から無数の触手を出し絡みつける。
「バカじゃねえの、魔法は先ほど無効かさせてもらった。
魔法使いなのに気づかないとは笑ってしまうよ」
無数の触手で体をしばり締め上げる。
「ぐぁ、ぐぎゃ、ぎゃあ」
締めあげながら、私のほうへ引き寄せそのまま腹の口の中に放り込む。
「バキボキ、グチャリ、バキボキ、グチャ、バキ、グチャリ、グチャリ」
オリオンという若い魔術師は魔法使いの老人が食われたのを見て腰をぬかす。
「ヒィィ」
腰を抜かしながら、四つん這いになって這いつくばりながら逃げようとしている。
「なんなんだ、なんなんだ、あれはただのモンスターじゃないのか。
助けて、助けてください、死にたくない、死にたくない」
小声で言っている。
私はオリオンという若い魔術師に近づき、体から出す触手を絡めつかせ、持ち上げる。
「いやー、助けて、死にたくない、死にたくない、助けて」
オリオンという若い魔術師は泣き叫ぶ。
「残念だがそれはかなわない願いだよ、ぼうや」
「ヒィィ」
私はそのまま、腹の口の中に放り込んだ。
「バキボキ、グチャリ、バキボキ、グチャ、バキ、グチャリ、グチャリ」
…… …… ……
一人だけ冒険者が残っているようだ。
戦闘をやる服装ではなく、いわゆるファンタジー世界の商人の服装をした男だ。
頭を抱え震えている。
私は声をかける。
「おい、おまえ、おまえたち何者だ」
男は頭に手お頭に置いて震えているだけで答えない。
私は神剣で男の右足首を切り裂く。
「ヒギャー」
男は悲鳴を上げる。
私はまた声をかける。
「おい、おまえ、聞こえているだろう。
おまえたちは何者だと言っているのだ」
「たすけて、たすけて」
男はこちらを見て言ってくる。
「俺は、何者だと聞いているんだ」
と怒鳴る。
商人風の男はわれにかえったように答える。
震えた声で話す。
「私は奈落のダンジョンを調査しに参加したものだ。
ネイビス大公国の国連軍に所属するものだ」
と……




