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第15話 奮戦……

 

 先制攻撃はしくじったが、とりあえず攻めよう。

 攻撃は最大の防御だ。


 「氷結魔法アイスゲイル」 

 この攻撃で駄目だったら位置を少しずつ変え通路を下がりながら大部屋に行く。それしかない。


 「シューン」

 私は冒険者の足元付近に氷結魔法アイスゲイルを唱えた。


 床一面を凍らせ動きを封じる。

 これで終わりではないのだよ。


 「上位範囲雷撃魔法ライトニングブレイク

 「シュバーン、バリッバリッバリッバリッシューン」

 上位範囲雷撃魔法ライトニングブレイクを唱え凍た床面に沿って雷撃の衝撃破をつたわらせる。


 雷の衝撃破と凍りの電動率がアップして威力は増しているはずだ。漫画で見たことがある。


 それに加え、大きい触手の先端をいま以上に膨らませ、槌状態に変化しハンマーのように殴りつけた。


 「オラオラオラ オラオラ オラ」

 なりふり構わず、ランダムで殴打する。

 私はモンスターだからこんなチートといえる攻撃は問題ないだろう。


 「つぶれてしまえ」

 「ドガン、ドシュン、ドガ、ドガ、ドガン、ドガン、ドカン」

 通路一帯に大きな打撃音が響き渡る。


 打撃の衝撃で床面が陥没し、ほこりが飛び散る。

 粉塵を舞い散らかせている。


 「ふん、やったか」

 ?


 「ヒュン」

 「スパン」

 「ぼとり」


 「え、痛っ」

 私の大きい触手の1本が切り落とされた。


 「風嵐魔法ウィンド・サイクロン

 魔法使いオーウェスが唱える風魔法で粉塵が飛ばされ、辺り一面が見渡されるようになる。


 あれれ、私の大きい触手が切られ落ちているぞ、なぜ? 

 冒険者たちはどうなった? 


 ダメージは負っているけど、それほどでもないらしい。


 うそーん、床面が完全に陥没してるよ。

 どういうトリックを使ったの? それに私の大きな触手をあっさり切り裂くとは何よ、何なのよこれは……


 そう思っていたら、後ろから「ドン」と爆発音が鳴り、体の表面が焼け焦げてしまった。


 アサシンのリーが小さな爆弾玉を、投げつけてきたのである。

 続けざまにクナイを投げつけてくる。


 「キン、キン、キン」

 3本のクナイは私の体に当たるが床面に落ちる。

 クナイは通用していない。


 くそぉー、私の大きな触手を切り裂いたのは、アレスというやつか、両手剣を私のほうに向けているな。


 刀身が青白く光っている。


 「大丈夫か、みんな」

 勇者アレスが声をかける。


 勇者アレスは一人、私の前に立ち剣をかまえている。


 「ああ、なんとかな」

 騎士クラインが返事を返す。


 「シールドの魔法がなければやられていたな、雷撃もすさまじく打撃が半端がなく重い、かなりの強敵だ」

 「ああ、今まで戦った中で一番の強敵かもしれないぞ」

 重戦士ガリウスも答える。


 「そうか、ティーナ回復はこまめに行え。

 MPマジックポイントは気にするな、ポーションを気にせず使っていいからな。

 オーウェス、シールドを重複してかけてくれ」

 「あいよ、わかったわ」

 オーウェスは答えた。


 おいおい、ちょとまってくださいよ。

 攻撃が重いとかそんなレベルではないでしょう。

 床面、床面をみて、陥没、陥没しているんだよ。


 どんなチート技を使ったんだよ。

 次元とか超えて避けなければあの攻撃はかわせないと思うんだけど。

 こちらとしては渾身の一撃を当てたと思ったんだが、だって床面が陥没してるんだよ。


 くそぅ、まずい、まずいぞ、あいつら、硬い、硬すぎる、硬いのはやばいんだ。

 硬いと言うかチート能力を使っていない?

 私がチートだと思っていたけど、はるかにそれを超えているよ。

 

 こ これは逃げに徹する方向に行くしかないな。

 大部屋に逃げて、あいつにこいつらをまかせて私は逃げてしまうんだ。

 それしか方法はない。


 それにしても、女盗賊がうっとおしい牽制けんせいをしてくるんだよ。

 ちょこまかちょこまかと動いて邪魔なんだよ。


 投げてくる爆弾のような玉も厄介だ、あの玉なんなんだろう?

 あれは魔法関係のアイテムかな?


 使い捨ての爆弾のようなアイテムとかがあるのだろうか。

 それにしてもあいつら、少しくらいのダメージをあたえてもすぐ回復してしまうんだ。


 こちらとしては即死攻撃を狙うしかないのか、神官を仕留めたいけどまわりの防御陣営が硬すぎる。


 そう私が思っていた時に、戦士ギドが右側面から胴体を切りつけてきた。


 「カキン」

 音を立て剣をはじき返す。


 「ウォ」

 剣士ギドは一端下がる。


 おぉ、油断した、良い攻撃を食らったがこちらは傷は一つもないな、危なかった。


 「……硬いな、当たった時に金属音がしたぞ、鋼の盾で防がれたみたいだ。

 俺の剣では傷一つもつけられそうもない。

 この剣はドワーフに頼んでこしらえたミスリルの一品なんだけどな」

 「そうなると俺たちの剣では通じそうにないか、攻撃はアレスの神剣だよりってことか」

 「ああ、俺たちはあくまで牽制けんせいに徹しよう」 

 剣士ギドと騎士クラインは話す。


 ……神剣なにそれ、そんなのあるの?

 狂戦士化バーサークの状態それに硬質化ハードチェンジもしている。

 それで私の大きな触手を切り裂くとは、アレスという剣士だけに気をつければいいのね。


 でも神剣て興味深いな、と思っていたら、私がいる地面あたりに赤い魔法陣のようなものが浮かび上がった。


 これはまずい。

 とっさに私は最上位物理魔法防御盾魔法デバイン・バリアを唱え防御力を上昇させる。


 最近、覚えた新しいシールド系の上位互換魔法、バリア系統の最上位魔法だ。


 それと同時に床面から天井に火柱が起きる。


 「上位範囲炎暴風魔法ファイヤーブラスト・テンペスト

 魔法使いオーウェスが唱える。


 「ゴゴゴゴゴゴゴッゴー、ボーーシューン」

 轟音とともに火柱が私をつつみ込む。


 私は生き残っているようだ。


 「こまったわね。

 あれでダメージをおえないとは、やはり魔法耐性が相当に高いわ。

 ねえ、アレス、最上級魔法を唱えるには条件を整えるのに時間がかかるのよ。

 それまで時間をかせげるかしら。

 最上級魔法だったらダメージを与えられるはず」

 「ああ、なんとかする」 

 魔法使いオーウェスと勇者アレスは話している。


 うわー、びっくりした。

 なんとか耐えられたが、外皮と触手が焼け焦げているよ。

 動かしてみると、それほどダメージはおっていなさそうだ。


 上位互換シールド、バリア系統を覚えて良かったと思う。


 それに、あの魔法使い最上級魔法だと、先ほどの魔法の上があるのか……

 これは魔法使いも、早めにつぶすしかないか。


 と言うか、みんなが強いんですけど、回復魔法ヒールを使おうかな。

 まだ早いか、現状でのダメージではまだ良いか。


 こちらの手のうちを少しでも見せたくはないし、回復魔法が即時に使えるとなると、やつらの対応も変わってしまう。


 なんとか少しずつ移動して大部屋にむかおう。

 そちらの方が優先だ。


 ダメージを負ったふりをして大部屋に誘いこむんだ……




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