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第124話 前守護者・・・


 馬鹿な、あのローパー、俺が守護者としてダンジョンを管理していた頃には、いなかったモンスターだ。


 ここ300年、ダンジョンには帰っていなかったがどうなっていやがる。


 先日、人間界で大暴れしたのもこいつだと言うのか。

 

 それに、翼人の野郎どもの気配も消えてしまっている。


 数日前、朝がた上空で眩い光を降りそそいだとか酒場のマスターがふざけたことを言っていたが、なにかしらこいつが仕掛けたのだろう。


 俺は酒場で朝から飲んでいたのでわからんが、その話を聞いてから翼人の気配が消えたのを感じたからな。


 これは管理者が光粒子分散攻撃(イレイサー) を使わせたのだろう。


 確か第5世代のローパーには対翼人用の光粒子分散攻撃(イレイサー) の魔法が使えるように搭載してあったはずだ。


 シュマゴラスが使えるがまさか奴が地上に来たとは思えん。


 管理者は今までは翼人を殲滅させるまで、敵対することはしなかったはずだ。


 どうなってやがるんだ。


 管理者は狂ってしまったのか?


 今までは管理者は、原住民達の環境整備と星の維持のみ徹していたはずだ。


 原住民や元いた生物が異世界人や外来生物の侵攻を抑える為に、先駆者が管理してきた環境を継続的におこなってきた。


 異世界人の攻撃によって死の大地とかした大陸の復興にも今だ継続している。


 そちらを優先して、自らは原住民の争いには関わってはこなかった。


 異世界人が関わってきた争いごとのみ、俺達が派遣されて対応していたくらいだったからな。


 目の前にいるローパーは、特殊個体だ。


 異世界人の臭獣人を相手にするには、最適な奴だ。


 ローパーにはサーチ能力が高く、一度見つけたら排除するまで追い続けられる。


 それに能力的に相性が良く、高く前大戦の時も多く食い殺している。


 臭獣人が動いたってわけなのか?


 そんな話は聞いてないぞ。


 そうでなければ、地上に出てくる事はないはずだ。


 10年前もそうだったが余計な事してくれやがったな、あの臭い獣人どもめ。


 おかげで俺が地上にいづらくなってしまったじゃねえか。


 でもなぜだ?


 管理者はこの特殊なローパーを作り、出してきたこと事態おかしいんだよ。


 俺の中にある古き先駆者が与えた記録には惑星戦略兵器の一つと一致している。


 記録には星に巣くう危険な生物や生体実験で失敗した危険な実験生物を、確実に仕留める為に生み出された対危険生物駆逐兵器とあるな。


 あらゆる生物に対して対応できる能力を学び習得できるようになっていくと記録にはある。


 しかもからだを人間タイプのサイボーグと同じように遠隔操作できるので自ら乗れると記録にはあるがどういうことだ?


 からだも軟体生物ように自在に変化でき、地中、海中どこでも動け狭い穴倉まで侵入できるよにからだを変化させられる。


 口から取り入れた細胞を電脳世界サイバースペース で解析し、どんな攻撃にでも対応できるように変化できると言う?


 記録にはあるが俺が知っている部分で理解できない事もあるのでわからんこともあるな。


 複数の数を送り込み危険生物を元からきれいに駆除すると記録はあるが、1体のみいるのか?


 それとも後から何体も出てくるのだったら、いくら俺でも手に負えないぞ。


 ローパーだよな、あのモンスターは?


 それとも惑星戦略兵器なのか?


 どちらとも考えられる存在だ。


 それも言葉がわかりそれなりに知識をもっているようだ。 


 ローパーがしゃべれるだと、アナスタシアではあるまいし。


 まさか、あいつの直々の細胞を使って作られた特殊個体なのか。


 ローパーのベースは知恵があった魔法生物アナスタシアだ。


 だがあいつを元に作られたローパーは知識があるモンスターは生まれなかった。


 あくまで一定の命令のみ利く地上の防衛用に配備されたモンスターだ。


 それに禁忌の魔法を俺にすぐさま使ったことでわかるが、かなり特殊な戦闘に特化している。


 あんな世界を破滅する禁忌の魔法も使えるのか?


 禁忌の魔法と知って使っているのか?


 そこまで知識がありそうに見えないのだが。


 何も考えず敵を殲滅させる為に魔法を使っているのならば、この世界が滅んでしまうぞ。


 管理者め、とんでもないモンスターを出してきやがった。


 厄介なことになったな。


 それに管理者は今までの方針を覆し異世界人を殲滅している。


 この星に巣くう外来生物の排除を始めたという事か、前から問題になっていたが先駆者のプロテクトで出来なかったのだが、外れてしまったのだろうか?


 それとも期限付きのプロテクトで時間が過ぎているのか?


 そう考えてもおかしくはないな。


 先駆者が一定の期間改善が見えなければ、全ての外来生物を駆除をおこうなう用に指示を出してあってもなにも不思議ではない。


 あまりにも異世界人は好き勝手にやりすぎているからな。


 我々がいなければ等に原住民など滅んでいただろう。


 それにダンジョンに入られ攻撃されたと言う噂は本当だったのか?


 人間共の戯言だと思っていたが、こいつがさっき冒険者が持っていた翼人が作った武器をぶん捕ったとか言っていたから本当の話なんだろう。


 もしかしてそこまで管理者は説破詰まってしまった状態なのか?


 ダンジョンを攻撃されたことによって防衛反応が過剰に働きすぎている?


 そのせいで地上の外来種を排除に動きはじめたのか、それか管理者が本当に狂ってしまったとしか思えない。


 本当にわからない事だらけだ。


 だが一つだけ言えることはある。


 俺は処分されるかも知れないな。


 役目を捨てこの地上に居続けてしまったのだからな。


 ・・・


 くそう、こんなところではまだ死ねないぜ。


 まだ、うまい酒が飲み足りねえんだ。


 あのローパー、力は俺よりは劣るが、ダンジョンからの魔力供給がきている。


 ほぼ無限に能力が使えるってことと考えていいだろう。


 それに加え俺にはダンジョンからの魔力供給は全くきていない。


 俺にとって武が悪いな。


 ここは、一端引いて雲隠れでもするか。


 しばらく管理者にトレースされていても逃げ続ければ問題はなかろう。


 となれば転移魔法だ。


 すぐさま移動するか。


 このアストリア大陸にはいられないな。


 そうなるとここから一番近い砂漠になった大陸、モハーヴェ大陸に移動するしかないか。


 翼人と黒翼人の戦闘のせいで一度は生物が住め亡くなった大陸だ。


 今は少しだが復興を続けているはず。


 あそこにはフラワーパークがあったはずだ。


 音信普通のフラワーパークの管理者とはまったく連絡がとれていないでいる。


 今だったら逃げ込むには最適な大陸だろう。


 なにせフラワーパークの管理者がいないって事もあるからな。


 そうなるとそこへ移動が決定だ。


 しかし俺は今、羽をやられ飛べないでいる。


 転移だけが頼りか、それもかなり遠くに移動はしてはならないなが魔力が足りるだろうか。


 この地上ではダンジョンと違って魔力が回復が遅い。


 先ほどの戦いで魔法とスキルを使ってしまったからな、今の魔力がある分んで逃げ切れるかが心配だな。


 ローパーは追跡能力が特化しているからな、なんとか奴の眼の届く範囲から逃げ切り、からだを回復させ羽まで再生させないといけないか。


 あのローパーの野郎、ここまで俺をやったのだから気にくわないが、一端撤退させてもらうぜ。


 逃げるが勝ちってやつだ。


 ・・・


 「ザン」


 なに、剣をシールドに突き刺しただと。


 「シューン」


 ちぃ、光回復障壁ライトエナジーシールド が解除されてしまったか、こんなこともできやがるのか。


 くそう、せっかく時間をかせごうと思っていたのに対応が早すぎる。


 翼まで再生できなかったのは痛いな。


 ・・・


 「シュン」

 

 おっと、あぶねえ、あぶねえ、奴め刃の付いた触手で殴りかかってきたな。


 なんとかかわせたが危ないところだったぜ、あの刃に当れば俺の鋼鉄以上の強度のある鱗さえ切り刻めるのは先ほどわかったからな。


 一度たりとも受けられねぇ、しかしこいつかなり速いな、それに戦い慣れしてやがる。


 隙を見て転移するしかないがうまくやるしかあるまい。


 今は牽制で近づかせない事だ。


 『イグニクション・ファイヤーブレス・オートリロード』


 前守護者のドラゴンは口からファイヤーブレスを履いた。


 火炎放射器のように長く広範囲に持続的に履き続ける。


 辺り一面木が焼け森林地帯が燃え広がってきた。


 口から炎を履いているが一端、炎の履くのはやめ口元にだけ少し炎のを履いている。


 ・・・


 ローパーの野郎うまくかわしやがったな。


 しかし距離も取れた、なんとか態勢を立て直したい。


 こちらとしてはカウンターを狙いたいな。


 やつが今度仕掛けたときに、反射攻撃で防御し攻撃を跳ね返す。


 そしてひるんだところ転移するとするか。


 それまでここは威嚇して時間を稼ぎ態勢を整えるとしよう。


 ・・・


 むぅ、やばいな回復をされてしまったぞ。


 それにお互い睨み合い膠着状態か。


 先ほどの私の攻撃で魔法無効領域デスペルフィールド を使っているので、ここら辺一帯は魔法は使えなくなっている。


 あくまで一般の魔法しか使えなくなっているだけだから、こちらにとっては不利かな。


 現に口から炎をはいてきやがったからな。


 口元に炎が見える、あれは魔法ではないのだろう。


 あきらかに近づいたらファイヤーブレスがきそうだな。


 でも、転移系魔法はこれで防げるので転移して逃げられることはないだろう。


 だが特殊系な魔法とスキルは使ってくるだろうな。


 どんな特殊な攻撃を持っているかわからず怖い。


 だが肉弾戦でもこちらで殴り勝てるのか?


 近づきたくともファイヤーブレスがあるので難しいか。


 前守護者のドラゴンの大きさは25メートルくらいある。


 現守護者のドラゴンは15メートルくらいだった。


 あきらかに大きくそれに強い。


 対格差は私に比べれば3倍近くある。


 ダメージ受ける覚悟で炎を受けながら、殴りきるのはかなりきついか。


 それに相手は臨戦態勢をしっかり整えてしまった。


 近づいたらどんな攻撃をするのかわからんな。


 いかにメタルハウンドで形態フォルム変えて強くなっているといっても殴り勝てる気がしない。


 あの口から出る炎が厄介だな。


 先ほど大雨が降っていて草木は濡れていたが直接炎があった木は一瞬にして消し炭になってしまったぞ。


 根元が燃え残ってくすぶっているなんて見た光景ないぞ。


 そこまで温度が高いのか、それって食らっただけでもやばくない。


 近づくこともできないとはかなりまずいことになってしまったな。


 しかし魔法無効領域デスペルフィールド は今は解除したくない。


 飛び道具の魔法は今は使えないが、転移系で逃げられるよりはいい。


 !


 飛び道具か、そうか使えるかも知れない。


 確か鬼人のアレッタさんが使っていた具現化能力だ。


 魔法力を物質化し武器に変える。


 神剣・神威を通してやれば、自分自身にかけられる魔法は使える。


 一か八かで出来るかやってみるか。


 武器を製作し触手で反動をつけ投げて戦う。


 そうなると武器は何をイメージっすればいい。


 幸い標的は大きい。


 命中が気になるが数を出せば当たるかも知れない。


 そうなるとどんな武器がいいだろうリング状の輪が付いた回転して切り刻む武器がいいかな?


 それともクナイ状の武器でもいいな。


 それだとドラゴンの鱗に阻まれダメージは負えない可能性があるか。


 そうなると少し大きめな槍がいいな。


 それも特別な形状の槍だ。


 先端が鋭くとがっていて、重なるよに何枚も刃がある返しのあるのがいいな。


 刺さったら抜けない釣り針みたいに返しがある刃だ。


 それも何枚もある刃がついた状態が理想的だな。


 このまま膠着状態でいても時間が過ぎ夕暮れに入ってくる。


 そうなると日が落ちるのはあっと言うまだ。


 夜になると状況が変わり戦いがどう変化するかもわからんからな。


 いかに私が望遠透視能力ルビーアイ で見えるからと言っても現状は変わってくるだろう。


 試しにできるかやってみるか。


 ・・・


 私は神剣・神威を通し大きい触手の先端に槍上の魔法力を発生させる。


 イメージはアレッタさんが見せた剣を、槍上に変えたものだ。

 

 まずはできるかどうかだ。


 確かアレッタさんがやったのはこんな感じだったかな。


 全身の魔法力を大きい触手に集め、魔法力を槍を形作るように成形する。


 硬く鋭いギザギザが重なる槍をイメージする。


 「紫炎形刃、炎よ刃となれ」


 私の大きい触手一本の先に魔法力を集中して集める。


 先端に鋭いカギ状の付いた刃の槍が成形される。


 おぉ、成功した。


 私の大きい触手の先端に作られた槍がくっついている。


 アレッタさんのをよく見ていたので、イメージがしやすかった。


 形状も私が考えたカギが付いた槍だったのだが色が青色の槍になっている。


 あれ、アレッタさんのは紫だったけど、私のは青か、まいいか。


 青色だから、今度は蒼いと言葉を変えて言ってみるか。


 確か沙也華さんが使っていた次女らしき人が蒼い炎とか言っていたからね。


 イメージをより上げる為、唱える言葉も合わせるようにしよう。


 でもよく考えたら私、魔法力の炎って出してないよな。


 まぁ、魔法力でもできたのだから問題はないのか。


 まぁ、できればなんでもいいか、そこは気にしないでおこう。


 それでは、今大きな触手の先端についているのでこれを思い切り振って投げてみるとしよう。


 あくまで試しだ、どこまで威力があるか見てみたい。


 私は思いっきり触手を振って槍を投げる。


 先端にくっついていた槍はうまく外れドラゴンに向かっていった。


 よしこれは良いぞ、当たる間違いない。


 コントロールが問題だったが成功のようだ。


 『反射障壁盾リフレクションウォール


 前守護者のドラゴンが魔法を唱えたのが聞こえた。


 なに!


 反射障壁盾リフレクションウォールだって言ったような気がするが。


 しかし魔法は発生せず、前守護者のドラゴンに槍は命中する。


「グギャー」


 前守護者のドラゴンに当り、槍はからだの中に貫通して入ってしまった。


 からだの中に入ったのか、よしOKだ、これはうまくいった。


 中に入ったのだら抜けることもなく、持続的にダメージが続くだろう。


 しかし先ほど前守護者のドラゴンは 反射障壁盾リフレクションウォール だって言ったぞ。


 反射攻撃の魔法だよね。


 それもウォールかシールドより厄介な壁状の盾など出てきたらたまらないものだったぞ。


 魔法無効化領域デスペルフィールド を使っていてよかったな。


 危ない、危ない。


 反射障壁盾リフレクションウォール 使われていたら私に跳ね返って逆にダメージを受けていたかも知れないな。


 魔法無効化領域デスペルフィールド の効果があって良かったよ、無かったら跳ね返って死んでたかも知れない。


 なんせドラゴンの鱗を容易く貫通したのだからな。


 自爆は勘弁して貰いたいところだよ。


 良しこれはうまくいった。


 こうなれば追加で作って攻撃だ。


 今度は8本ある私の大きい触手全部で作って投げつけよう。


 問題は当たるのかが心配だが、まとは大きいし、数を撃ってばなんとか当たるだろう。


 そうと決まれば追加で作って攻撃だ。


 ・・・


 「蒼い炎形刃、炎よ槍となれ」


 私は大きい触手全部の先端に鋭いカギ状の付いた刃の槍を作る。


 蒼い鋭い槍が形成される。


 よし投げ終えたらすぐ形成して投げ連続投槍状態だ。


 くらえ、連続投槍だ。


 「シュバン シュバン シュバン シュバン シュバン シュバン シュバン シュバン」


 蒼く鋭い槍がドラゴンに向かう。


 ・・・


 『ドラゴン・ノヴァ』


 「ドゴー」


 前守護者のドラゴンは口から直系20メートルの炎の塊を撃ってきた。


 私の投げた槍と交差する。


 私の投げた槍は前守護者のドラゴンに当り硬い竜の鱗を貫通する。


 私の目の前に巨大な飛球が通りすぎ直線んを引いた窪みが先が見えなくなるほど後に続いている。


 これってお互い遠距離からの撃ち合いか、威力は前守護者のドラゴンの方が上だ、しかしダメージをおっているせいかやつの命中率も悪くなっているのかな?


 だが一発当たったら灰となってお陀仏だな。


 しかし私は奴のダメージが高いとみる。


 ここは私で手数を出し攻めてしまおう。


 あれだけダメージがあるのだ集中力がなく炎の球をはいても当たらんだろう。


 こちらは数で押し切るか、ドラゴンの一発の飛球で反撃にあうか運試しで戦うしかない。


 どのみち最初からスペックが違うのだ、これが私にとって限界の攻撃だろう。

 

 「蒼い炎形刃、炎よ槍となれ」


 投げ終えた後にすぐ槍を形成する。

 

 次だ、くらえ、連続投槍じゃ・・・


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