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第118話 仲介・・・


 「アレッタさん、いえアレッタ女王陛下でしたかな」

 「即位、おめでとうございます」


 「みつぐ殿、有難うございます。

 沙也華様を救って下さって、私がこのような立場になるなど恐れおおい事です。

 ですがこのような立場になったのは沙也華様の意向です。

 私はその意向に従い、この鬼人の国を救ってくれた沙也華様の為にも精いっぱい尽力したいと思います」


 「それでいいと思います。

 私はこれでこの鬼の国をたとうと思います」


 「私では何も恩は返すことはできません。

 ですがいつか必ず何かの形で報いたいと思います」


 「気にしないでいいですよ。

 同郷の者がお世話になっていたのですから」


 「みつぐ殿、やはり沙也華様とはなにかご関係があったのですか?」


 「少しだけ縁があっただけですよ」


 「アレッタさんと同じようにね。

 おっと失礼、アレッタ女王閣下でしたね」


 「みつぐ殿、アレッタでいいです。

 私は沙也華様より仮に譲り受けただけです。

 それに神の使いであらせるみつぐ殿とでは立場的に私などおよびません」


 「そんなことはありませんよ。

 私はしゃべれる変わったモンスターだけなのかも知れませんからね」


 「みつぐ殿、冗談はよして下さい。

 私は見て知っていいますから、神の使いなのは間違いございません」


 「そうですか。

 アレッタさんはそういうところ厳しいですね。

 でもアレッタさんらしくていいですね。

 鬼の国の事、頑張って統治して下さい。

 それではそろそろここをたちたいと思いますね」


 「有り難うございました。

 いつでもこの鬼人の国へ来てください、歓迎いたします」


 「それではアレッタさん、お元気で、

 さてとそれではオルガさん行きますとしますか。

 帰り道の案内お願いしますよ」


 「はい、わかりました。

 お任せください」


 ・・・


 (カンザス国領、ノザック村)


 カンザス国の領のノザック村、ここは唯一、人間界と獣人達が交流が持たれる村である。


 大森林に隣接する区域にノザック村はおかれている。


 ノザック村は人間達と獣人達の両方の意向で設立された村で、村という形の取引所である。


 人間界と隣接する大森林の西南の地域に獣人界最強の一族と言われる駁猫族が統治している集落がある。


 人間達との取引については、駁猫一族を通しておこなわれている。


 ここでの取引内容はあくまで、物々交換でおこなわれており、滅多にお金でのやり取りはおこなわれたりはしない。


 獣人達が大森林で狩りをして得た獲物や果物、木の実、薬草など持ちより、駁猫族の監視の下で取引されている。


 中には弱い獣人達がいるので人間に騙されたり危害をくわらされたりする可能性もあるので、駁一族達が商品を受け取り仲介と言う形でほしい物と交換する仕組みになっている。


 ある程度の日曜雑貨品は駁猫族の村でも販売しているので、駁猫族の村で交換取引をすると言うのが習わしになっている。


 そこで取引されたものがノザック村に集まり、駁猫一族の者が必要な物を交換し獣人達へ物資をまわしているのだ。


 この付近には駁猫族の監視が行き届いているので魔獣達の出没も少ない。


 駁猫族によって常に駆除されているのだ。


 そのせいもあってカンザス国は比較的安全な国として農業大国として発展した。


 獣人達が魔獣の侵入を守っていてくれるので、魔獣の被害が極端に少ない。


 人間達もそれを知っており、その分獣人達で必要な物資を安価で取引してくれているのである。


 いわば暗黙上の持ちつ持たれつ関係になっている。


 獣人側の取引要求は食料ではなく、生活必需品の物が多い。


 この世界では食べ物に関しては豊富に存在している。


 食べ物などが育てやすい環境や仕組みになっているのだ。


 太古の神々がどんなやせた土地でも育つ野菜や果物与え、一年中一定の量を実る木の実とかを施してくれたという。


 大森林の中は豊富な食べ物にあふれているのでよほどではない限り獣人達は飢えたりはしない。


 ただその分、危険な魔獣、モンスターが多いので生きていくには厳しい環境になっている。


 この世界では神がいると信じられている。

 

 神の種類は様々なものが多く聞かれている。


 アストリア大陸の西南の地域では神々の嗚咽と呼ばれる、奈落のダンジョンに住んでいる神様がいると言われている。


 だが決して神様は表には姿を現さない、見たものはいないのだ。


 でも見守っていてくれていると信じている。


 森林火災や大きな災害などあった場合、知らぬ間に神様がきて直してくれるという神の力が働いている事がある。


 そう言い伝えられている西南の区域に、神々の嗚咽と言われる奈落のダンジョンからの1匹の神の使いの魔物が現れたので、混乱がおきている。 


 今、ノザック村のとある家屋の一室で、駁猫族の使者と人間側の使者が会談している最中だ。


 獣人側の使者、駁猫族一族の交渉役はギンジの腹違いの兄である。

 

 名前はサンジ、年齢44歳、腕っぷしも強く獣人達の中で多くの仲介役をこなし信頼の高いことで知られる獣人だ。


 人間側の使者、カンザス国の交渉役はエルヴァンス男爵が受け持っている。


 エルヴァンス男爵、年齢42歳、このノザック村をまかされている領主だ。


 気さくで獣人達にも理解のある良い領主で通っている。


 駁猫の獣人のサンジと古くからの見知った仲で、定期的に物資の取引の事で会っている。


 今回の件については、奈落のダンジョンから来たと言う、神の使いの話だ。


 いつもとまったく違う事柄なのでお互いどう対応していいか難しく悩んでいる。


 獣人側は先日の魔王軍侵攻に対して西南地域に住むの獣人総出で対応し事を治めている。


 前魔王大戦の勃発を危惧し、獣人界最強といわれる斑猫族は動いたのだが、もっとも黒猫族の村が皆殺しに会ったことで、南西区域に住む全獣人部族に反感をかい、やもえなく魔王軍に従っていた獣人を覗く、全ての獣人達が立ち上がったのだ。

 

 戦乱の結果は、奈落のダンジョンから来た魔物の参戦により、早い段階で決着して、被害もさほど出なかったので獣人達は安堵している。


 なによりもの戦乱が長引て、人間界に飛び移り波及したならば、前回の魔王大戦と同じように世界が混乱に陥るので、そんなこと誰も望んではいなかった。


 奈落のダンジョンから来た、魔物の参戦によって収束に向かったのは獣人にとっては喜ばしい事だったのである。


 ・・・


 人間界の意向に関しては西南地域のカンザス国のだけだったらよかったのだが、ネイビス連合国いや人間界全体の問題として発展してしまった。


 奈落のダンジョンからの使者の会談によっては人類存続の影響があると言われるほど重要な事で、絶対に成功させなくてはいけないと神経質になっている。


 300年前のドラゴンが地上に舞い降りた時の再来だと言われているのだ。


 先日おこった事件、フリューゲル紅宝国またはイカロス魔導法国の事がある。


 たった1匹の魔物になすすべもなく敗退したのだ。


 それも戦略や戦術といったものなど、なんの意味の持たない圧倒的な力により敗退したのだ。


 フリューゲル紅宝国は数万の軍勢をもって対応したのだが1匹の魔物に侵入を許し、戦いをいどんだが手傷も負わせられなく、その魔物は何かを言ってただ去って行ったと言う。


 イカロス魔導法国は領主の不明な消滅、そのあと大規模な戦略をしかけ対峙したが地形そのもの変えられて戦術も機能しなかった。


 地形そのものを、変えられては人の身ではどうにもならない事なのである。


 あの場にいた者はまさに神と戦っているようなものだったと口々に言う。 


 その神頼りであった、イカロス魔導法国は崇拝する光翼神の神託は途絶え神との交信は音信不通になっている。


 聖光翼教会がまったく機能していない。


 人類の頼み綱だった神は死んだと言われ、危機感を募らせている。


 そんな中の会談だった。


 「エルヴァンス男爵、この件についてどう進めたら良いのでしょうか?」


 「私も対応に悩んでいるのですよサンジ殿。

 いきなり上の者に奈落のダンジョンから来た神の使いである使者と会談の日時場所を指定して決めてほしいと言われて何をしていいのかわかりませんよ」


 「同感です。

 私達、獣人達は先日の魔王軍を名乗る狼一族の襲撃が有りまして、争いごとをしていたところです。

 奈落のダンジョンからの神の使いである方が来て、戦争を治めて下さったそうです。

 駁猫族の族長である弟はいたく感服してしまい。

 奈落のダンジョンからの神の使いである方をえらく崇拝しております。

 それで奈落のダンジョンに派遣した冒険者の件について、派遣したネイビス大公国にお取次ぎをしてもらいたいと頼まれてしまった次第ですから。

 奈落のダンジョンからの神の使いである方はたいそうお怒りになっているそうです。

 確かに私達の縄張りであった黒猫族が襲われ、魔王軍との戦闘になりました。

 しかし奈落のダンジョンから神の使いが出てくると言うのは、ちょっと話が違っているのではないかと思い、確かに戦争は数日で終わりましたのはわかるのですがどうなんでしょうかね?

 それに争いの終結の原因はあの大きな雷の龍が地上に落ちてすべての者が戦意を喪失して終わりを迎えたと聞いたのですが」


 「私も見ましたよ、あの凄まじく大きな雷の龍をね。

 その雷の龍を呼んだ神の使いとやらが、フリューゲル軍、イカロス軍に進軍し、1匹で両軍とも打ち破ったと言う話ではないですか。

 イカロス軍については領主を含め5000人以上の兵が雷の龍によって消えたと言いわれています。

 その前に出した神の裁きで、地系さえ変わったと言う話ではないですか。

 御伽話の怪物がこの地上に出て来てしまったと思っていますよ。

 人間界では300年前のドラゴンの襲来と言ってもいい騒ぎがおきています。

 その神の使いと言う怪物と会談をしたいので、日時と場所を決めろと言われても困ったものですよ」


 「同感です。

 弟はどうやら、会って話をしているみたいですが、かなり恐れているようですね。

 あの弟が恐れるなんて信じられません。

 私でも不手際なんてできませんよ。

 まだ私は神の使いと言う者に、あった事ないのですから良くわからないのですよ」


 「私も同じです。

 とりあえず仲介役の私達で、その神の使いと言う魔物に会えませんかね。

 私達で先に会って話したほうがいいと思いますがサンジ殿どうでしょうか?」


 「そうですね。

 そのほうがいいでしょう。

 元黒猫族の村に集まっているみたいなのでそちらにむかいましょうか?」


 「そういえば黒猫族の方々不運に見舞われたようですね。

 残念に思います。

 ご冥福お祈いたします」


 「ご痛み、有難う御座います。

 私達で葬儀と埋葬は済ませました。

 あんなことが次に起きないように、私達で力を尽くしましょう」


 「同感です。

 私達で先に会うという事で、準備を進めますので宜しいですね」


 「そのように計らいましょう」


 「確か黒猫村までは人間界を経由いていけば、6時間ほど歩いてかかりますよね」


 「確かにそのくらいの時間はようしますね」


 「黒猫族の村はカンザス国とオルネニア武游国の国境をまたいだ先にありますのでオルネリア・ゾニス上級伯爵一報入れなくてはなりませんね」


 「大森林を通って迂回すればいいのですが、それだと10時間はかかり時間がかかる分魔獣に会う確率もあがります。

 危険も伴うでしょう」


 「それならばオルネリア・ゾニス上級伯爵に話して領内を通れることにしておいた方が安全だと思いますね」


 「駁猫族に使いの者をよこして、返事があり次第行きましょうか」


 「その分の準備だけは先に致しておきますね」


 「そうですね。

 そういたしましょう」


 ・・・


 ふぅ、黒猫族の村にたどりついたか。


 雨の中、走ってきたがこちらは降っていないのだな。


 泥まみれになって気持ち悪いんですけど、こういう時こそ水系の魔法を使ってからだを洗い流そうかな。


 あれ? 


 それになんか村についたら、妙に人が多い気がするけどどうしたんだろう。


 とりあえず駁猫の族長ギンジさんに会いにいこうかな。


 ネイビス大公の国と話し合いをしたいと思っていたけれど、よく考えていたらいまいち話すことなどないんだよね。


 しいて言えば奈落のダンジョンへ来た冒険者の事で文句言いたかっただけだから、まとりあえず愚痴と奈落のダンジョンへの関与しない事、獣人界と人間界の住み分けをきちんと行う事お約束してもらえればいいかな。


 どちらかと言うと、獣人界と人間界の住み分けをきちんとやって争いごと無くしてもらえればよいだろう。


 それをメインにして話をすれば良いかも知れないな。


 それと問題はシュマちゃんから頼まれた前守護者のドラゴン、シューティング・ゲイトについての情報か。


 どこのいるのやらわからないがこれも人間達に聞いてみようかな。


 少しでも情報が欲しいな。


 獣人達に聞いてもわからないみたいだったから、情報がないようだったら、そのままダンジョンに帰ろう。


 それで私の仕事は終了だ。


 とりあえずからだを水魔法で洗ってギンジさんのところにむかおうかな。


 汚れていると失礼だよね。


 前は気にしていなかったけど、地上に出たりすると気になるようになるみたいだね。


 人間だった時の名残かな、少しでもよく見せたいとはね。


 でも凶悪な姿はかえられないから、そこが問題なんだけどね。


 変身魔法ほしいな。


 人間の姿でこの世界を見てまわりたい。


 すでに護衛でついて来た獣人達はどこか行ってしまったけど、本当にアレッタさんの護衛だけだったのね。


 私には帰り道の案内だけで、そのあとすぐに去ってしまったのはちょっと悲しく思えたね。


 まぁ、別にいいか、それではギンジさんの所へむかおうとしようかな。


 ・・・


 「族長、ただいま戻りました」


 「そうかご苦労だったなオルガ、どうやら鬼人の国の件は無事解決したようだな」


 「はい、みつぐ様によって解決なされました。

 それとアレッタ様が次期国王として王位につきました事をお知らせします。

 これで西の地域に住む我々は安泰ですね。

 東から来る魔獣に恐れなくてもよくなりますから」


 「確かにそうだが」


 「どうしたのですか族長」


 「私は人間の諜報員と思って、尋問の時にアレッタ様を殴ってしまったからな。

 まさか鬼人の方だったとつゆ知らず、どうしたらいいと思ってな。

 アレッタ様が力を隠されていて、知らなかったのだよ。

 人間と完全に見間違えていたのだからな」


 「それは致し方がないと思われます。

 それに今回の件でみつぐ様もおられます。

 ご気になさならなくても良いのではないでしょうか」


 「そうか、そうかな。

 即位した祝意の一報と、わび状を入れておこう」


 「そうですが、わび状は大丈夫だと思います。

 みつぐ様もいますので気にしないと思いますが、そんなもの入れたら逆に失礼にあたりますよ。

 ここは祝意のみにしておいて良いのではないでしょうか」


 「そうだな、そうするとしよう。

 鬼人の国では何かあったのか?」


 「はい、魔王の1柱、ツインデットリー・パイソンと戦闘になりました」


 「何!

 あの知恵のある強毒操る魔物と言われる、魔王の1柱にか」


 「はい、みつぐ様の凄まじい力で撃退しました。

 かなり恐ろしい敵でした。

 10メートル以上の巨大な蛇の魔獣で人間を取り込んだ姿が異様でした。

 私達は後ろで見ていただけで、怖くて動けずなにもできませんでした。

 みつぐ様が未知なる力で消滅させた模様です」


 「未知なる力か。

 私が見た力とは、ほんの一部でしかなかったのだな。

 恐ろしいお方だな、我々は絶対に敵対してはいけないお方だ」


 「はい、私もそう思います。

 しかし敵対する行動しなければ何もしてこないと思います。

 太古から言われるよに何もしなければ何もしてこない、あの言い伝えどうりの話に間違い御座いません」


 「そうだな、私もそう思う」


 「そういえば、みつぐ様は、人間達との交渉の件お気になされておりました。

 その辺の進み具合はどうなされましたか?」


 「うむ、今のところ兄貴に頼んである。

 近々連絡が入ると思うのだが。

 人間達も混乱がおきているらしいからな。

 とりあえず待っている最中だ」


 「族長、今しがたサンジ様の使者が来ました」


 「そうか、ちょうど良かった話を聞こうではないか、通してくれ」


 「わかりました」


 「族長、お久しぶりです」


 「挨拶は良い」


 「頼んでいた兄貴の要件を先に聞かせてくれ」


 「わかりました。

 サンジ様とノザック村の領主エルヴァンス男爵が話し合った結果先に使者として神の使いにお会いしたいそうです。

 サンジ様も立ち合いの中エルヴァンス様の仲介として日時を決めカンザス領内で会談をもうけたいと言っておられました。

 人間側の会談に立ち会われる方はフリューゲル・ローレリア上級伯爵、カンザス・メイファン上級伯爵、オルネリア・ゾニス上級伯爵の3名になります。

 フリューゲル・ローレリア上級伯爵がネイビス大公の代役としと参加する模様です」


 「ドガン」

 ギンジは机を叩く。


 「馬鹿な、ネイビス大公が参加するのではないのか、

 それでは神に使いのみつぐ様に失礼極まりないぞ。

 それにそれぞれ西南方面に地域に関係する方ばかりではないか。

 みつぐ様の事を軽視なされているのではないか。

 どういうことだ貴様」


 「いえ、3人の伯爵様もあくまで先に仲介役として参加されるみたいです。

 隣接国だからこそ先に表明したと思われます。

 カンザス・メイファン様に関してはこちらに今すぐでも赴き命と引きかえに詫びたいと申し上げております。

 すでに退位する方針を決め準備を進めている事をノザック村で私が聞いております」


 「そうか、あの婆さんには世話になっている。

 ここは折り合うしかないか。

 良いだろう。

 まずは兄貴とエルヴァンス殿を先に合わせようではないか。

 ちょうどみつぐ様もここへおられる。

 日時を決めよう。

 正しそれなりの覚悟をしてまいられよと伝えてくれ」

 

 「オルガお前も使者として迎えに同行してくれ」


 「了解、いたしました」


 「みつぐ様には私から直接伝えよう。

 それでは、頼んだぞ」


 ・・・


 前黒猫族の村長宅に移動していたら、オルガさんに会った。


 ギンジさんがいるか聞いてみたら、今しがた話をしたいところで案内して下さるという事なのでついて行った。


 何かの用事があるみたいだったけど一人ではなんか声かけずらいので案内してもらった。


 できれば秘書のような人がいてくれればと思ってしまったよ。


 さすがにそんなわがままなことは言えないだろう。


 とりあえず外に警備の人が立っているので話せばギンジさんに会えるみたいだけど、なんかこのモンスターの姿だとやはり不便で仕方ないな。


 あとちょっとしたお願いがあるので話してみよう。


 テントの中に入る。


 オルガさんは急いで去って行った。


 なんか悪い事をしてしまったな。


 ・・・


 「みつぐ様、お待ち申していました。

 今しがた人間界側の接触が有り、仲介の者が一端こちらに来ると言う話がありました。

 近日中に手配しますので、しばらくこの村へご滞在下さい」


 「それじゃ、しばらくご厄介になりますね。

 それで一つお願いがあるんですけど」


 「なんで御座いましょうか」


 「村はずれのどこかの、テントを借りたいんですよ。

 雨期の時期はいったと聞いたので、雨露がしのげる程度でいいのですから、どこか開いているテントがあったら用意してもらいたいんですよね」


 「なるほど、わかりました。

 至急テントを作らせたいと思います」


 「あっ、開いているテントでいいですよ。

 入口だけ作ってもらえればいいので、もしなんだったら自分で入口は作るので、少しだけ大きなテントの家を用意してもらいたいんですよね」


 「わかりました。

 それでしたら、今すぐ用意させますのでしばらくここでお待ちください」

 

 「それじゃここで用意できるまでいさせてもらいますかな」


 「どうぞ、ゆっくり休んでいて下さい」


 「私は少し用事があるので席を外したいと思いますね。

 では失礼」


 うむ? 

 ギンジさんが出て言ったら中にいた人も全員出て行ってしまったよ。


 8人ほどいたんだけど、やはり私は避けられているのかな?


 モンスターだから仕方ないのかな。


 それなのに無理いって人間界と交渉の手伝いしてもらっているんだから悪い気がする。


 人間達と話合いをして、おりあいがついたらダンジョンへ帰ろう。


 やはり地上では住めないなと実感が出てくる・・・

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