表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
114/160

第114話 沙也華・・・


 玉座には一人の少女が座っている。


 こ、これは!


 細い、痩せすぎている。


 私の見た感じでは、身長160センチも満たない小さな少女だ。


 上着にベージュ色のブレザーを着用し、赤と濃い緑のと白が入った3色のチェック柄の長いスカートを膝下まで身に着けており、黒のハイソックスに黒い革靴を履き、優等生のようなまじめな感じが服装から感じられる。


 顔はやせこけ頬骨がでってぱってしまっていて、かさびた深いしわが入っている。


 髪の毛は長かったのだろうか?


 髪の色が灰色になり、ところどころぬけはじめているのだ。


 ゾンビ映画とかに出てきてもおかしくない姿だ。


 ひどい、有様だ、見ていて痛々しく感じる。


 これは本当に一思いに楽にしてやった方がいいのではないかと思ってきた。


 それ以前に話せるのだろうか?


 それほどに窶れてしまっている。


 「よく戻りました。

 アレッタさん、私の命令を成し遂げてくれたのですか?」


 済んだ声で話してきた。


 きれいな声だ。


 声を出していると言うよりも、魔法で声を発生させているような感じがする。


 「沙也華様そんなことより、そのお姿はどうしたのですか?」


 「アレッタ、そんな事ってどういう事かしら。

 私が課した重要な任務よ。

 私の姿なんてどうでもいいでしょう。

 それより私が出した命令の答えを聞かせてほしいわ」


 「はい、お答えします。

 鬼人の国へ来た沙也華様の同郷の者4人の方々は見つかりませんでした」


 「それは残念ね」


 「魔王グラトニー・パイロンを倒した冒険者パーティには接触できたのですが、ネイビス大公国からの命令により、奈落のダンジョンへの調査任務が有るという事で来て下さる事はできませんでした。

 更に申し上げますと奈落のダンジョンで冒険者パーティ全員が命を落としたらしいのです」


 「そう、そうですか。

 それは残念ですね」


 「最後の命令ですが・・・沙也華様を殺せるものは見つかりました」


 「そうなの?

 それは本当に良かったです。

 あなたの事を信じて待っていてよかったです。

 それで、そのお方はどこにいられるのですか?」


 「そ、それは今ここにおります」


 「え、ここにいるのですか?

 もしかして後ろに控えている5人の獣人達ですか?

 残念ですがこの私の姿でも、その方達では私を殺せるとは思わないのですがどういうことでしょうか?」


 獣人達に向け沙也華は殺気を放つ、獣人達は後ろに飛び下がり、毛並みを逆立てている。


 「アレッタさん、これはどういう事かしら、そんな者いないではないですか」


 「いえ、後ろに控えています。

 みつぐ殿、姿を現してくださいませんか。

 そして沙也華様の願いを叶えていただきたいです」


・・・


 私はかなり迷っている。


 姿を現していいのだろうか、表せばこの痛々しい少女と戦闘になるのは必然だ。


 私は彼女を殺せるだろうか、同郷の者だ、痛々しい姿だが、今だったら私の魔法で回復もできるだろう。


 彼女と話をしてみたい。

 

 死んだような眼をしているこの少女と。


 死は救いの一手だと言うが私にそんなことできるのだろうか?


 声を聞くとはっきり答えられている。

 

 姿は痛々しい姿なのだがなぜか躊躇してしまうのだ。


 どうしたらいいのだろう。


 ・・・


 「誰もいないではありませんか?」


 「みつぐ殿、お願いします。

 姿を、姿を現してください」


 アレッタさんの私を呼ぶ悲痛な叫びが聞こえる。


 これは姿を現すしかないのか。


 「アレッタさん残念です。

 私は、あなたを信じていましたのに」


 沙也華は立ち上がりアレッタに向かい合った。


 迂灘られているアレッタの肩をポンと叩き、横を通りすぎようと移動した瞬間に私は目の前に姿を現した。


 「ま、魔物、どうしてこんなところに」


 沙也華は私を見た瞬間に後ろに飛び下がり臨戦態勢へ移行する。


 「アレッタさんこれはどういうことですか?

 説明してください」


 「みつぐ殿、姿を現してくださいましたか。

 有難うございます。

 なんと感謝を言って良いか」


 涙を流しながら私に礼を言ってくる。


 「沙也華様あなたを殺すことのできる神の使い、みつぐ殿です。

 あなたの命により連れてまいりました」


 城内は凄然となる。


 未知なる魔物が城内に入り込んでいるのだ。


 すぐさま衛兵が駆けつけてくる。


 「静まれ、アレッタさんこの魔物が私を殺してくれる魔物ですか?

 こんなことってないでしょうね。

 私はこの鬼の国を守るために死力を尽くし魔物を討伐してきました。

 それが私を殺してくれる者が魔物ですとわね」


 沙也華はアレッタに対し鋭い殺気を放つ、怒りの形相で顔が崩れてしまっている。


 「沙也華様、魔物では御座いません。

 神の使いである、みつぐ殿です。

 この世界を混乱をおとしめる、獣神、光翼神、神の名を語る偽物を討伐してきた偉大なお方です。


 ・・・


 「ウフフ ウハハは、この化け物が神の使いだって。

 私にとっての死神がこんな凶悪な姿をしているなんてね。

 面白い、面白いわ。

 そう、そうなのね、そんな感じなのね。

 私を殺してくれる者って言うのは、

 でもいいわ、私を殺せるか試させてもらうわ。

 シンシア刀を作って頂戴」


 「はい 了解しました。

 蒼炎形刃、炎よ刃となれ」


 シンシアという側近の一人が蒼い日本刀のような形どった刀を成形し沙也華に渡した。


 「沙也華様 こちらをどうぞ」


 「有難うシンシア、あなたは下がっていてくださいな」


 沙也華は剣を構え私に向かってきた。


 「硬質化、デバインバリア」


 私は防御魔法をかける。


 「ガキン」


 沙也華の剣は私をとらえたが、からだにあたった瞬間剣が砕け散った。


 少しだけ私のからだに傷がついた。

 

 さすがだな、あんな衰弱した姿をしていてもアレッタさんよりも数倍力がある。


 でも、今の剣を受けたことでわかったことがあった。


 おそらく彼女完全な状態でも、私が少しだけ本気になれば傷一つつけられはしないだろう。


 いかに力が有りスピードが速くてもだ。


 沙也華は一端下がり態勢を立て直す。


 「さすがにアレッタが私を殺すためにつれてきた化け物ね。

 私の剣をたやすく砕くとはね。

 シンシアお願い次は大太刀を」


 「はい了解しました。

  蒼炎形刃、炎よ刃となれ」


 シンシアは大太刀を成形し沙也華に渡す。


 身の丈2メートルはある大太刀だ。


 先ほどと同じように私に切り込んで来た。


 私は大きい触手で受け流すことにする。


 「ガキン ガキン ガキン ガキン ガキン」


 沙也華の鋭い斬打ちが私に向かうが一向にダメージを与えられない。


 やはりそうだ剣撃は素人だ。


 刃が平らにむかってこない。


 ただ力で切りつけているだけなのだ、これでは私がよけなくても多少傷つく程度で切り裂くことは到底できないのだ。


 いまはさばいて刀を払うだけで十分だ。


 ダメージ等はまったく受けていない。


 「悲しいな、剣技は素人か、ただ力いっぱい振り回しているだけとはね」


 私はつい声に出して言ってしまった。


 「驚いたわ、まさか魔物がしゃべるだなんて、思わなかったわ」


 「そうですか、言っておくが私の方が君より年長者だ。

 いかに頭がそれほど良くなくても、16歳のJKよりは知識を持っている。

 年長者を馬鹿にしてはいけませんよ、お嬢さん」


 「JKですって、なんでそんな言葉知っているのですか?」


 「答えを教えてもいいですよ。

 その剣をおいて下されればの話ですがね」


 「それはできないわ。

 あなたを倒して力ずくでも聞かせて見せるわ」


 「おやおや、勝気なお嬢さんだ。

 でもその姿でしたら私には相手もできんでしょう。

 超回復魔法グレーターヒール


 私は神剣に超回復魔法を付与させ沙也華さんに超回復魔法グレーターヒール をかける。


 沙也華さんは超回復魔法グレーターヒール の効果により元のかわいらしい女子高生の姿に戻る。


 髪の色だけは灰色のままで変わらなかったが、やせ細った体型と顔つきは精気のあふれた姿に戻っている。


 「これはいったい、なんの真似ですか。

 私を回復するなんて、哀れな姿だった私に塩を送ると言う事ですか」


 「別にそういう事ではないですよ。

 あなたの本来の姿を見て見たかっただけです。

 とてもかわいらしい姿ですね。

 アイドルでもそんなきれいな娘はいないのではないのでしょうか。

 私的に、このみのタイプですよ」


 沙也華さんは頬をぷくうっと膨らませて私の方うへ向かってきた。


 子供なんだなと思ってしまった。


 でも先ほどよりスピードがかなり速い、これって私やばくないか?

 

 「私を回復した事後悔しなさい、いきますよ」


 「はいはい、どうぞ どうぞ」


 余裕を見せた態度で話すが内心焦った状態だ。


 ここでやられてしまったら赤っ恥だ。


 「ガキン ガキン バキン」


 私が沙也華の剣を払いのける。


 剣技はやはり無いが力とスピードが圧倒的に増しており、回復させたのがまずかったかなと思っている。


 ある程度倒し終わってから回復したほうが良かったと後悔しているのだ。


 私は反撃に移り大きな触手で打ち付ける。


 あくまで牽制だ本気で打ち付けるつもりはない。


 沙也華はとっさにジャンプして私の攻撃をかわす。


 すごい跳躍力だな、8メートルくらい高く飛び跳ねたよでもね。


 「うん うん いいものを見せてもらいました白ですか。

 JKのパンチラを直に見ることができるとは、これは目の抱擁になりますね。

 満足満足」


 沙也華はスカートを隠す。


 「この変態、迷惑防止条例で訴えてやるんだから」


 「別にいいのですがこの異世界ではそんな法律有りませんよ。

 日本ではないのですからね」


 「そんなこと、この国は私が女王よ。

 法律を今すぐ作るわ、作ったら刑務所行きなんだからね」


 「そんなことはあり得ませんよ。

 パンチラを見ただけで刑務所いきとはとは罪が重すぎですよ。

 せいぜい厳重注意と罰金程度で済むでしょうね。

 略式起訴で終わりですよ。

 まぁ、前科はついてしまうかもしれませんがね」


 「どうしてそんなことを知っているの?」


 「私もいろいろありましてね。

 立場的にあなたに似ているっていう感じと言っておきます。

 そう睨むのはやめてくれませんか。

 可愛い顔が台無しですよ」


 そう私が言ったら彼女は力が抜けたように座り、泣き出してしまった。


 「場所を変えて話しませんか、私で良かったら相談にはのりますよ。

 アレッタさん、彼女に水と食事を、あっ、それと私もお腹が減ったので同じものをいただけませんかね。

 久しぶりに調理した料理をを食べてみたいですからね。

 おいしい物を頼みますよ」


 そう言って私は後ろに下がる・・・


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ