第102話 魚人・・・
現在、イカロス魔導法国に移動している最中だ。
スキルを駆使して移動しているのだが、当初あとから付いて来ると言っていたアレッタさんの事を早めにまいて私を見失うように仕向けたのだがいまだについて来ている。
速度も結構あると思う。時速40キロ近いスピードでかけぬけている。
それも透明化能力 を使い気配も極限に消している。
すでに頭には日真上に昇っているので、移動した時間から考えれば4時間くらいは走り続けていると思うのだが、平然とついてきているのだ。
それもおかしな話、護衛についている獣人達の方が息を荒くしているのだ。
アレッタさんてなに者なんだ?
私の事を察知できていて、疲れた様子も見せずに平然とついて来きている。
本当に人間では無いのかも知れない。
謎の多い女性だな。
今現在は人間界のカンザス国の入る国境と森林地帯を基準にして私の望遠透視能力 で見える最大の範囲20キロを維持した距離をとって、森林地帯と人間界の国境を回るよにイカロス魔導法国に向かっている。
人間界の境から森林地帯の約20キロ圏内だったら、それほど強い魔獣などはいない。
獣人達もその奥に住んでいるらしいので進むのにいいルートだ。
だが確かに人間達の冒険者が巡回しているのか、数人ほどみかけた。
ここら辺区域は入り込んでいるらしいな。
モンスター討伐かそれとも何かの薬草やアイテム集めかわからないが、活動しているのが確認できる。
魔獣なども見かけるが、私が対象にたいして一瞬だけ殺気を放ちだすと逃げていく。
4足歩行の犬型の魔獣が多くみられるな。
腹が減ったら途中で捕まえて食べてしまおう。
そうすれば休まずにできるだけ多くの距離を進める。
それに予定では2、3日くらいかかると思っていたのだが、1日中走り続けていればイカロス魔導法国へついてしまうのではないかと思っている。
今のところ進むのに悪路も無くいたって順調に向かっているのだ。
・・・・
ふぅ、この先20キロ先にか、大きなくぼんだ溝のある川らしきものが見える。
水が少ししか流れていない。
ここが昨日言っていた、魚人達が住む縄張りに入るのだろう、気を付けていかなくてはいけないな。
正直、魚人さんとあってみたい気もするのだが、きれいな女性の人魚さんにあえるのを期待してみるかな。
・・・
川沿いに近づいてきたら、モンスターらしきものが見えてきた。
私は突然立ち止まり呆然とする。
え、えぇぇー、
なんじゃありゃ、あれが魚人かな?
モンスターだよね、どうみてもモンスターだよ。
私は愕然とする。
確かに魚人だ、いや間違いない、でもモンスターではないのかな?
だって魚の胴体に人間の手足が生えて、2足歩行で歩いているんだもん。
たぶん魚人だよね。
それも手足が異様に発達していて、特に足が太く鍛えられたアスリートの感じがしている。
裏切られた。
あれってモンスターではないのかな、でも魚人だよね。
いやー、どう見ても魚人だよ、人魚ではないのね。
人魚ではない、魚人なのね。
あまりにも見た目が思っていたのと予想が違っていたので、がっかり感が増してしまった。
1.5メールくらいの青い魚のからだに、人間の鍛えられた足と長い手がついているのだ。
ここから5キロ先の川辺にいるのだが、
私が立ち止まってしまっていたら、アレッタさん駁猫族の人達が追い付いてきて私の近くに止まった。
私は今透明化能力 状態なのだが、彼らは私の事的確にわかるみたいだね。
アレッタさんもそうだが護衛についている駁猫族の人たちもかなり能力が高い。
私は一端透明化能力 状態を解き姿を現す。
そして駁猫族の人達に話をかける。
「ここから5キロほど離れたところに川がありますよね。
話していた湖から流れる川でしょうかね」
一人の駁猫族の少女が返事をする。
「はい、その通りです。
ここから先は魚人達が縄張りを張っているので、気をつけて下さい」
あぁぁ、やはり水辺にいたあのモンスターが魚人なのね、完全に裏切られた。
私は絶叫しそうになった。
あれは、あれはないよ。
まだリザードマンに近い見た目の魚人だったらなんとなくわかるのだがあれはないでしょう。
念の為どんな姿をしているのか聞いてみるか。
「魚人ていうのはもしかして1.5メールくらいの青い魚に、人間の鍛えられた足と長い手がついている生物かな?」
「はい、その通りです。
よくご存じで、会った事あるのですか」
「いやー、初めて見ましたよ。
私はスキルを使えば20キロ先まで見えるのですが、川が5キロ先に見えていて、その近くに1匹ほど魚人らしきモンスターが見えたのですよ」
「そうなのですか、さすがみつぐ様です。
私達はそのようなことできないので感服いたします」
「別に大したことではありませんよ。
そういう生物ですのでお気に慣さらずに」
・・・
あまりにもがっかり感があったのだが、話しかけてきたの獣人の少女をみ見てあまりにもかわいいのでそっちの方で癒されてしまった。
うん、やはり獣人の猫族の女性ってかわいいよな。
黒と黄色の駁色に毛並みが出ているので特にかわいいんだよね。
耳をピクピクしているし、人間の顔つきで、勝気な顔をしているところがなおいいかな。
見ているだけでも癒されてしまうよ。
あ違った、この駁猫の獣人達、たぶん虎の獣人だったかな。
まぁ、どちらも同じようか、かわいいから何でもいいだろう。
・・・
「アレッタさん、川沿いまで来たのだけど、あとイカロス魔導法国までどのくらいの距離がありますか」
「半分手前の距離を来たところです」
「なるほどここまで6時間くらいだから、
今のペースで行けば朝までには余裕でつくことが出来そうですね。
それより気になることがあって、アレッタさんまったく疲れたようには見えませんけど。
あなたはなに者なんですか?
人間とはとても思えないんですけどね」
「その件についてはイカロス魔導法国の件が終わりましたらお話します」
「なるほどわかりました。
あなたがどうやら人間では無い事は今の話で推測できますね。
おっとこれ以上は詮索するのはよしておきましょう。
ミステリアスな女性が気になってしまってね。
失礼な事を言ってすいませんでしたね」
「・・・」
「それでは、川を渡りたいと思いますがどうしますかな。
魚人とはトラブル避けたいので私は透明化能力 で行きますがあなた方は大丈夫ですかな?」
「もちろん大丈夫です。
お気になさらずに、みつぐ様は先にお進みください」
「それじゃ近づきますね。
魚人がいない範囲を迂回しますのでついて来て下さい」
・・・
私は少しだけ大森林の奥にはいり魚人がいない川沿いに向かった。
川についたがかなり大きな川らしく、川の段差の高低差もありかなり深いな、川幅も500メートルくらいあるのではないかな。
それなのに水が中央付近に少しだけ流れているだけだ。
雨がここ1カ月近く降っていないせいか、かなり少ない量だな。
この川幅から推測されるのに相当の量の水嵩が本来はあるのだろう。
確かにこれでは、歩いて渡れそうだな。
斜面をおり川底の降り立った。
少し歩き川辺の水に入ろうとした時に、何かがかなり素早い速さで近づいて来るのを感じた。
これは魚人か、かなりのスピードで走ってくる。
魚人の群れらしきものが15匹ほど、こちらに向かってくる。
私にではない。
後方のアレッタさんと護衛の駁猫族達のところへか、これはいかんな。
私は引き返しアレッタさんのところへ向かった。
アレッタさん達は魚人達に囲まれてしまっていた。
戦闘にはなっていないが、魚人達は機嫌が悪く今にでも襲い掛かってきそうな勢いだ。
ひと際大きい魚人が声をかけてきた。
体長は他の魚人より2倍以上ある魚人だ。
からだに女性のサンバの衣装のような装飾品を纏わせている。
左手には大きな棍棒を持っているひときはからだの大きい魚人だ。
「なんじゃわれ、ここはわしらの縄張りと知ってて入って来たのか、殺すぞお前達」
と言っている。
こりゃまずいな、私は姿を現し、大きな魚人の後ろに立つ。
そして少しだけ大きな魚人に向け殺気を放つ。
「おっと、失礼その人達は私の連れだ。
なんか物騒な事を言っているけど、なんなら私が相手になるぞ」
そう言ったとたんに他の魚人達も気づいて、私を見るなり「ギャー」と言って逃げ出し、いっせいに散らばりはじめた。
大きな魚人は振り向き、私を見ただけで泡を吹いて失神し倒れてしまった。
な、失礼なちょっと威嚇しただけではないか。
先ほどヤクザまがいのタンカきったのに、こいつなんなんだよまったく失礼な奴だな。
でも他から見れば私の姿を見るだけでこんな風になるのね。
私って他の生物から見れば相当怖い見た目しているのだな、再認識をする。
うむ、失神している魚人を見てみると旨そうに思えてくるんだよね。
食べてしまおうかな。
いや今は自重しよう。
他にアレッタさんと駁猫族の獣人達もいる。
食べている姿を見たら余計怖いと思ってしまうだろう。
私って難儀な姿をしているのね。
・・・
「大丈夫だったか君たち」
私は声をかけた。
「大丈夫です。
みつぐ様、助けていただき有難うございます」
先ほど話しかけてきた駁猫族の少女が返事をした。
「さて、この失神している魚人どうしようか」
「魚人ておいしいのですよね」
「え、そうなの君達は魚人を食べてしまうのかな?」
「はい、私達は滅多に食べませんが、内陸に紛れ込んで来た魚人を捕まえ食べてしまう事がありますよ。
でもこんなに大きい魚人を見たのは始めてです」
「なるほど、それでは食べてしまっても問題ないのね。
それじゃ捕まえて食料にしてしまったとしても問題ないのかな」
「はい、大丈夫だと思います。
でもここは魚人の縄張りですからさすがにまずいかと思います。
みつぐ様でしたらここにいても問題はないと思いますが、私達には少々危険です」
「そうでしたね。
それでは止めを刺して、凍らせてアイテムボックスに入れてしまいましょう。
川沿いを抜けたら一端休憩を挟みましょう。
半分近く来ていると言うので、少しくらいの休憩をとっても問題はないはずです」
私は帯剣している神剣を触手を出し抜きだす。
望遠透視能力 で急所を見極め神剣で切り裂き止めを刺す。
止めを刺した魚人を氷漬けにして、空間を開きアイテムボックスの中に収容してしまう。
その様子を見ていた駁猫族達は驚いている。
空間に黒い穴が開いて吸い込まれたのをみて驚愕しているようだ。
「それでは先に行きましょう。
ある程度進んだらどこか休めそうなところを探して休憩にいたしましょう。
その時先ほどの捕まえた魚人を食べて見ましょう」
そう言ったら駁猫族達の獣人達は目を輝かせて、口からよだれをたらしはじめた。
やはり猫科の獣人なのかな、見た目だけで人間にかなり近いと思ったけど、魚を見て目の色が変わったからそういうところは猫に近いのね。
いまいち獣人のことが良くわからないな。
人間に近いのは確かだけど進化途中って感じなのかな。
もう少し文明が発達した世界になれば人間と変わらなくなると思うんだけどね。
そこがまだ進みきれてないのかな、でもかわいい連中だからまぁいいか。
それでは川を渡ってから少し進んで、休める場所を探してみよう・・・




