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第0章 0-3 : 通信 1

話が全く進まない。。

【通信用水晶】の使用許可が降りたアイラは直ぐに水晶が置いてある部屋へと移動を開始する。


【通信用水晶】が置いてある部屋は王宮の地下に位置し、重厚な扉に施された魔法陣に関連付けされた王、七賢者を始めとする一部の者しか開けられないようになっている。


魔法陣に魔力を流し扉を開けるアイラ、中に入ると直径10cm程の水晶がぽつんと部屋の中心に設置されていた。

水晶に向かい回路に特殊な魔力を流す。


ぼんやりと輝き出した水晶へと向かって話す。


「あー、あー、此方アイラ 聞こえておるかの?」


「はいはーい!此方【創作】のセナでーす!聞こえ

てるよアイラちゃん!」


水晶から返ってきた返事は20代前半であろうかと思われる陽気な声。 その声の主は"【創作】の賢者セナ"である。

何を隠そうこの【通信用水晶】もセナの作った物である。

セナはダンジョンや遺跡より古来より発掘されていた魔道具の仕組を解き明かし古代魔道具(アーティファクト)には及ばないものの、量産化を可能にした実績を持つ【創作の賢者】の名に相応しい人物なのである。


「セナよ、久しぶりじゃの。 連絡させて貰ったのは他でもない、やっと時空術の人類実験段階まで来たのじゃ、こんなに大きな実験は久しぶりじゃからな、七賢者の(みな)に手伝って欲しいのじゃ。」


アイラはそう説明する。


「おぉー!やっと出来たんだ!私は問題無いよ、他の皆には伝わってるの?」


「いや、連絡してる最中じゃ。 お主からの連絡が一番早かったでな、と言っている間に他の者から連絡が来たようじゃ」


「そうなんだ!それで実験って言うのはいつやるの?私達[亜人族]は元々小さな氏族の集まりだし、戦後処理も各々でって感じだから何時でも構わないよ!」


「おぉ、それは有難い。 そうじゃのう、一週間後の夕刻でどうじゃ? 他の者にもそのように連絡しておこう」


「りょうかーい!それじゃまた一週間後に!またねー」


「それでは一週間後に、じゃ」


そう言って通信を切る。 そしてそのまま返信のあった通信に対応する。


「こんにちはアイラさん。 何か問題でも起こりましたか?」


まるで鈴が鳴ったかのような澄んだ声、そしてアイラはその声の主に返答する。


「久しぶりじゃ、アリアス。 問題では無いんじゃが手伝って欲しい事があるのじゃ。」


アリアス、それが通信先の声の持ち主でもあり、

その優しさと天使のような容姿から人族の中では神の使いともされている【聖の賢者】アリアス その人物なのである。

現在は大神殿で巫女として活動しており、神からの神託を受けられる唯一の存在でもあるのだ。


「あらあら、手伝って欲しい事と言うのはこの間お話されていた時空術に関する事でしょうか?」


アイラとアリアスは王都に住んでおり、賢者の塔で暮らすアイラと大神殿で暮らすアリアスは良く王宮で顔を合わせる。 つい一週間程前にも王宮で顔を合わせており、その時に少し話した時空術に関する話を覚えていたようである。


「そうじゃそうじゃ、お主とは先日話をしておったのう。 その時空術が人類実験段階まで来たので立ち会って貰おうと思って連絡させて貰ったのじゃ。」


そんな話もしていたなと思い出したアイラは事情を説明し、話を続ける。


「ふふ、もう完成間近だと仰っておられましたものね。 何時頃伺えばよろしいのでしょうか?」


「さっきセナとも話をしたんじゃが一週間後の夕刻にやろうと思っておる。」


「私の方は問題ないですね、それではまた一週間後にお会いしましょう。」


「忙しいのにすまんかったのう。それではよろしく頼むのじゃ」


アイラがそう言うと通信が切れる、彼女も巫女という立場上忙しいのであろう。

悪い事をしたなと思いつつ他の者からの通信を待つのだった。




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