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デモンズ・ゲート  作者: 梅
第1章
6/50

エリート


 広間の扉を開けると、20~30人くらいだろうか? 先ほどの実技試験に参加していた人たちが集まっていた。


 ぽつりぽつりと人が集まってくる中、少しすると厳格そうな軍の人が入って来る。


 「揃ったか! では今から、お前達の所属する部隊を発表する!」


 アレンは緊張していた。

 これからの人生と言うか、将来みたいなものがここで大体決まってしまうからだ。


 名前が呼ばれ、厳格な軍人の前に立つと配属先が発表され、各々の上司の前へと並び直す。


 「っ以上! ホーストン配備22名!」


 思わぬ言葉が飛び出す。俺やマナ、アンジ等の名前は呼ばれていない。まさか……「不合格」この文字が頭によぎった。



 「続いて、キャスタル王国研究部、ケイム・ホグナー大尉より発表頂く」


 王国? 研究部に入れられるのか?

 いや、それよりケイムの奴「大尉」になっていたのか。色々な思いが頭を駆け巡る。



 「えー、紹介に預かりましたケイム・ホグナーです。私に名前が呼ばれた方は、王国の部隊に配備となります」


 珍しくも改まった口調で、ケイムが次々と名前を呼んでいく。



 アレン・ライオネット

 マナ・ナックドール

 アンジ・グレバー

 ダートン・グレイス

 ナオ・フォースタ

 キャンディ・ディ・ディンベル

 ユウ・フィッシャー

 ジャオシンジャ・インスウ

 グリーヴァ・バラーチ



 「以上9名は明日、私と共にキャスタルへと向かう。本日中に準備をしておくように」


 遠くに居たアンジが雄叫びを上げている。それもそうだ、王国配備とはエリートコースの事だ。


 マナが袖を引っ張っているのに気が付く。ケイムの所へ行こうと言っているみたいなので、前の方へと移動する。



 「ケイムゥゥゥ!」


 満面の笑みでケイムに駆け寄り、抱きつこうとしているアンジ。それを見たケイムがビー玉の様な物を投げたと思うと、閃光が放たれる。


 アンジは抱きつく事なく転けた。


 「私は男と抱き合う趣味はないんだよ」



 気が付くと、ケイムに名前を呼ばれた者が集まって来ている。


 「おいおい、ホグナー。王国に行って何処に配備されるんだよ? まさか研究部じゃないよな!」


 真っ先に口を開いたのは、ナオ・フォースタ。

 女だがほとんど男みたいな性格で気性も荒い。一言で言ってしまうと不良だ。


 「詳しい事は王国に着いてから、発表する事になっている。明日の朝には出発する予定だから、今は準備に専念したまえ」


 そう言うと、他の軍の人達と奥の部屋へと消えて言った。




 家に戻って来たアレン。王国へ行く準備と言われても、今までホーストンから出た事のないアレンには、何をどれくらい持って行けばいいから分からなかった。


 服を出してきて見たが、それを入れる鞄が無いことに気付いた。


 「こう言う事は、マナに聞いてみるか」


 自分で考えるのを諦め、マナの家へと向かった。

 町の中心部は瓦礫の撤去がほぼ終わっており、景観はすっきりして来ていた。


 あの謎のモンスター達と、光る人間は何だったのだろう? この疑問も明日王国に入り、正式に配属されれば情報を知ることも出来るだろう。

 そう考えている内に、マナの家へと着いた。


 家の戸を叩く。


 「マナ~。居る?」


  戸が開くと出てきたのは、マナのお母さんだった。


 「あら、アレン君。久し振りね」


  アレンは会釈をする。そう言われて見れば、あのモンスターの事件以来会ってなかったのを思い出した。


 「マナはね、学校に杖を取りに行くって言ってちょっと前に出て行っちゃったの。走れば追いつけるかもしれないわね」


 杖? そうか洋服なんかより、大事な物を忘れて行く所だったと気づく。


 「おばさん、ありがと。僕も学校に用事があるから追いかけてみるよ」


 アレンはお礼を言って、学校に向かおうとすると、後ろから手を握られる。震えている気がした。


 「マナに聞いたけど、アレン君も王国に行くのよね? マナの事、よろしく頼むわね。あの子は気が強い様で、弱い所もあるから」


 そうか、娘がこんな田舎から都会に出て行くのだ。母親としては不安に決まっている。


 「おばさん、マナの事は任せて下さい。今までお世話になった分、今度は僕がおばさんのお願いを叶える番ですから」


 手を握り直し、アレンは笑顔で応える。


 「アレン君も体に気を付けてね」


 アレンはもう一度お礼をすると、学校へ向かい走り出した。



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