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デモンズ・ゲート  作者: 梅
第3章
40/50

異国の戦士


 ここ数ヶ月の戦いから離れた生活で、腕が鈍ってしまった事を除いたとしても、この男は強い。

 アレンは膝を着いたままで居るのが精一杯だった。


 男が槍を突き刺す構えを取った時、矢が2本襲いかかった。男は予期せぬ矢に驚いたが、すぐさま構えを解き回避する。

 しかし2本の内の1本が、足の太もも辺りに突き刺さった。


 「くっ、この矢は先程の女の物か?」

 男が周辺の様子を伺っていると、更に民家の後方から矢が飛んで来る。

 槍で叩き落とすと、矢の飛んで来た方向へと走りより、弓を使う者の正体を見つけ出そうとする。


 民家の傍に来た時、民家の壁を破壊しながら何かが飛び出して来た。

 「あれは水……か?」

 男がそう思ったものは紛れも無く水であったが、その水は瞬間的に圧縮され細い1本の水となり、勢いと共に男の体を貫いた。

 倒れた男に向かって、間髪入れずに民家の陰から矢が山なりに放たれ、何本かの矢が刺さった。


 民家の陰からアレンに向かって走って来たのはマナであった。


「馬鹿な! 貴様の様な女が、私の部下2人を倒したと言うのか!」


 マナはアレンに回復魔法を掛けると、みるみるとキズが塞がっていく。

 これは並の回復魔法では無い。

 そう思ったアレンはマナを見ると、胸元で何かが輝いている。

 「まさか……それは、刻印なのか?」

 マナは視線を外したが、それは刻印の放つ輝きである事は間違いない。

 アレンは以前から疑問に思ったいた事があった。

 キャスタルの城でグリーヴァの大鎌で腹部を貫かれたキズは致命傷であったはず。もちろんマナの回復魔法では治す事は出来なかっただろう。しかしこの国で目を覚ました時、キズは完全に塞がれていた。マナに聞いても分からないと答えるだけだったが、あれはマナが刻印の力で回復魔法を使ったおかげだろう。

 しかし、それだとまた疑問が湧き上がる。

 何処でいつの間に刻印を手にしたのか?

 そう思った時、マナが声を上げる。

 「アレン、立って!あいつが来るわよ!」


 部下の2人に抱えられて立ち上がった男の顔は、怒りに満ちていた。

 「……貴様をまだ子供だと思い、知らず内に油断をしていた様だ」

 男の持つ槍の柄から魔力が滲み出て来るのが見えた。

 「外の者達よ、今まで全力を出していなかった無礼を詫びよう。……貴様の命を貰い受ける、我の名はコリダロス・パシオ」

 隊長格の男コリダロスは名を告げると、槍の柄、世界樹で作られた所から湧き出す魔力を全身に纏うと体が変化していく。

 腕や足はもちろんの事、顔も毛深く。……いや、あれは毛と言うよりは羽毛の様なものが生えたと思えば、服の背の部分を破り、翼が生えてきた。

 その姿は人間と鳥の半獣。

 半獣など見た事の無いアレンやマナにとっては不気味な魔物に見えた。


 「貴様らは知らぬだろうが、これがこの国の戦士の姿だ。そして……」

 コリダロスは翼を羽ばたかせ宙に舞い上がったかと思えば、嵐の日の突風みたいな速度でこちらへ向かって来る。

 滑空してくるコリダロスに向け、マナが水の魔法を発動させるがコリダロスは魔法が放たれる前にアレンとマナの間を横切り背後に回った。

 そのまま体を反転させる力を利用し槍を振る。

 アレンは双剣で受け止めるが、足が地面から離れそのまま後方の民家の壁に打ち付けられる。


 「……足掻くだけ苦しみが増えるだけであるぞ」

 冷淡にコリダロスは言った。


 アンジの腕力にナオの俊敏性を足して引かない感じだな。

 槍を受けたアレンのコリダロスに対する評だった。


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