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目線を変えると、こう見えるのです。

 優希ゆうきは、主李かずいと親しくなってから……付き合っていると言えるのか、自分でも不明と言うか、


「あの時の一言、ほんとだったの?夢だよね?」


と何度も確認し、何回も夢だった~(._.)と思っていたりしていたため。

 その上教室で、


「おーい‼ゆ、曽我部そがべ‼」


とも呼ばれていたため、


「あぁ、友人として『好き』なんだ」


と思っていた。




 でも、昔のようにウジウジ、ベソベソするのは学級委員の主李に悪いし、せっかく仲良くなったのだから、もっと仲良くなりたい。


 そして、勇気を持って自分から、


「大好きです‼」


と言えるようになろうと思っていた。




 それに、苛めっ子から庇ってくれているのか、良く一緒にいてくれるようになり、同じく読書仲間……優希は必死で普段は巻き込まれてはいけないと避けていたため知らないが、牽制というよりも、苛め現場に教師や教頭をさりげなさを装って誘導していた……の実里みのりとも話すことが増えた。


 大丈夫かな?

 迷惑じゃないかな?


と思っていると、読んでいた本から顔をあげ、


「気にしなくて良いから。それより、かずとは?」

「えっ?」

「何か、そっちで言いたそうな顔してるよ。おーい、かず‼」


振り返ると、主李が居心地が悪そうに立っていて、


「あ、のりに、ゆ……曽我部」

「あ、大事なお話だったのですか?」

「違う違う。曽我部とだって。俺とじゃないよ」


本を閉じて立ち上がる実里に、


「ちょ、ちょっと‼昼間のあの約束、いつ行こうって話そうと思ってたんだよ‼行くな~‼のり‼」

「二人で決めなよ。俺は文芸部で、大きな大会とかないしさ」

「お前の用事だってあるだろ~‼のり‼」


 おらぁぁ‼


捕まえて、必死に引っ張る主李と逃げようとする実里のじゃれあいをみて、


「……良いなぁ……守谷もりやくんと菊池きくちくん」


ぽろっと漏らす。


「何が?この怪力‼痛いっての‼運動能力過多、ほぼ本能活動魔神め‼」

「のりが、ひょろっとしてるんだろ‼いくら芸術に強くても、体力位つけろ‼」

「かずは芸術疎いしね……俺おすすめの本は読んだ?」

「くぅぅ‼読んでやる‼」


 ちなみに、主李が読んでいるのは、優希の大好きな妖精の本であり、ページを開けた瞬間(  ̄- ̄)になったのは否めない。

 可愛いと言うか、少年漫画に親しんだ主李には繊細な可愛いイラストは、


「何だ?これ?」


であり、


「はぁぁ?えーと、エルフとフェアリーって別?コボルトとドワーフ……わっかんねぇぇ‼」


だったのだが、元々理数系や地理に詳しい彼は、地域によって違うことや、水や火にも精霊、妖精がいてと言うのを何とか理解しつつある。

 でも、良かったと思ったのは、


「兄貴の部屋にあるエロ本や、巨乳の姉ちゃんの訳のわからない鎧って言い張ってるけど、変な格好の居心地の悪い本じゃなくて良かった‼文章もあるし、変なゾワゾワ感は感じない‼まだ綺麗と言うのか?絵画に近いと思う‼」


だった。


 中学3年でそういうものを見ていない、知らないと言うのは嘘だが、気になっていた優希はそう言うゾワゾワとは無縁に見えて、それにそう言うことを感じるのが後味が悪いと言うか、申し訳ない気になる。

 部活動が一旦落ち着いて正式に付き合うようになったら、そうなってくるのか解らないが、ただ解るのは、


「笑顔が見たい。この間のように手を繋いで歩きたい」


である。


「だ、だから、曽我部‼いつが良い?俺は、今度の日曜日大丈夫‼」

「俺は……」

「大丈夫って、お前言ったよな?」


 主李の一言に、


「はい。曽我部。俺も大丈夫。曽我部は?」


実里の言葉に、嬉しそうに、はにかむように笑った優希は、


「うん‼大丈夫‼嬉しい‼楽しみだね‼主李くん。実里くん‼」


と答えた。

 その声に、振り返った二人は、顔を見合わせ、笑いあう。


「あぁ。絶対な‼」

「楽しみだね。曽我部先生の独壇場」

「独壇場って……えぇぇ?酷いよ~‼説明だよ‼説明‼」

「いや、あれは、主李の顔が見物‼」

「何だよそれ‼」


 3人は顔を見合わせ笑う。


 弾ける笑い声に、まだ5月の風は優しく教室を通りすぎていく……。

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