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Vaccine3 Lightning Attack

 ここは国分社市(こくぶんしゃし)のとあるVBB汚染区域の倉庫内。3人の能力者が戦闘中だ。

「あらかた片付いたみたいね〜」

 大鎌を二振り引きずっている女が言う。この女の足元にはいくつにも切り刻まれたイリーズ達がゴロゴロと転がっていた。

「ふッ…はッ!!雑魚イリーズばっかで手応えありませんでした。これなら私達が召集されなくてもイケたんじゃないですか?折角アニメ見れると思ったのに…」

 猫耳のようなものをつけているこの少女の前には手や足、頭もがれ、または、腹部に大穴を開けているイリーズ達が5mほど積まれている。

「…大丈夫、録画しといた。皆で見よ」

 この幼女は自分の背丈よりも長い槍を持っていて、なぜか周りには粉のような物が大量に散乱していた。

「あ、キルメにお土産買ってく?」

「じゃあ途中でミセド寄って何個かドーナツ買って帰りましょーよ!」

「……田中さん黒糖のやつが好きって言ってた気がする」



 車を走らせること約1時間。

 俺がナビをしながら、ここ『私立朧月高校』しりつおぼろづきこうこうに着いた。

「意外と時間かかったな〜。道が混んでたのか?直線距離だとそんなにあるわけじゃないんだがな。」

「いや、助かりました。ありがとうございます。駅から結構歩くから正直めんどくさいんすよ」

 ちなみにJR九王女(くおうじょ)駅から徒歩30分です!

「ほら、早く行って授業受けてこい……ちょっと待って電話」

 いや〜それにしてもなんか気分いいな!送ってもらう前にキルメさんは昨日のあのコスプレ服に着替えちゃって、ちょっと痛い人みたいになってるけどスタイルいいし、よく見たら美人だしこんな人と学校来れるなんてな〜正直自慢したい。

「ハルタ君、緊急事態だ」

「あ、君付けじゃなくてもいいですよ。緊急事態ってなんかあったんですか?」

「今、田中さんから連絡があったんだがどうやらこの近辺でVBB反応が出たらしい…私が気を感じられないから恐らく覚醒遺伝子持ちだ。多少VBBを抑えているのだろう。生かしたまま捕らえるぞ。そろそろ暴走が


 ドウッッッッッッッッッッッ!!!!!!


 急に大きな爆音が鳴り響いた。学校の校庭の方向!?

「な、なんだ!?!?」

「始まったみたいだな。この件に関して田中さんと相談した結果、君に対処させようということになった。まぁ私は上で見てるから安心しろ。電撃で気絶させるんだ。あ、あとこれインカムだ。初めてだからな、こちらから指示出来るよう渡しておく」

「え、ちょ、上って?てか学校にいる人を避難させなきゃまずいんじゃ…」

 俺が言い終わる前にキルメさんは空中に小さな結界を階段状に展開し、駆け上っていってしまった。

「ム、ムチャブリにもほどがあるぞこれ…」

 キルメさんは校内にいる人を避難させる事は頭に無かったみたいだ。それってどういうことだ?最悪の場合、被害が出る前にキルメさんが処理してくれるということか?

『おい、グズグズするな、急げ!』

「す、すんません、今行きます!」

 とりあえずやれるだけの事はやってみよう。


 校門をくぐって校庭に出てみると中央付近に1人の男子生徒らしき人影が見えた。

(ここからじゃ顔はイマイチよく見えないな…)

 上を見上げると確かに人がいた。キルメさんだ。

『とりあえず接近してみろ』

 キルメさんがインカム越しに言う。

 接近して何をすれば…とりあえずいつでも攻撃出来るように電撃を出すイメージは膨らませておこう。

 少しずつ近づいてみた。するとこちらの足音が聞こえたのか、男子生徒が顔を上げた。

「ん……誰だ…俺に、近づくな……ッ!」

 ん!?こいつは…確か隣のクラスの榊川(さかきがわ)ヨウ…だったかな?イマイチ覚えて無いけど。

「お、おい…とりあえず落ち着けって。もう大丈夫だからさ、肩の力抜けよ」

 我ながらなんて下手な説得だ。言ってる事支離滅裂。何が大丈夫なんだよ。

「何が大丈夫なんだ…」

 やべ、ツッコまれた。

「力を込めてないと…暴走しそうで…ウアッ!!!!!!」

 榊川の周りに砂埃が立ち始めた。その砂埃は次第に渦を巻きながら空へ伸びていく。まるで昇り竜のようだ…。

『竜巻から離れろ!巻き込まれるぞ!!』

 インカムからキルメさんの怒号が響く。

「同じ高校の生徒ならなんとか抑えられると踏んだんだが…少し荷が重かったようだな」

 いつの間にかキルメさんが隣にいた。

 いや、普通無理だろ!!イキナリやれって言われても!!というツッコミが今にも喉から出そうだったがなんとか耐えて…

「降りてきてくれたってことは代わりにキルメさんが処理してくれるってことでいいんですか?」

「そのつもりだったが今お前から言われて気が変わった。私は手伝うだけだ。ネゴシエイトはお前がしろ」

「えぇ〜そんなぁ…」

「私がアンチVBBフィールドを展開すれば竜巻は消えるだろう。そしたらお前が気絶させろ。しくじるなよ」

 あー怒ってるよ…だからしょうがないじゃんってば。

「フィールド展開!」

 キルメさんがそう言いながら腕を左右に広げる。結界は見えないが、竜巻が徐々に小さくなっていくのを見るに、張ったのだろう。と言っても完璧に風が消えたわけじゃないのはなんでだ?

「もっとしっかり竜巻消すぐらい出力あげてくださいよ」

「バカか、それじゃお前の任務にならんだろうが」

「えっ、あーそういうこと…?」

 多少無茶しろってことなのか?しかし電撃の能力じゃ竜巻を消すことは出来ないし…よし、無理やり突破する!!

「うおおおおおおおおおおお!!!!」

 自分の持てる限りの最高速度で竜巻に突っ込む!!

 くそッ…風で押し返される!でもこれぐらいなら!!

 足を前へ前へ前へ!

 竜巻に触れた瞬間皮膚を切り裂かれるような激痛に襲われた。これはただの風じゃない。砂も一緒に巻き上げてるから砂自体が刃物のように高速で回転しているんだ。

 痛みに耐えながらなんとか竜巻内に入り込めた。

 あぁ制服ズタボロだ…買い換えなきゃなぁ、うわっ、結構血出た!大丈夫かな…なんて言ってる場合じゃなかった。

 中では榊川が宙に浮いている。

 意識は保っているようだがこちらが声をかけても反応しないようだった。

 とりあえず榊川を地面に降ろさないとだな。

 …よし、ギリギリ手が届い、た!

 気絶させるにはどうすればいいんだ?とりあえず頭に電気流してみるか。

 右手を開いて頭に乗せて、イメージを作る。今回は攻撃じゃないから弱めの電撃で。

「ふッ!!」

 バチチチチチ!!!!

 あ、あれ?思ったより強く出たか?

 なんだか竜巻がさっきより強く巻き上げてるような気がしないでもないような気がする…

『ハルタ!お前何をした!?とりあえず竜巻から出ろ!』

 インカムからキルメさんの声がした。

(そうさせてもらいますっ!)

 竜巻の中に入った時は何もせずに入ったが、次は体に帯電させてみた。何かちょっと変わるんじゃないかと思ったからだ。

 ちょっと助走をつけて突破…出来た!多少の痛みはあったが入る時ほどダメージは受けてないようだった。

「おいハルタ…余計なことをしよってからに!!」

 キルメさんがすぐに俺をどつきに来た。

「い、いやちょっと待ってくださいよ!やっぱり難易度高すぎますって!ムチャブリにもほどがある!」

 あ、あれーなんだかキルメさんの雰囲気が昨日のように鋭く……

「チッ…まぁいい。過大評価し過ぎたようだ。この電話でVBB事件特別通報回線にかけろ。すぐにこいつを回収しに部隊が来るはずだ」

 そう言われ、ケータイのアドレス帳を開いてみると確かにそれらしき登録件があり、通報した。

「あと5分ほどで着くみたいで……ええっ!?」

 振り向くとさっきとは比べものにならないくらいデカイ竜巻が目に飛び込んできた!これ…20mは軽くあるんじゃないか!?

「中の奴は軽くイリーズになりかけてるな…最悪の場合にはならないと思っていたが…どうやら最悪の場合みたいだな」

「榊川を…斬り殺すってことですか…?」

「あぁそうだ。何か問題が?」

「そりゃありますよ!名前…あやふやだったけど同級生を目の前で斬り殺されて何とも思わない人間なんていないでしょ!?」

「私にはお前の言っている意味がよくわからない。奴はイリーズだ。それに私には同級生とやらはいないしな」

「な、なら同じ訓練を受けていた人達はどうなんですか!その人達が殺されたらアンタだってきっとこの気持ちがわかるはずだ!!」

「……同じ訓練を受けていた者達なら全員私が殺した」

 …はっ?この人…何言って…

「私はイリーズ以外の者をこの手にかけた事がある。だから部隊から除名され、今は田中製薬で警備員をしてるんだ……話が逸れたな。私の昔話などどうでもいい。今は目の前の敵に集中しろ。」

 この人の過去…一体何があったんだ?

「言い忘れていたがVBB能力者以外の人にはこの竜巻は見えない。しかし被害は出る。つまりもしこのまま抑えられなくて竜巻が校舎にぶつかったら原因不明で校舎がボロボロになるということだ」

「じゃあ尚更さっさとケリつけないと…!」

 集中しろ……今は榊川を救う事だけを考える…俺がやっちまったんだから俺が落とし前つける!!

「キルメさん。まずアイツの動きを止めて下さい。その後は俺がやります」

「貴様…上司に向かって命令か?ハ、まぁその案には乗ってやろう。行くぞ!!」

「ありがとう…ございますッ!!」

 俺は体勢を低くしながら斜め右前に走り出した。その後ろでキルメさんはずっと腰に差していた刀を初めて抜き、構えた。

「我が分身…龍の落胤(たつのおとしご)の錆にしてくれる!」

 なんて物騒なセリフだ…!?チビッ子なら確実にチビるレベルで顔も眼閃もキマッちゃってる。

桜吹雪(さくらふぶき)柳川舞(りゅうせんぶ)!!」

 叫びながら刀を振るう。すると衝撃波が縦に3本出来て、凄い勢いで竜巻へ向かっていった。

(え…アレ動き止めるレベルなの?てか3回も刀を振るうの見えなかった…なんてスピードだ!!)

「安心しろ、峰打ちだ」

 時代劇ではお決まりのようなセリフを言うと、竜巻が消えた。確かに中の榊川にはダメージは通ってないみたいだ。

「絶対にお前を救ってみせる!うおおおおおおおおおおお歯ァ食いしばれェェ!!!」

(自分のケツは自分で拭う!)

紫電一拳(しでんいっけん)!!」

 体勢を低くした状態から一気に飛び上がり、榊川の顎に電撃を纏った俺の拳のアッパーを食らわせた。


「能力者捕縛、及び一般人、器物保護ご苦労様でした。感謝いたします」

「あーいいっていいって。それよりもーちょい早く来てくれないかなぁ」

 榊川に一発食らわせた後、すぐにVBB事件特別対処部隊が到着し、榊川を拘束した。

「あのー…これからアイツはどうなるんですか?」

「我々でVBB能力開発研究所に送った後、精密検査し、その結果に応じて教習所に連れていかれてVBBについて学ぶだろうな。彼は恐らく覚醒遺伝子持ちだから。…君もそうだったろ?何を今更…」

「オイ…早く立ち去れ…!斬られたいのか?」

「ヒッ……すみませんでした!ではこれにて失礼いたします!!!」

 キルメさんが刀をチラつかせながら脅すと隊員は一目散に逃げていった。

「ハルタ!お前は暴走せず、教習所にも行かないで能力を制御している。これは紛れもなく異例だ。それがバレたらまず、今のままの生活は出来なくなると思えよ。研究所行きだ」

 だから隊員を追い払ったのか…ただ単に短気なのかと思ったよ。

「何はともあれ一件落着だな、ほら早く学校行けよ」

 キーンコーンカーンコーンキーンコーンカーンコーン。

「あぁっ!?午前中の授業終わっちまったぁぁぁぁぁ!!!!!」

今回はバトル多めでしたがいかがだったでしょうか?感想お待ちしております!


次回、新キャラ登場します!

よろしくお願いします!

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