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運屋 駆(1)
牛乳配達員をしている高校生 運屋 駆 (はこびや かける)は
アルバイト代でスクーターを手に入れるのが、今の目標である
だから、神経質そうなおばさんに、ちょっと付き合わされることがあっても我慢しなくてはならない
なんせ目標の金額まで、あとほんの少しなのである
彼はあまり裕福ではない
欲しいものは自力で手に入れるしかないのだ
友達はみんなスクーターで休みの日には、どこかに遠出をして、遊んでいる
自分も早く加わらなければ、と思うのである
おばさんの家には牛乳をほぼ毎日届けているので顔見知りではあるけど、まさか朝から、ごみの始末を手伝わされるとは思いもしなかった
いや、ごみの始末自体、ほんの2分程度で終わったのだが、まさか朝一でこんな余計な仕事をさせられるとは!
それにしても、あのおばさん、あんな恵まれた、よさげな生活しているくせにわけのわからないことばかりいって、空き家なんかどうでもいいじゃないか、こっちは稼がないといけないのに
彼はブツクサいいながら、配達を終え、学校に向かった