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隣田 伊代(1)

朝、寒い ものすごく寒い


隣田 伊代 (となりだ いよ)は目を覚まして、台所へ向かった


そして、窓から昨年から住人が、行方不明になっているという変な家をチラリと眺め、熱いコーヒーを淹れた


コーヒーを飲み、目が冴えてくると、頭もはっきりとしてくる カレンダーをみて、はあとため息をついた


今日はごみ当番である


彼女は決して、怠け者ではない 今だってこうして、家族の誰よりも早く起きて、ストーブを炊き、新聞をとり、朝食の準備に取り掛かっている


家族の仲はとても良好で、専業主婦としての使命、掃除洗濯家事育児をすべて果たし、誇っている


しかしどうしても、ごみ当番の日だけはその誇りも、弱弱しくなってしまうのである


なぜか


問題はごみ置き場の位置にあった


ごみ置き場は隣の変な家の前にあるのだが、この位置に行くと、あの変な家を真正面から捉える形になってしまうからである


彼女はもう何度も説明不可能な現象を経験している 自分自身霊感は強いほうだと思ってはいた


そしてここ最近では、そのセンスは強くなっているようだと感じていた


誰もいない家の中で、何かとてつもなくいやなものが、我が物顔でのさばっている彼女は隣の家のことをそのように思っていた


牛乳屋さんに、一度ついてきてもらったことがある しかしそのときに限り、まったく何も起きず、自分の苦悩を誰にもわかってもらえないので、もう忘れることにした


しかし、今日はごみ当番の日、ああいやだ 思い出させざる得ない


彼女はもう一度深いため息をついた

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