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空巣嵐(5)
空巣嵐は独居房の中にいた
裁判にかけられたのだが、心身こう弱状態で責任能力なしそして社会復帰できる可能性も無し
もう出てこなくていい、死ぬまでこの中にいろというのが裁判所の判断であった
空巣嵐は必死になって、いままでのことを、出来るだけ丁寧に判りやすく説明し続けた
そしてそれはすればするほど、聞く側からすれば、滑稽であり信じられないものであった
未来から来て、腹が減ったので、コンビニ強盗を働いた 帰りたいから出してほしい
どうみても、まともな頭の持ち主ではない
彼のことを、面白おかしくマスコミは取り上げ、週刊誌ではネタにされる始末
TVではお笑いタレントが、コントの題材にしているらしい
ごく一部、まじめに話を聞いてくれる人もいて、彼に面会を求められることもあった
しかし、その人はオカルト研究家という、なんとも胡散臭い肩書きの持ち主でもあった
その人は力強いまなざしで彼を見つめ、こう言った
信じるよ、あなたの話、あなたが空巣に入ったその家、実に怪しい、今度ラジオ番組で取材をするんだが、私も同行することになっているんだ そこで調査をして、何らかの証拠となるものを見つけてくれば、あなたを牢から出してあげられるかもしれない 最も、コンビに強盗の件については償わないといけないけど裁判をやり直すことぐらいはできると思う




