元教師のコンビニオーナー
わしはコンビニオーナー、かつては教師をしていた
定年を迎え、今はこの店の経営で生計を立てている
導入した最新式の万引き防止スタンガン
レジを通さないと、電流が流れるようになっている
長い教師生活で、たくさんの人を指導し、その将来をみてきた
万引きなんぞやっとるやつに、ろくなやつはいないと、わしは思うとる
このスタンガンについて、人権問題とかなんとかいっとるやつらもいるが
こっちは生活がかかっとる
ひとの生活を邪魔しちゃいかんよなあ
犯罪者よ
空巣嵐は椅子に座らされ長々と説教を聴かされていたが
電気ショックのせいで半ば放心状態であった
オーナーの言っていることなどほとんど耳に入ってこない
説教は続く
なぜ、お前のようなものが
そんな、きちんとした身なりで、堂々と外を歩き回れるのか
理解できんよ
いや、社会のルールを守れるだけの、器量が備わっていないのなら致し方ないことだ
しかしそれならそれで、はだしで歩くとか、首輪をつけるとか
犯罪を犯しそうな人であると、一目でわかるようにして、周囲の人に暗黙の了解を得て、恥じながら生きるべきだとはおもわんかね?
なあ犯罪者よ
空巣嵐はうつむいて、机の上に並べられた、万引きした商品を眺めている
オーナーは目を瞑り、この仕事を選んでよかったという思いに、浸っていた
罪びとを裁くこの快感、たまらない
背を向け、事情聴取をする刑事気取りで、窓のほうを向いている
空巣嵐は、ふうとため息をつきおもむろに立ち上がるとウィスキーのボトルでオーナーの頭を殴りつける
そして、スタンガンのショックから完全に立ち直ったことを確信し、オーナーを締め上げた
気を失わせたオーナーを床に転がし、一体どうなってるとつぶやいた
万引きした商品についたラベル、そこにはこう書かれている
製造年月日 2044年X月X日




