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空巣嵐(4)
空巣嵐は途方にくれていた
町の様子が普段と違うのである
盗人としての最低限の心構えとして、つかまらないように逃げやすい裏道や、人どうりの少ない時間帯など、その町の顔ともいえる特徴をしっかり見にしみこませていた
違和感を覚えるなど、あってはならないことだ
プロ失格である
しかし、これは認めなくてはならない
空巣嵐は迷子になっていた
歩きすぎて腹ペコだ
ちょうど目の前に、コンビニがあったので入ってみる
誰もいない
休憩中なのか
チャンスだ
すばやく商品棚の弁当、パン、牛乳にソーセージとウィスキーのボトルを衣服の中に隠す
何百回と繰り返した万引き
空巣嵐の技術は、僅か3秒足らずで支払いをパスさせることができた
が
店を出たとたん
鋭い電流が流れた
その場にうずくまる
どうやら万引きした商品そのものから、電流が発生したようだ
だめだ、動けない
店員が出てくる




