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人の親切さ、プライスレス

久し振りに書いてみました。面白くないですが、読んで貰えると嬉しいです。サブタイと本文の関連性はありません。

「よし!服を買いに行こう!」


海翔は唐突に言った。昼下がりのゆったりとした時間を破るかの様に言った。


「……どしたの?いきなり?」


カナは海翔の言葉に少し驚き、なぜ海翔がその様な事を言い出したのかを聞いた。


「だってカナの服装が気になってしょうがないし、そんなんで外を歩けないでしょ?」


海翔はカナの服装があまりにも肌の露出度が高いので、普通の服を着させようとしていた。


「え〜、別に良いよ〜。この格好の方が動きやすいし。」


「ダメです!そんな格好をした人は家に置いておけません。」


海翔は色々な心配をしていたのだ。

まずは自分自身の事。次にカナに対する事。次に自分の友達が見てしまった時の対応等々…。最初の二つは良いのだか、三つ目は流石にあんな格好をしていると誤魔化しようがない。その前に女の子が家にいる事がおかしいと言うのはこの際おいておこう。とりあえず、余計な誤解を招かぬための事であった。


「カイトがそこまで言うんだったら良いけど…私お金持って無いよ?」


「大丈夫!とりあえずお金はあるし、いい所も知ってるし。」


海翔にはお金の心配は無かった。何故なら親がかなりの企業を立上げているのだ。なので海翔の借りている借家も古臭く無く、ある程度高価な所だった。とまぁ、海翔の家庭説明はこれ位にしておこう。


「勝手に説明しといてどうでも良い様な言い方、やめて欲しいね……」




俺とカナは、商店街に来ていた。都会では無いので、あまり目立つ建物は存在しないのだが、この町の人にとっては一番の都会である。


「人が一杯だねカイト♪♪」


「そうだな。人が多いと嫌なんだけど、まぁ良いか。」


俺とカナはその商店街の一角にある、『山瀬洋服店』と言う所を目指していた。


「うわぁ、人ってこんなに沢山いるんだね♪♪♪」


「こんなので驚いているとは、まだまだですのぉ、カナさん」


「だって、私の居た所こんなに人いなかったもん。」


いったいカナの村はどれほどまでに小さいのだろうか?バチカン位かな?いや、もっとかも。


「と、着いた着いた。ここだよ。」


俺はそう言うと、店に入った。


「お〜い伊織ぃ〜。いるかぁ?」


と、俺は店の中で呼んだ。そして目的の人物が姿を表した。そして俺を見るなり声を上げて怒った。


「伊織さんって呼べって言ってんだろーが!!」


と、伊織は言った。そしてカイトの横にいたカナに気付いた。


「!と、お客さんか?」


伊織が俺に言った。


「えぇ。訳有りの。」


俺がそう言うと、伊織はカナの方をじっと見ながら、


「もしかして、カイトの彼女さん?」


その言葉にカナは頬を赤らめて右手を顔の前でぶんぶん振った。


「ち、違いますよ!ちょっと訳有りで家出した私を助けてくれただけですよ!!」


「そゆことぉ♪♪」


少し悲しかったが、その通りなので、悟られない様に返事をした。


「だよねぇ!こんな馬鹿に彼女が出来る訳がないし!!」


「伊織…酷いぞ。その言い方は……。」


「つか、何か用か?って、用があるから来たんだよな。」


俺は、さっきの言葉で落ち込んでいた。代わりにカナが答えてくれた。


「私の服を買いに来たんです。何も持たずに家出しちゃったから、服一着しか無くて…」


「家出したのか。それは大変だったなぁ。ていうか、君スタイル良いねぇ。羨ましいねぇ。」


そうなのだ。カナは、その年齢とそぐわないのだ。まだ14歳なのに、胸が大きくて、ウエストもモデル並みに細くて、顔も奇麗で整っている。その体型はもう、人の常識を超えていた。少なくとも俺の常識だが…。

そして伊織もまた、俺の常識を超えたナイスバディなのだ。肌色は白くて、着物なんか着させれば、大和撫子の様な感じになるだろう。


「海翔、頭から煙が出てるぜ?」


俺は、伊織の言葉で我に返った。


「と、とにかくなにか服を買いに来たんですよ。」


「それなら、俺のあげようか?身長もあんまり変わんないし。」


「いや、でも貰うわけには。お金ならあるし大丈夫だけど」


「一着しか持ってないからこそあげらるんだよ。」


そう言うと伊織は、自分の部屋に戻った。




5分後、伊織は袋に詰まった大量の服と下着を渡した。


「サンキュ、助かったぜ、伊織」


「伊織“さん”だ!!」


「どうもありがとうごさいました。」


俺とカナは、伊織にお礼をして帰路に就いた。その時に変な違和感を感じたが、無視する事にした。



「見つけましたよ。ティルカナミレ・マナリアさん」


そこには見知らぬ女性の姿があった。そして、カナの名前の後に聞いた事のない単語を言い放つ。


「あんなか弱そうな男にくっついているなんて、可哀相なカナ……」


と、同情めいた事を言い、顔は笑っていた。ものすごく奇麗な顔だった。

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